ジオメトリから分かるアップライトポジションと前傾姿勢

2015/11/12自転車2016,FOCUS,ジオメトリ,ポジション

グランツールも終わり、2016年モデルのロードバイクがだいぶ出揃ってきた感がありますが、FOCUSのサイト更新は相変わらず遅いようで海外情報が頼りだったりします。

そんな中、何となくネットを見ていたらCLEBROが無くなって、CAYOにアルミモデルがラインアップされるとか!マジか!↓こいつがCAYO AL ULTEGRA

しかしまぁこれは良い機会なので、初心者目線でFOCUSのラインアップIZALCO、CAYO、CULEBROの違いと2016年モデルを見比べてみよう! と、ジオメトリを眺めていたらポジションを見るときのポイントのようなものが分かったので、今日はそのジオメトリとポジションについて書いておこうと思います。

ジオメトリから見るポジションの違い

良くロードバイクの紹介で初心者向けのバイクとして「アップライトな乗車姿勢が取りやすいジオメトリで初心者にもやさしい」といったコメントを見ます。

が、このジオメトリのどこがどうなっていると乗車姿勢に違いが出るのか分かんなくないですか?

私もCULEBROを買うとき、他メーカーと比較して何が違うのかを調べましたが、結局ジオメトリを見比べても乗り手にどういう効果がもたらされるのかは全く分かりませんでした。

しかし、約1年色々いじりながら乗ってきたことで何となく分かったことがあるので、それらを偉そうに書いていきます。

ジオメトリ一覧

Frame designs IZALCO ’16 IZALCO ’15 CAYO 105 ’15/6 CAYO AL ’16 CULEBRO ’15
Seat tube (mm) A 520 520 510 510 520
Top tube (mm) B 536 536 537 537 536
Head tube angle (°) C 71,00 71,75 72,00 72,00 72,50
Seat tube angle (°) D 73,00 73,70 73,50 73,00 73,70
Chain stay length (mm) E 405 405 408 408 408
Bottom bracket drop (mm) F 70 70 70 70 70
Head tube (mm) G 120 120 130 130 120
Fork Length (mm) H 370 370 370 370 370
Fork rake (mm) I 43 43 43 43 43
Wheelbase (mm) J 977 977 977 977 973
Stack K 520 520 531 530 523
Reach L 384 384 380 379 383

※厳密にはIZALCOはDi2やディスクブレーキモデルでフレームが違うみたいなので、なるべくオーソドックスだと思われるDURA-ACE(ULTGRA共通)のジオメトリを持ってきています。
※カーボンのCAYOは2015年と16年モデルでジオメトリに変更はなかったようです。

意識する部分はリーチとヘッドチューブ長

果たしてこの見方があってるかは分からないのですが、ネットで見てみても殆どポジションに影響する記事は見つけられなかったので、思ったことをそのまま書いてみたいと思います。

乗車姿勢に影響するのは、大きく「リーチ」と「手の高さ」になります。

「リーチ(Reach 図のL)」は、クランクの付け根となるBBから水平にヘッドチューブへ測った距離のことを言い、このリーチが長ければ長いほど腕を伸ばして上体を傾けるので自然に前傾姿勢へとなります。

「手の高さ」とはジオメトリで言うと「ヘッドチューブ長」になります。これが長いとその分手の位置がそのまま垂直上方へと上がるので上体が起きることになります。

ちなみに、ヘッドチューブ長はSサイズで言うとCAYOは130㎜ですが、CULEBROは120㎜で10㎜の差があります。

10㎜は大した差には思えませんが、コラムスペーサー2個分違うと考えると変えたことある人ならかなり違うことが分かると思います。

リーチはシートアングルとヘッドアングルによって変化する

ここからがポジションにとって一般的に情報が少ないところかと思うのですが、ジオメトリに載っているリーチはヘッドチューブのすぐ上にスペーサー無しでステム(ハンドル)を取り付けた場合になります。

何を言っているかと言うと、ロードバイクを買った時はヘッドチューブの上に幾つかスペーサーが挟んであり、限界までハンドルを高い位置に設定されているのが一般的です。

ヘッドチューブは傾斜が付いており、そこからコラムが斜めに伸びハンドルが付きます。

すなわちスペーサーをたくさん挟みコラムの上方に行けばいくほど、ハンドルは乗り手の方に近づいてくるということです。

このヘッドチューブの傾斜角度をヘッドアングルと言います。

ヘッドチューブ同様にシートチューブにも角度が付いておりこれをシートアングルと言いますが、この角度はだいたいヘッドアングルより大きく設定されています。

・・・と言う事は、シートを上げてコラムにスペーサーを挟んで行くとリーチは短くなっていくため、アップライトなポジションに可変していくということになります。

これが「アップライトな乗車姿勢が取りやすいジオメトリ」と言われる理由なんじゃないかと思います。

CULEBROとCAYOの違い

Frame designs IZALCO ’16 IZALCO ’15 CAYO 105 ’15/6 CAYO AL ’16 CULEBRO ’15
Head tube angle (°) C 71,00 71,75 72,00 72,00 72,50
Seat tube angle (°) D 73,00 73,70 73,50 73,00 73,70
Head tube (mm) G 120 120 130 130 120
Fork Length (mm) H 370 370 370 370 370
Fork rake (mm) I 43 43 43 43 43
Wheelbase (mm) J 977 977 977 977 973
Stack K 520 520 531 530 523
Reach L 384 384 380 379 383

CULEBROとCAYOのSサイズを比べてみると、ヘッドチューブ長は10㎜ CAYOが長く、シートアングルとヘッドアングル差も多少ですがCAYOの方があることが分かります。

リーチ差は殆ど無いので、スペーサーを挟まずに乗った場合はCAYOもCULEBROも乗車姿勢に関してはヘッドチューブ長くらいの差しかありませんが、スペーサーを全て挟んだ場合は恐らくリーチ差がもう少しは出るんじゃないかと思います。

この差ですが、ブラケットの持つ部分を手前に1㎝ずらすと乗車姿勢がだいぶ変わるのが分かるかと思います。

実際のリーチ差がどのくらいあるのかまでは調べておらず、また競技目的ではないので違いをホビーユーザー視点でしか見ていませんが、私にとっていまいち良く分からなかったCAYOというフレームは「アップライトにも前傾姿勢にもポジション調整ができる」という見え方になりました。

何か面白いですねw

それにしても残念なのはCULEBROの消滅

こうやってジオメトリを見てみると、色々分かって面白かったんですが、CULEBROを無くすことについてユーザー視点でのデメリットを考えるとやはり少し残念です。

2016年1月追記
Focusのサイトが更新されラインアップにCULEBRO 2.0のみ存在しています。なぜかサイズがXSとSのみの展開で、1.0や3.0は無し。・・・これってひょっとして2015年の在庫なんじゃないの?(笑)

CULEBROの特長

ポジションに関しての違いが分かった訳で、ではCULEBROの特長は?と考えてみました。

シートアングルもヘッドアングルもどちらも大きい!

これはCULEBROはフレームに対して乗車位置が全体的に前重心な特長ということではないでしょうかね。

聞くところによると、前方向に重心があると引き足を使いやすくなるらしいです。

まぁ、CAYO ALはカーボンCAYOとはジオメトリが実は違ってCULEBROっぽさが残っては居るのですが、やっぱり特長が薄れたような気がして勿体なく思っちゃったりして(笑)

2016年1月追記 こちら、カーボンCAYOとアルミCAYOは基本は同じジオメトリで素材の違いからかチェーンステーなどは多少違うようです。しかし、海外と日本の公式サイトでそれぞれ掲載情報が若干ずれてるのは気になります。

CAYOのブランド感

カーボンCAYOに乗ってる人としては、CULEBROが無くなってしまうことで、ラインナップとしては入門ラインみたいに見えてしまうのは気になりそうです。

そういう意味でブランド感は減りそうだし、アルミCAYOに乗ってる人としてはお金が無くてアルミに乗ってるように見えるコンプレックスを感じそうです。

他メーカー見ても同じようなことはあるので、気にならないもんなんでしょうか?

『ろんぐらいだぁす』アニメ化されるのに、、、

『弱虫ペダル』の人気によって好きなキャラクターと同じメーカーのバイクを買う女性がかなり居るようなので、『ろんぐらいだぁす』がアニメ化されたらCULEBRO乗りが多少は増えるもんかと思ってたんですが、少し残念です。

『弱虫ペダル』と『ろんぐらいだぁす』はフィーチャーされる部分も出てくるキャラクター数も全然違うから売上には全然関係無いかもだけど。

ちなみに、『ろんぐらいだぁす』にCULEBROは2巻から出てきます。2012年モデルのようです。この頃のFOCUSはだいぶ印象違いますよね。