ページが見つかりませんでした | サンプル数1の自転車情報サイト https://fertile-soil.org サンプル数1の自転車情報サイト Fri, 30 Jun 2023 00:27:29 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.0.7 https://fertile-soil.org/wp-content/uploads/2019/02/cropped-icon-32x32.png ページが見つかりませんでした | サンプル数1の自転車情報サイト https://fertile-soil.org 32 32 ブルベで初めて400km、600kmを走った際のロングライド対策メモ https://fertile-soil.org/longride/230629 https://fertile-soil.org/longride/230629#respond Thu, 29 Jun 2023 16:08:35 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8912 今年の2月に今年の目標を2つ立てまして、それが「The PEAKSのFinisher(時間内の完走)」と「ブルベ SR獲得」でした。

実はプライベートが充実し過ぎてて(仕事が忙しすぎて)、動画更新も全然できていません。トータルの走行距離は過去と比較しても乗れているのですがヒルクライムの練習は殆ど出来ておらず、頑張っては居たのですがThe PEAKSはどうしても気持ちが入らずDNS(辞退)することにしました。

さて、残ったもう1つのブルベ。これはThe PEAKSとは違って開催頻度が高いので何とかギリギリ調整ができて、3月には200、4月には300を走り、そして6月上旬には自身初の400にチャレンジし無事認定(完走)!そして遂に先日6月下旬に600を走り切り無事にSR認定!となりました。

実はブルベに限らず様々な課題があったのですが、これに対して行った対策が色々と上手く行ったので備忘録の意味も含めて久し振りにBlogに残しておこうと思います。補足ですが400以上で新たな課題も出てきてしまったのでこちらも対策を考えたいと思います。

※特におすすめするグッズのみリンクしてあります

FELT AR(第3世代)について

実はニューバイクを購入しました。FELT ARです。2020年に発売されたフレームで現在はあんまり見られなくなったガチガチのエアロ形状のバイクです。

もともとエンデュランスという速さよりは楽に乗る自転車を重視してたのですが、どうも過去の経験だとエンデュランスに乗っても変わらないのは分かっていたので、今回は調度良いタイミングで在庫が出てきたことで勢いで買ってしまいました。

エアロというとカッチカチのイメージがあるのですが試乗してみたら硬さは感じず、乗りにくさなども特になかったのが理由です。

信号をスタートして交差点を渡り切ったところでサイコンを見たら25km/hくらい出ていて、シッティングに移行した時には30km/hくらい。風が吹いて無ければ33km/hくらいでスルスルと走ってしまい、今までは28km/hくらいで走ってる感覚でいるのにサイコンは30~33km/hくらいの表示で、鼻歌交じりに走れてしまう感じ。

空力は体でしか感じられないので効果は分かりませんが、このバイクの特徴を簡単に言うと「滑るように走ってシンプルに速い」というところです。過去頑張っていた自分が何なのか・・・そんな感覚です。

バイク紹介はまた別でやりたいです。

400km、600kmの装備について

と言うことで、ゴリゴリなエアロバイクでブルベを走ってる人はあまり見かけない印象なのですが、ゴリゴリエアロなFELT ARでの装備を備忘録として書いていきます。

ライドに関する前提

前提としてですが、私はにわかランドヌール(ブルベを走ってる人の総称)なので、キューシート(距離や交差点の情報を細切れにした指示書のようなもの)をプリントアウトしてハンドルバーに固定するといったことはしておらず、キューシートはGoogleDriveにスプレッドシートとして保存をしオンタイムと貯金ありの時間を計算し、要所要所でスマホを開いて見るようにしています。

そういう意味ではブルベの楽しみの多くを逃している可能性はあります。

また、以前はサイコンも2台持ちでe-Trexなども使っていましたが、今はBryton Rider S800が便利で400kmまではこれ1台だけ、600kmはS800をナビにして走行時のスピード、パワー、走行距離をLEZYNE GPSで見るという運用になりました。

実は300も400も装備は殆ど変わらず、変な話、週末に軽く走るような装備でもぶっちゃけ大丈夫だと思うのですが、やっぱり知らない土地での気温の変化やDNFした際の輪行道具など、トラブル時の保険が一番の荷物になります。ちなみに600は1泊したのですが400の装備にUSBの充電器をプラスしたくらいでした。

パンク対策(予備チューブ)をフレームバッグへ

トラブルの最も多いものとしては当然パンクがあるので、必須アイテムとして交換用の予備チューブやタイヤレバーを持っています。

特に軽量化などは拘っていないので、結構重ためのブチルチューブを2本なのですがこれが結構かさばります。暑くなってきたので水分補給を考えるとボトル2本あるのが好ましいので、走りに影響しないフレームバッグを導入しました。

TOPEAK トライバックアップ タイヤバッグ

フレームバッグには、

  • ブチルチューブ2本
  • タイヤレバー
  • equiptサーディン
  • バルブエクステンダー2本

を入れてます。

バッグは下からジッパーを開けるタイプなのですが、少しベルトを緩めると簡単にひっくり返せるので実際に開けるときはひっくり返して開けてます。

トップチューブバッグに比べると不便で容量も小さいですが、もともとTTの用途が強いと思うので無駄の無い作りになっていて、走行に関しては膝にも当たらずストレスが全く無かったというところに魅力を感じます。

ちなみに携帯ポンプは写真でも分かるようにフレームにトピークのポンプを固定しています。

輪行道具や防寒対策グッズ、予備グッズをサドルバッグへ

サドルバッグは旧型のオルトリーブの大型サドルバッグを使っています。

中身は輪行グッズがほぼ半分を占めている感じです。リムブレーキから油圧のディスクブレーキに乗り換えたらしたら輪行グッズがかなり増え、だいぶ工夫が必要になりました。

輪行バッグはpekoさんの「ウルトラ軽量輪行袋」を使っていて、その他の輪行グッズでは

  • marutoのりんりんバンド
  • オーストリッチのチェーンハンガー
  • R250の輪行ベルト
  • TIOGAのショルダーストラップとチェーンカバー
  • BBBのディスクブレーキツール

これらを1つにまとめて収納。ベルト系が結構かさばってしまうのですが、ショルダーストラップと輪行ベルトが一緒に入ってしまうのは本当に助かっています。

◆お手製超軽量輪行袋◆

助かっていますと言うか、FELT ARはハンドルが90°に切れないので輪行バッグ自体を結構選ぶのですが、ハンドルがストレートな状態でフレーム54、ハンドル400mmというやや大き目なサイズでも使えることを考えると異常なコンパクトさです。

更に割とかさばってしまう以下をジップロックに

  • TIOGAディスクロータープロテクト
  • marutoのスプロケカバー

という感じで、輪行グッズはモリモリな内容だけどかなりコンパクトに収納できていると思います。

その他は

  • dhb ウィンドブレーカー(pekoさん袋に収納)or モンベル U.L.サイクルレインジャケット
  • パールイズミ レインオーバーパンツ
  • Anker モバイルバッテリー PowerCore 5000
  • VOLT300+予備バッテリー
  • 10mmの六角レンチ(クランク用)
  • GoProバッテリーx4
  • 補給食用のパン
  • プロテクト J1+日焼け止め(アネッサ)
  • 充電器 USB4ポート(600kmのみ)

10mmの六角レンチはとあるパーツ用に時々緩みチェックをして緩んでたら増し締め用。
こうやって見るとウィンドブレーカーやレインウェアがコンパクトにできていなかったらサドルバッグ自体を他の物にする必要があったと思うので、偶然ですが良いグッズに巡り合えたと思います。

蛍光反射ベスト

これもpekoさんの反射ベストを買いました。

実はたまたまTwitterでランドヌール宮城の参加要項で反射ベストに触れる内容が流れてきたのを見たのですが
Randonneurs MIYAGI – 参加要項(2023年版)

・後ろ身頃が極端に短いもの。

という具体的なNGの参考例に掲載されている反射ベストが以前使っていた物とモロにかぶっていてAJ千葉は大丈夫かもしれないけど確かに安全面の配慮で言うと怪しいかなと思ったので、急遽購入した感じです。

自転車ベストとして最適なビブス | 激安オリジナルビブス・ゼッケン作成販売店

使ってみるとこれが本当に良い!身丈が長いという意味で安全面でも良いのですが走る視点では複数あるポケットが有用で、前のポケットには防水対策をちゃんとすればブルベカードを入れたり、その他はカロリーメイトなどの補給食なども。背面ポケットにはパンやまんじゅうなどの大き目な補給食を入れたり、夏の暑い時期であれば凍ったペットボトルなど入れて冷却効果も得られます。

背面ポケットは深いので入れるのは少し大変でしたが、その分走っててこぼれ落ちるようなことはありません。脇からも手を通しやすいのでジャージのポケットを使用するのも邪魔にならずに大変快適でした。

今までの反射ベストはどちらかと言うと利便性を下げるものでしたが、この反射ベストは機能性の拡張に優れていてプラスの要素しかなかったです。

400km、600kmを走った際の体の痛み対策

ロングライドを走るとお尻の痛みなどが出てくるのですが、これに対しても対策をとって非常に良かったこととそこそこ上手くいったことがありました。

お尻の痛み対策

ロングライドに切っても切れないお尻の痛みですが、これは打撲と擦れによる痛みの2種類があると思っています。

打撲の痛みに関しては、サドルのセッティングなどもありますが、走っている最中には信号などの停止時にサドルから完全に腰を下ろすといったことや段差では腰を上げるなどで痛みの発生を軽減でき、小さなことですが非常に効果は大きいです。

擦れに関しては自分に合うレーパンを探すほかにシャモアクリームを使って滑りを良くするというのがあるのですが、今回はプロテクトJ1という皮膚に被膜をはるクリームを導入しました。これは完全に使用時と未使用時の比較でしか言えないのですが、お尻は痛くはなるものの座ってられないほどにはならず、走り終えた後の入浴時に感じるダメージなどはかなり軽減されているので気持ちの面でも余計な心配を減らす意味でとても有用だと感じました。

首と肩の痛み対策

ロングライドにおいてもう1つ対策が難しい体の痛みに首肩のコリがあると思いますが、これもポジションが出ているかは重要だと思うのですが、それと同等に信号で止まったり、PCで止まる度にやっていたストレッチが効果があったと感じてます。

今回からやり始めたことではなく結構な時間をかけて対策を取ってきたものが効果が出ていて、600kmという長い距離を走ってあくまで私個人でですが明確になりました。

効果から先に言うと走ってる最中も400kmはもちろん600kmの2日目も走り終えた翌日も、全く肩こりや首こりでの痛みは出ませんでした。

やってきた対策は

  1. 正しいハンドルの握り方をし、肩が上がらない(いかり肩)にならないようにした
  2. なるべく肩周りなど上半身もリラックスし顔を上げすぎないようにした
  3. 停止する度にストレッチをした

というところです。

まずは1と2ですが、これはポジションに関わる部分です。

ハンドルは水をすくい上げるような形で肘関節が下を向いて脇が閉まるようなイメージで持つようにしています。

この意識をすると自然と肩が下がるフォームになります。

首コリは頭を上げるほど起こりやすいので、視線は正面とは言わず斜め上で水平線がギリギリが視界に入るくらいを意識した上目遣いにし、その視線に合わせてなるべく顔は下向きにして首をリラックスさせています。完成車を調整せずに乗っているのですがブラケットポジションをとった時にちょうどこの位置に来るようになっています。

ここで重要なのがサングラスで上目遣いでも視界をカバーできること、そして眉間から風が入ってこないということ。
この2点をクリアできるサングラスが重要で、私はウィンタースポーツなどでおなじみのSWANSのSNOWFIELDの調光レンズのサングラスを使っています。

ノーズパッドがちょっと合わないのでパッドを貼り付けていますが、大きく目をカバーするので視界をふさぐことは無く巻き込み風も少ない。調光レンズの可視光透過率も88%と夜でも問題無く使えます。

コンビニでの休憩時など体温の熱気で曇るとそのまま油膜になってしまうことがありますが、すぐ拭けば取れるので大した難点でもなく気に入っています。シマノをはじめ安価な調光サングラスのラインアップが増えてきましたが、夜での使用に困ってる人には可視光透過率88%をぜひ試してみて貰いたいです。作りが安っぽいとの声が多いですが、うーん、、、まぁブルベのような昼夜走り続ける利用を考えたら安っぽいより利便性優先で😅

そして、ポジションとは別の3番目のストレッチについて。どんなストレッチをしたかと言うと、

  • 腕を反対側の前方に限界まで伸ばして肩甲骨周りの筋肉を伸ばすストレッチ
  • 腕を頭の上を通すように反対側に上半身ごと倒すストレッチ
  • 肘をつけて掌は合掌し、できるだけ上に上げるストレッチ
  • 大きく腕を上げて背伸びの運動を肘を曲げて行い肩甲骨を動かすストレッチ
  • ヘルメットごと腕で頭を抱えたように下を向いて首の付け根を伸ばすストレッチ

この5つです。信号で止まる度にやりましたが全部できなくても良いし、腕を前方に伸ばすのは路面状況が良ければ走りながらでもできるのが良いところです。

これを癖づけて習慣化しているとコリがほぼ出ない結果になりました。

首コリは翌日の頭痛の原因にもなるし、ずっと悩みのタネだったのですが、手足が筋肉痛でバキバキになったのに首肩はなんともなかったのは本当に自信になりました。

手の痛み対策

上手くいかなかったというか今後の課題になったのが手のひらの痛みです。

過去には手首が痛くなることが多くこれの対策を色々とやってきました。その結果、ずっと同じ姿勢でブレーキを握ったりすることで関節が固まってしまうことはあるものの、ハンドルの握りを水をすくいあげるような持ち方に変えることで手首の痛みが出て悩むことは全く無くなりました。

これに加えて正しいハンドルの持ち方も学んだには学んだのですが、それでも手のひらの痛み、特に小指球周りの痛みを抑えることはできず、350kmくらいからは数十キロ走ってはポジションを変え騙し騙し走る感じになってしまいました。手首の痛みが解消されたら今度は手のひらの痛みが新たな問題として出てきました・・・この手のひらの痛みは正しい乗り方をしてもダメなのか、それとも正しい乗り方ができていないのか。

通常、手のひらが痛くなると、エアロハンドルのフラット部分に手を置くのですが、カーボンハンドルはFELT ARが初めてでエアロは手は置きやすいものの別のバイクで使っているアルミ製のエアロハンドルと比べるとカーボンの方が衝撃がダイレクトに伝わっくるのかフラット部分に手を置いたまま走ることができないくらい手のひらが痛くなってしまう状況。仕方ないのでショルダー部分(曲がってる部分)に母指球を当てハンドルを握るなどポジションをローテーションさせていましたがやがて母指球自体も痛くなり、ゴール後は見て分かるくらい母指球と小指球が腫れてしまいました。

エアロハンドルによくあるショルダー部分までしか巻いてないバーテープ部分に手をちょうど置いてしまって化粧テープは剥がれバーテープもヘタッたので、とりあえずバーテープは新調してフラット部分まで巻きなおそうと思います。

また、グローブのクッションがズレて偏ってしまったり裏地が皮膚と擦れてしまうのも困りもので、打撲対策だけでなく根本的に擦れ対策も必要だなと感じました。擦れはグローブのフィット感を見直すのは勿論ですが、裏地の縫い目まで気にして見ても良いかと思いました。

本当に一つずつ着実に解決に向かっていると感じていますが、それにしても本当に長い時間がかかるなぁ・・・と。解決した時の喜びはその分大きいですが。

600kmを走り終えて

装備や痛みの対策について触れてきましたが、ちょっとおまけで600kmを走り終えてSRを獲得して分かったブルベを走る人の心境について、忘れる前にメモを残しておきたいと思います。

多分、ブルベに初めて挑戦した人やセンチュリーライドなどはやっているけど200は行けそうでもその先は…みたいに考えている人は、300やましてや400や600は想像ができないかと思います。

スタート地点に戻ってくる200のルートを走った時は大抵の人が、「ここからまた片道分を走るってことでしょ?考えられないわ~」って思いますよね。

まぁただそれでも恐らく3回くらい200kmのブルベを走れば多分2か3回目くらいからは300を意識して自分のスタミナの残りを意識しながら200を走り切れて、「これなら300も行けるかも?」なんて思ってる人も多いハズ。

そして300を走り切った時は今度は「400は無理だよ~」と思う、、、私がそうでした。

しかし面白いのが300を走りながら400を想定して走れば意外に余力を残してゴール出来てしまうし、600を意識して400を走れば意外にこれまた余力を残して走り切れてしまったりします。

ただ、そこでも拭えない不安は、痛みやメカトラ時、DNFの対処じゃないかなと思います。

熱中症による頭痛や吐き気、膝を代表例とした自転車生命に関わる関節の痛みは無理せずDNFすべきですが、お尻、手のひらなどこういった自転車に付き物の痛みはある程度対策することができます。

全く痛みをゼロにするなど不可能ですが、こういった対策を重ねることで、何故かメカトラでのDNFすら「絶対無理」「考えられん」から「もしかしたら行けるかも?」に変わってきます。(きました)

そして今シーズン感じた面白いことが、300を走ったらとんでも無くパワーアップしていることを都度実感できて、400を走ったら更にパワーアップしてることを感じられました。

ブルベじゃなくても200kmくらい走った人なら経験したことがあると思うのですが、最初に200km走った時は腰が痛くて仕方なかったのにその翌週に200kmとはいかなくてもそれなりの距離を走ったのに腰は痛くならないし何となく楽に走れてしまって不思議に感じたみたいなことはなかったですかね。

やっぱり1日使って200kmくらいのロングライドをすると明らかにスタミナや体幹は鍛えられるので、200→300→400と認定されていくことで実際に各段にパワーアップしているのだと思います。

そういった成長を前提に考え、シーズン中にできれば毎月1回は参加するスケジュールを組んだり、ロングライドをして間が空きすぎないように走ってみると600kmもまた遠くない話じゃないかと思います。

ちなみに、私は暑さにめっぽう弱いのですが、気温29度の中を600km走っていると明らかに日没後の19時頃からアベレージが上がる体験をしたので、同じような人は6月後半~9月はベースが下がるのを気を付けてつつ、ロングにトライするのは避けたいところだなと感じました。

 

 

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フレーム形状から見るロードバイクなどスポーツバイクの個性と選び方について https://fertile-soil.org/column/230120_rigidity https://fertile-soil.org/column/230120_rigidity#respond Thu, 19 Jan 2023 16:02:55 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8846 グラベルを含めロードバイクを5台乗ってきてメーカーの人に聞いたり雑誌やネットで見た情報から、フレームの特徴の読み解き方が自分なりにできてきたのでご紹介したいと思います。

ちなみに・・・受け売りであってフレームの開発や製造をしたり専門学校などで学んだ訳ではないので、100%鵜呑みにせずあくまで与太話の話半分として、自分の自転車の特徴を意識したり新たなフレームを購入する際の参考として読んでいただければと思います。

フレームを見る時の基本の考え方

フレームを見るに当たっての基本的な考え方ですが、フレームは基本的にスタックと剛性を見ていきます。

乗車ポジションに関するジオメトリのスタック

フレームを見る際に最初に必ず見るものとしてフレームの寸法があります。この寸法をジオメトリと言います。

余談ですが、まずフレームを選ぶ際は自分が乗れるサイズなのかという視点で選ぶことになります。ロードバイクはサドルに座った状態だと地面に足が届きにくい(届かないorつま先立ち)状態になるので、停止時にはサドルから腰を下ろしてトップチューブに跨って地面に足をつきます。このため、まずはトップチューブに跨れるかどうかが重要になりますがこの数字はジオメトリで言うとスタンドオーバーハイトという数字で表されます。

このスタンドオーバーハイトが自分の股下の長さより数cm低いと自分が乗れるフレームとなります。

・・・ところが、このスタンドオーバーハイトという数字を公表していないメーカーが結構あるので困るのですが、その場合は近い数字としてシートチューブが目安になってきます。ホリゾンタルフレームの場合は必然的にシートチューブ長が長くなり、スローピングだとシートチューブ長が短くなります。

ここまでは余談ですが、フレームの特徴としてスタックという数字があり、簡単に言うとスタックの値が大きいとハンドルの位置が高くなるため乗車姿勢が起きた状態になり、小さいほどハンドルを下げることになるので前傾姿勢が深くなっていきます。

ハンドルが高く乗車姿勢が起きた状態と言うとマウンテンバイクを想像してもらうと分かりやすいのですが、バイクコントロールがしやすくなり安定感が増すかわりにスピードを出すのには向いておらず、前傾姿勢が深くなると逆にスピードは出しやすくなりますが、バイクコントロールが難しくなっていくという特徴がでてきます。

これまでロードバイクはレースタイプとエンデュランスタイプに分けられていても、実はジオメトリに大きな特徴を見つけることは難しく個性を読み取ることが難しかったのですが、2018年頃から如実にジオメトリにも違いが出てきたと感じています。

その大きな転換期はSPECIALIZEDのラインアップで、エンデュランスタイプのROUBAIX(ルーベ)とオールラウンドなレースタイプのTARMAC(ターマック)の存在だと感じています。

ロードバイクは色々な技術を謳いながらも、明確にこのバイクが速い!と言う世論が生まれることはありませんでした。

そんな中、2016年頃にジワジワと評判になってきたバイクにエアロタイプのVENGE(ヴェンジ)があります。競技勢を中心にVENGEに乗り換える人が増えていきました。

とは言え、ロードレースには山岳コースもあるため、平坦特化型のエアロフレームを受け入れ難い風潮もあり、競技勢の中でも全ての人がVENGEに乗り換えることもありませんでした。

そうこうしている内にVENGEの空力テクノロジーを取り入れた安定性がありながらも速さも兼ね備えた新型ROUBAIXが市場に投入されます。

今まで特徴がイマイチつかめなかった印象から明らかに戦闘力のアップした新型ROUBAIXの登場に直面した競技勢が思ったのは必然でした。「フラッグシップモデルは更に速いに違いない!」と。

そして、そのユーザーの予想通り先の2台のバイクを多くの面で上回るフラッグシップのTARMACが市場に登場し、一気に話題を奪っていきました。これ以上は無いんだろうと思われたVENGEとROUBAIXの存在を無きものにするかのような存在感。今なおTARMACの存在はセンセーショナルであると感じています。

このTARMACの存在や概念がロードバイクのフレームを刷新したように感じています。(個人的に今の流行りのフレーム形状の先駆けはBMCだと感じていますが)

しかし、このTARMACの強烈な存在感により、今までエンデュランスとカテゴライズされていたバイクの個性は更に薄れていってしまいました。ただ偶然か、同時期にアメリカを中心として高まってきたグラベルのニーズに引っ張られるようにエンデュランスバイクの役割はただの長距離ではなく「長距離を走る上で様々な状況にも対応できる」バイクへと自然に変化していき、きれいな舗装路ではなくギャップの大きな道やグラベルなど様々な路面でも走れるようなオールロードへと特徴が明確化され差別化されていきました。

と言うことで長くなりましたが、TARMACのようなロードレース向けバイクはスタックが小さく前傾姿勢を取りやすいスピードを出すためのバイクとなり、ROUBAIXのようなエンデュランスバイクはスタックが大きく乗車姿勢が起きていおり、操作性に優れ様々な状況下でも安定して走れるバイクというようになっていった訳です。(推測です)

現在ではSPECIALIZEDやTREKなど大手を中心にその特徴がなされ、中にはかつてはエンデュランスと称されていたバイク(BIANCHI IMPULSO)がグラベルバイクとしてラインアップの変更された物すら存在します。

前置きが長くなりすぎましたが、ここで言いたいのは「長距離を走りたい」というニーズから「エンデュランスバイクが良い」という安直な考えはやめた方が良いということです。スタックが低いバイクはスペーサーを入れることでハンドルを高くすることはできますが、そもそもスタックが大きいバイクはハンドルをもっと下げたくてもできないことがあるからです。

エンデュランスバイクを選ぼうとする人は乗り心地の良さを求めると思うのですが乗車姿勢は乗り心地以上に走る根本にかかわることなので、乗り心地を見るのであれば「エンデュランス」という言葉に惑わされずにフレームの細部を見る方が良いと考えます。

フレームの特徴は各チューブの剛性の組み合わせ

前置きが本当に長くなってしまったのですが、ここからが当記事の本題です。

自転車の剛性というのは、「全体的に」剛性が高いというものではなく、BB、ダウンチューブ、チェーンステー、シートチューブ、トップチューブ、シートステー、ヘッドチューブという各チューブの剛性を上げたり下げたりし、それぞれが組み合わさってフレームの特徴(個性)となっています。

当然、開発者としては細かい設計があるのだと思いますがそこまで私は読み取ることができていないため、あくまで各チューブの形状から剛性を想像して「コンセプト(開発意図)」を読み取っていくことになります。

例えばですが、ダウンチューブが太い場合はペダルを踏んだ際のバイク全体から返ってくる反発(反応・レスポンス)が速くすぐに推進力に変わるので加速が良く、逆に細い場合は反応は鈍いけどしなやかで伸びが良いといった特徴があります。これはダウンチューブのみを見た場合ですが、他の部分も同じように読み取っていくことによってどういった自転車なのか開発意図を読み取る要素として使うことができます。

このような見方を当記事では紹介していきます。

前三角と後ろ三角を見てフレームの第一印象を掴む

自転車のフレームは前三角と後ろ三角というものが頻繁に言われます。この三角が前と後ろでそれぞれ役割があります。

まず、ざっくりと自転車のフレームの第一印象を掴むためにこの三角形を見ていきます。

前三角と後ろ三角の役割

前三角は主にトップチューブとダウンチューブで形作られていて、後ろ三角はチェーンステーとシートステーで作られています。

端的に言うと、前三角は直進性、操作性、踏み込む力の伝達に関係し、後ろ三角は推進力に関係しています。(他にも細かい効果は様々ですが)

前三角は剛性が上がると自転車自体の反応(レスポンス)が速くなったり地面の凹凸などの振動がハンドルに伝わりやすくなりますが、剛性が低いと路面からの突き上げなどがマイルドになる反面、しなりやねじれによりパワー伝達にロスが生まれてしまうことになります。

後ろ三角は剛性が高いとペダルを踏んだ際の反応は速く加速を得られますが路面の凹凸などで跳ねやすくなり、剛性が低いと反応は鈍くなりますが路面の凹凸でも安定しやすくなります。

三角形の大きさを見て剛性からフレームの第一印象を掴む

こういった特徴を踏まえて自転車の第一印象をとらえる時に三角形の大きさを見ています。三角形の大きさが大きくなるとチューブ自体が長くなるのでしなりやすくなるため剛性は下がり、三角形が小さくなると剛性は上がっていきます。

最近のバイクは前三角は大きく路面からの突き上げなどを抑えつつ後ろ三角を小さくして剛性を上げ、パワーロスを抑えた設計が主流になっているようです。

また、フレームサイズの大小でもこの影響を受けることは意識しても良いと思います。

各チューブの役割

いよいよチューブ毎を見ていきます。

先に書いた通り、BB、ダウンチューブ、チェーンステー、シートチューブ、トップチューブ、シートステーを見ていくのですが(ヘッドは省略)、フレームがなぜあの形をしているのかということを交えて各チューブの役割を見ていきます。

剛性の視点から見るBBの役割

最初に分かりやすいのがBBです。BBに関しての剛性の見分け方は簡単で、BB周辺が大きいと剛性が高く小さいと剛性が低いです。

自転車は人の脚がペダルを踏む(こぐ)ことによって動力となって進むわけですが、人の脚が踏み込む力の流れは、ペダルを伝わりBBでフレームに接続されダウンチューブとチェーンステーを伝わってホイールへと伝達されます。当然ホイールは地面に反発をされるのでBBとチェーンステーがしなりBBは沈み込みます。

この時、ダウンチューブとチェーンステーが細ければ細いほど、ペダルに力が加わった時2つのチューブは大きくしなり、逆に太ければ太いほど硬くしならないことになります。

「自転車はダウンチューブとチェンステーだけあれば良くて、トップチューブとシートステーは無くても良いからね」と聞いたことがある人がいるかもしれませんが、それはこのBBを中心にダウンチューブとチェーンステーで自転車が支えられているからと考えられます。

このダウンチューブとチェーンステーの剛性を高めるためにはチューブを太くする必要があるのですが、太くするには当然接続されているBB周りも大きくしなければなりません。

このように自転車の剛性を上げるとなると必然的にBBを大きくする必要があり、BBはダウンチューブやチェーンステーの太さと因果関係があります。

とは言え、最近のカーボンフレームはたいていBB周りが大きくなってはいますので、見るとするとBB周りが華奢かどうかという点のチェックです。ここが華奢であれば何か特別な意図があると考えてみるのが良いはずです。

ダウンチューブの役割と剛性

ダウンチューブは前述のとおりBBにかかる力とタイヤが地面から反発する力を支える(跳ね返す)働きをします。この部分が柔らかいとペダルを踏んだ際に力が逃げてしまいロスが生まれてしまいますが、あまりに剛性が高すぎると今度は脚への跳ね返りが強すぎて体への負担が大きくなります。

また、特にダンシング時は、車体(ハンドル)は踏み込む脚とは逆方向に力が加わっているので(右足を踏み込む時は左にハンドルを押すか右のハンドルを引いているので)、ペダルを強く踏み込んだ際はねじれる力が加わります。

そのため、ダウンチューブの剛性はペダルを踏んだ際のパワーを推進力にかえる効率に最も影響し、また路面からの振動や衝撃といった路面状況の影響も大きく関係します。極端に言うとここの剛性が高いと反応の良さや推進力になり、低いとしなやかさが増すという見方ができます。

体重や筋力といったライダーのフィジカルに大きく依存するのですが、このしなりによる跳ね返りを考えて推進力を生み出す設計がされているものもあれば、しなりよりも反応の良さを重視してアタック重視の設計がされているものもあります。別の視点で見るとペダリングが雑な場合でもフレーム側がそれを推進力に変えるといった設計がされていることもあるため、少しマニアックですが関節の硬さなども考慮してどのフレームがライダーに合うかというのも選定理由になることもあるそうです。

チェーンステーの役割と剛性

ホイールとフレームを繋いでいるチューブのもう一方がチェーンステーです。このチェーンステーは競技勢などが口にする「かかりの良さ」に影響するようです。私は競技はしないので推測ですが、「かかりの良さ」とは競技勢特有の表現で感覚的なものになるのですが、ペダルを踏んだ時の「反応+推進力」の意味合いがあるようです。

感覚的な話なので表現が難しいのですが、ハンドル操作やペダルを踏んだ際の反応の速さだけでなく、ペダルを踏んだ時にググッとマシン自体が前に押し進められるような反応があります。このようなレスポンスだけでなく推進力が加味された反応の良さを「かかりの良さ」と表現しているようです。

ダウンチューブはペダルを踏み込んだ際のパワー伝達に関わるところですが、チェーンステーは特に路面への食いつきに関わってきます。ここの剛性が高いと前述の通り「かかり」が良くなるのですが、固くなり過ぎると反発しやすくなるので路面のギャップに対して跳ねやすくなりピーキーになりがちで、突き上げが強く車体が跳ねることによってタイヤと地面の摩擦が抜けがちになりパワーが逃げることになります。

チェーンステーがしなることで路面から跳ねることが無くなり俗にいう「路面追従性」が高くなり平坦だけでなくコーナリングも安定はしますが、剛性が低すぎるとロスが大きくかかりが悪くなります。

と、ここまで書いてきましたが、チェーンステーは実は特徴を読み取るには非常に難しいチューブになっています。というのも形状、曲げ、扁平などの工夫がされているのですが、今のフレームはどれも一定の剛性は確保してあるので、あまりコンセプトを読み解くことができません。

まっすぐのストレートは剛性が高く、それ以外はあまり変わらないと考えても良いと感じています。この後ろ三角の特徴は後述するシートステーの方が特徴が出ているのでシートステーを優先してみる方が特徴は分かりやすくなっています。

剛性は0か100かではないのであくまで傾向として捉えるのが重要で、チェーンステー単体で判断するのではなく後ろ三角を総合して判断するのが良いと考えます。

シートチューブの役割と剛性

シートチューブはサドルを固定するためのチューブです。ここにも様々な手が加えられています。

基本的には左右よりも前後の剛性の調整がしてあり、エアロタイプのフレームに多いのですが、タイヤの形状に沿うようにBB付近でシェイプされているフレームが存在します。ダウンチューブとチェーンステーを中心に設計されているためプライオリティは落ちますが、シートチューブが薄ければ薄いほどしなりが生まれ、シッティング時の路面からの振動が緩和される効果があるようです。(振動であって突き上げに対して影響が出るほどの変化は起きない)

最近のフレームはどちらかと言えば空力を考えたシェイプがされていますが、従来からある丸形のシートチューブのものは剛性が高くシッティング時のパワーロスを防ぐため、特に登坂時のパワーロスを小さくする効果が見込めるため、ヒルクライムを見据えたフレームは丸形のシートチューブが採用されている場合が多くなっています。

とは言え、シートチューブの形状について剛性が語られることはほとんどないので、プロ・アマ問わず入賞を狙うようなレースシーンでもあまり剛性を重要視はしない認識です。

トップチューブの役割と剛性

先にダウンチューブとチェーンステーが自転車の剛性で重要という話をしましたが、ではトップチューブとシートステーは重要ではないかというと補助役として分かりやすいところでは振動吸収性といった機能で貢献しています。

ダウンチューブとチェーンステーが全体的なバイクの剛性に影響を与えていることに対し、トップチューブやシートステーはバイクのニュアンス(雰囲気)を作っていると考えて貰うと良いと思います。

大きく性能に影響が出ないからこそメーカーやフレーム毎に大胆な工夫がされ、この補助役の部分こそフレームのコンセプト(開発意図)が現れやすい部分だと感じています。実際にメーカー、自転車雑誌、自転車店のWebサイトなどではフレームのコンセプト自体を語る部分としてダウンチューブやチェーンステーよりもトップチューブやシートステーを使って語られることが多くなっています。

トップチューブの剛性は、特にフォークを伝わってかかった反発に対する反応に影響しています。ダウンチューブにかかる力をサポートするようにトップチューブが力を一緒に受け止めます。この際に剛性が高い場合は路面からの情報がダイレクトに伝わりますが、低い場合は路面からの反発をいなしてマイルドになります。

シートステーの役割と剛性

シートステーはチェーンステーの補助約として効果を発揮します。チェーンステーは後輪に押し上げられるように力が加わりますが、シートステーはこの力をそのまま押し返す働きをします。

ここは良く路面からの突き上げなど乗り心地に関わる部分として語られることがあります。

チェーンステーの部分でも触れましたが、シートステー単体でどういった効果があるかではなく後ろ三角の剛性により、後輪が路面に食いついたり路面の反応がフレームを伝わってサドルに伝わったりします。

ただし、こちらもチェーンステーで触れた通りチェーンステーが特徴が見えにくいチューブに対し、シートステーはフレームごとに非常に個性が現れる箇所になっていて、どのメーカーも見た目の美しさも含めて特徴を出してきています。後ろ三角の特徴はシートステーを見て行ると分かりやすいと思います。

参照元:Wiggle Eddy Merckx – 525SL キャリパーロードフレーム

 

基本的に形状のパターンとして、ストレートの円>扁平形状>扁平+曲げの順に剛性が低くなっていきます。EM525は後ろ三角の剛性を意図的に落としてあるという意図を読み取れます。

チューブ剛性の見方、考え方

続いてそれぞれのチューブがどうなっていると剛性が高いのかという、チューブ自体の剛性の見方について触れていきます。

単体での剛性については以下の点に注目するのが分かりやすいと思います。

  • フレームの材質と重量から読み取る素材の厚み
  • 三角形の大きさ(フレームサイズ、前三角と後ろ三角)
  • チューブの太さ
  • チューブの形状
  • チューブの長さ
  • チューブの曲げ
  • 各チューブの扁平
  • 製造国

フレームの材質

基本的にこの記事はカーボンフレーム向けに書いているのですが、素材が違うものを比較してドツボにハマらないように念のため触れておきます。

まずは材質によってそもそもの根本的な剛性が違います。

ロードバイクのフレーム材質で有名どころとしては以下の順番で剛性が高くなっています。

アルミ>カーボン>チタン>クロモリ

これは素材の硬さ(しなり)だけではなく、加工技術も含めてこのようになりがちです。

バイクを比較する場合、材質が違う場合は同じ視点では比較せず違う乗り物として見ることをオススメします。

また、アルミやカーボンは素材の厚みによって剛性が変わるので見た目からは分からないフレームの厚みをフレーム重量から想像するのも頭の片隅に入れておいても良いかもしれません。

チューブの太さ

基本的にチューブは自転車として存在する限度内であれば太くなればなるほど剛性が増します。細い部分は剛性が低くしなり、太い部分は剛性が高く反発すると考えると良いと思います。最も太さに違いが出る箇所はダウチューブでここが太いと大きなパワーを受けやすい設計と考えられます。

写真上部のFOCUS CAYOはヘッドチューブからシートチューブに近づくにつれ、細くなっていくのが分かる。手前のBASSO ASTRAと見比べてもダウンチューブはどちらも太く大きい。

チューブの形状

特にダウンチューブにおいて言えることですが、だいたい円、四角、三角の3タイプに別れます。基本的にチューブというのは平面部分のからの力に弱いので円→三角→四角の順に剛性が低くなっていきます。(円に関しては楕円の場合は別)

この後説明する扁平にも関わってくることですが、基本的にチューブは力がかかる部分が面であると剛性は低く、面が小さくなり点に近づくほど高くなっていきます。

三角は角の部分にかかる曲げには強く、円(正円)は全ての方向に強く、四角以上の形状は面が小さいほど強く、広いほど弱くなります。(実際に存在するフレームの傾向から端的に特徴を集約した内容を記載しておりますが、絶対的な特性ではなく様々な状況によって変わりますので詳しく知りたい人は独自に調べてみてください)

シートチューブで言うと、円の場合は剛性を高めてあり、かかりを良くする

チューブの曲げ

ストレートではなく、チェーンステーやシートステーに見られる不自然な湾曲のことを曲げと呼んでいます。トップチューブなどで緩やかな弧を描いている場合を曲げと呼ぶことはあまりないようですが、基本的には同様です。

この曲げによって剛性が変わることはあるのですが、正直なところこの曲げの形状によって剛性を判断するのは難しく曲げの形状からの特徴を読み取ることが私にはできません。

ただ、曲げによって分かりやすい点はチューブ自体の長さが長くなる点です。長さが長くなるとしなりやすくなるのでチューブは横からの剛性が低くなります。曲げが入っている部分は長さが長くなっている=剛性を下げてあるという認識を持つようにしています。

シートステーで紹介したEddy Merckxの525は縦にも横にも曲げが入っているので見た目からもカチカチに硬いのではなく、何となく弾力を感じるのではないでしょうか。

最近はかなり多くのフレームがチェーンステーの途中で曲げられていますが、ストレートのものに関しては剛性が高める意図が感じ取れます。

BASSO ASTRAはチェーンステーはストレートですが、シートステーは円形だが路面追従性を意識したような微妙な湾曲した形状をしていました。

各チューブの扁平

扁平と言うのは円で考えると正円ではなく楕円のように潰して平べったくしたものを言い「つぶし」とも呼ばれます。特に金属は分かりやすいのですが、本当に潰したような跡が残っています。

こうした扁平は薄い方の剛性が下がるので、例えば横に扁平したものであれば縦方向からの剛性が下がりしなりやすく、縦に扁平したものであれば縦からの剛性は上がりますが、横からの剛性は下がります。

例えば、ダウンチューブの形状で、オールラウンドバイクは横に扁平された(縦方向につぶしが入った)形状をしていますが、縦方向のしなりは残しつつ、大きな力で踏み込むダンシングをした際のねじれがしにくい工夫がされていて、エアロフレームのように縦型に扁平されたものは空気抵抗は低いもののダンシング時には反応が鈍くなり、縦方向の剛性は非常に高いので「硬い」印象になりやすい傾向があります。

チェーンステーやシートステーにおいても同様で、チェーンステーは特に縦に扁平されて縦向きの剛性が確保されていますが、ロングライド向けのモデルなどは横に扁平され乗り味をマイルドにする工夫がされています。

扁平においてもシートステーは特徴的で、乗り味や路面の追従性を意識したものは横に扁平されていて、ヒルクライムバイクなど後輪の食いつきを重視したものは扁平されていない円のストレートなものが採用される傾向にあります。

メーカーの国

恐らくあまり無い視点だと思うのですが、どこの国のメーカーかによってもそもそもの設計に違いがでます。

簡単に言うと、国民や風土による文化の違いが設計に出ています。

例えば剛性の高い有名メーカーにオランダのKOGAがありますが、オランダは国民の平均身長が高いため体重やパワーが高くなりがちでそれに応えられるような高剛性な作りになっています。

他にも例えばベルギーにはRIDLEYやEddy Merckxというメーカー(ブランド)がありますが、ベルギーは非常に走りにくいパヴェ(石畳)が多いことが有名で路面からの振動や後輪の食いつきが非常に重要なため、大きなヘッドチューブから出るトップチューブが湾曲や扁平という特徴的な形状をして振動をいなしつつ、リアの柔軟性を上げて路面追従性を上げるという工夫が目立ちます。(RIDLEY NOAHやFENIX、Eddy Merckx 525など)

参照元:Wiggle Eddy Merckx – 525SL キャリパーロードフレーム

小柄な人が多いアジアに目を向けると、ブリヂストンアンカーは随所に扁平された加工がされ、CHAPTER2のREREなどのエアロタイプはトップチューブが非常に細身で乗りやすくしなりを活かして加速するような工夫がされています。

こういった各国の環境や文化的背景をヒントとして読み説いていくのもフレームの理解に繋がります。

全体の剛性や乗り心地の調整

「とは言え」ばかりで申し訳ないですが、とは言え競技をしないライダーとして多くの人が気になる部分は「乗り心地」かと思います。

その点では、よほど固いフレームを買わない限りは、どれを購入してもあまり変わらないのではないかと個人的には思います。

ヒルクライムバイクは剛性が高い

この視点で、乗車姿勢以外での乗り心地を気にする場合は「ヒルクライムバイクかそれ以外か」と考えるのが良いと思っています。

簡単に言うと、ヒルクライムバイクは剛性が高いです。

先に記載した様々な情報の視点でフレームを見ていくと、ヒルクライムバイクはダウンチューブが円形で太い、トップチューブはストレート、チェーンステーはストレートか縦型に扁平、最も特徴として出やすいシートステーはストレートで円形、シートチューブも円形になっている場合が多いです。

今乗っているバイクはまさにヒルクライムバイクの特徴が出ています。他にも1世代前のFOCUS IZALCO MAXなどは特徴が想像しやすく非常に分かりやすいと思います。

この視点で「軽量=ヒルクライム」ではなく、軽量においてもオールラウンドタイプとヒルクライムタイプに分けて見ることができたります。

乗り心地に関しては別の数字やフレーム以外で調整する

では乗り心地を重視したい場合は何を見るかと言うと、後ろ三角は前述の通りで良いのですが、フロントからの突き上げなどはフォークの太さやフォークオフセット、トレール、ホイールベース、フロントセンターといった数字を見るのが良いと考えています。

まず、フォークがまっすぐで太い場合はフロントからの突き上げが強いと考えるのが簡単です。フォークがストレートの場合はハンドル操作に関しての反応が良くなるのですが、更に太くなると剛性が上がるのでヒルクライム向けの固いフレームに良く見られます。フォークがストレートでもフォークが細い場合はロングライドなどではなくクリテリウムなどのレースを想定しているので、ハンドル操作に対しては反応は良いけどしなりを使って衝撃をなるべく吸収する工夫がされています。

・・・とはいえ、大きく緩和されるわけではありません。それで言うと、フォークがどのくらい寝ているかや曲がっているかという方が影響は出やすくそれでいうと、オフセット、トレール、フロントセンターといった数字が大きくなればなるほど衝撃吸収には優れ、本来の使い方とは違いますがホイールベースなども同様の目安として見るのも良いと思います。

再度例に挙げますが、BASSO ASTRAのフォークはベントが入っていたのでフロントからの突き上げはかなりマイルドでした。

それでもフレームはあくまで個性でしかないので、劇的に変えるのであれば、ホイールの剛性を上げたり下げたりで調整したり、エラストマー(クッション)入りのステムやシートポストを使ったりするのが目的達成には早いです。

また、フレームがそういった突き上げなどの解消には大きく貢献しないことは、TREKのISOスピード、SPECIALIZEDのフューチャーショック、ラピエールの特殊形状のフレーム+エラストマーといったギミックの技術が存在することからも分かります。乗り心地が気になるのであれば、フレーム形状に拘るよりこういったギミックの活用を優先するというのが手だと考えます。

ロードバイクの選び方に関するまとめ

と言うことで長々と書いてきましたが、これらを集約してロードバイクの選び方に関するまとめです。ここまで読んでもらって分かると思うのですが、これは最初の1台を購入するための記事ではありません。既に1台乗っていて、且つできればカーボンバイクに乗っていて2台目以降を迷っている人向けになっています。

また冒頭でお話しした通り、様々な情報を集めてまとめた受け売りです。受け売りをどのくらい優先するかなども良く咀嚼して参考にして頂ければと思います。

はじめてロードバイクを買う人へ

予防線を貼っておきながらも初めて買う人がこれを読んでしまったとしたら悩むと思いますので・・・

何を買っても良いと思いますが、初めて買う人はそもそもロードバイクというものを理解はできないと思うので当記事のことを色々見て考えても、ただ無駄に悩むだけなのであまり意味がないはずです。

そんな中でも個人的なアドバイスをするとしたら「グラベルを走らない」、「キャンプをしない」、「ロングライドをしたい」という人へは最新のエンデュランスモデルは避けた方が良いと考えています。理由は「乗車ポジションに関するジオメトリのスタック」で長々と書いた通りで調整幅が少ないため乗車姿勢を下げることができない可能性があるからです。

エンデュランスモデルは「前傾姿勢が浅く乗車姿勢が楽なエンデュランスモデルは初心者にもおすすめ!」みたいなキャッチフレーズが使われていて、嘘ではないのですが100%ではなく実は近場を走る分には良いけど体力と筋力を使う乗り方が求められるためロングライドには向かない可能性があります。

それこそ100万クラスの自転車であれば本来のエンデュランスの特徴が出てくるのかもしれないですが経験上数十万では難しいと感じます。またヒルクライム向けも避けた方が良いと感じます。

そのため、個人的には最も汎用性があり今後乗り換える際の基準にもできるという意味でオールラウンドタイプで、できれば軽量のものがおすすめです。

2台目以降を検討中で特徴をつかみたい場合

剛性は前三角と後ろ三角で総合して考えるのがスムーズでが、キーになるのはシートステーだと思います。その中で特徴的な部分を見ていくというやり方がコンセプトをつかみやすいです。

ニーズで見ていくと、ヒルクライムでタイムを競いたいのであればシートステーの形状が円形でつぶしの無い軽量タイプが一つの目安になると思います。

ロングライドをするのであれば、フォークのオフセットやトレイルを見て振動吸収性を想像し、トップチューブがどのくらい扁平されているかでコンセプトを読み取るのが良いと思います。後ろ三角から剛性を考慮して剛性が高ければ長い距離を走りやすく、剛性が低ければ乗り心地に寄せるというイメージになるかと思います。

参照元:Wiggle Eddy Merckx – Lavaredo68 ロードフレーム

写真はEddy MerckxのLAVAREDO68というフレームで、525と比べるとかなりシンプルな形をしています。

525と比較で言えば後ろ三角は小さくチェーンステーとシートステーは共にストレートで大胆につぶしが効いたシェイプ、ダウンチューブは下からの突き上げはいなす形状の三角形でトップチューブは525同様にシートチューブ付近は扁平したシェイプになっています。

通常フラッグシップモデルは剛性が高いものが多く、525はEddy Merckxのフラッグシップなのに明らかにLAVAREDO68の方が剛性が高そう・・・実は以前アンバサダーをやられてて三船さんが短い距離のレースの場合は525でブルベのようなロングライドはLAVAREDを使い分けていて、恐らく路面の安定性が必要でアタックなどでダンシングなど高出力を出すレースには525が向いていて、ストップアンドゴーよりシッティングで長い時間効率良く走るのはLAVAREDOというチョイスなんだと思います。

このように自分がパワー型でガシガシとダンシングで踏むタイプであればダウンチューブの剛性を考慮し、シッティングでトータルに速くというのであれば極端な加工がされていないフレームのチョイスが良いのではないかと思います。

ここまで書いて、やっぱりTARMACって速いんだなぁ・・・という気持ちになってきました。

できれば試乗をする

結局のところ、自分がどういった走り方をするかによって変わってきますし、何に楽しさや心地よさを感じるかも違ってくるので選び方は変わってくるかと思います。

そしてやっぱりどんなに短い距離だとしても試乗は絶対に大事です。

ただ無暗に試乗をしても、試乗車は良いホイールを履いているなどで後日完成車を買ったら全く印象が違って困惑した・・・なんてことが有り得るので、フレーム形状からコンセプトや期待する効能を想像し、実際に期待する内容なのかを試乗して確認するのが良いと思っています。

そして、その際はホイールの剛性なども考慮することで本当に自分が気に入る自転車なのかを検討する助けになるんだと思います。

 

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https://fertile-soil.org/column/230120_rigidity/feed 0
ロードバイク乗りにはレッカー(ロードサービス)付きの自転車保険をおすすめしたい https://fertile-soil.org/cycle/wrecker_221104 https://fertile-soil.org/cycle/wrecker_221104#respond Fri, 04 Nov 2022 07:14:51 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8819 先日落車をしまして鎖骨を骨折してしまいました。その際にau損保の自転車保険の付帯サービスであるレッカーサービス(ロードサービス)に初めてお世話になったので、使用した時の状況とサービスの紹介をしたいと思います。

ソロで走る人は特にですが、そうではないグループライドをする人にもおすすめしたいです。

事故の状況

最近、良く一緒に走ってもらっているいわしーさんと千葉の九十九里に向けて千葉外房有料道路を走っていました。

料金所を通ってすぐのところにある大野PAで休憩をしようと入ったところ、道の真ん中に設置されているキャッツアイに乗り上げて肩から地面に落ちるように落車をしてしまいました。

速度としては20km/hも出てないくらいの低速だったのが幸いですが、まさか進行を邪魔するようにキャッツアイが設置されているなど思いもしなかったのでこれは何とかして欲しいですね。(駐車場で暴走行為をする車がいるらしく、その対策として進行方向を塞ぐように設置したのだそうです)

転がるように転倒したのではなく力の逃げ道が無いように右肩から地面に斜めに落ちてしまいました。転倒した瞬間に良くない転び方をしたのが分かったのでその後のライドはあきらめ、一旦救急車を呼ぶことに・・・

病院を探して貰いながら自転車はやっぱり運ぶのは難しそうなのと、もし運べたとしても結局病院に置きっぱなしになってしまう点が悩みどころでした。結局受け入れて貰える病院がなかなか見つからなかったこともあり、後から来た警察の方と事故証明などの手続きをして貰ったりとしている間に痛みが段々とリアルになってきて「この程度の痛みなら自転車さえ運べれば何とか地元まで電車などで移動して地元の病院に行く方が楽そうだ…」と思うように。

ちなみに怪我の症状としては結果的に右手と右鎖骨の骨折だったのですが、以前に鎖骨骨折をした時とは違って、片腕は使えるし歩くのも問題なかったため自転車を運ぶ発想になりました。

こういった保険は加入前の情報は多いのですが加入後の情報は少ないので、せっかくなので加入後の経験の一例をご紹介したいと思います。

au損保の自転車保険 Bycleに加入したら絶対にスマホアプリ「自転車の日」をダウンロードしよう!!

そもそも自転車を運ぶ発想になったのは、冒頭で少し触れたau損保の自転車向け保険 Bycleに入っていて50kmまでなら無料で使えるレッカーサービスが使えることを知っていたからな訳です。

au損保の自転車保険Bycleにはスマートフォンアプリで「自転車の日」というものがあるのですが、私はこの保険のサービスの利用は全てスマートフォンアプリからやっています。

https://www.ausonpo-app.jp/

だいたい保険というのは使いたい時は慌てていてどこに電話して良いのかヘルプデスクの電話番号すら分からずにあたふたしてしまいがちです。しかし、au損保のBycleの場合はアプリを立ち上げればかなり情報は絞らているので何とかなるところが良いと思います。

もし、au損保の自転車保険 Bycleにこれから加入するという場合はアプリをインストールすることを前提に検討して貰えると良いと思います。

スマホアプリ「自転車の日」の利用シーン

スマホアプリを立ち上げた画面から機能を紹介すると

こんな感じになっています。

個人的に自転車保険を利用するシーンで想定しているのは以下の3点で

  • イベント参加時の保険加入の証明(⑤)
    イベント参加時の申込み時やスタート前のエントリー確認などで、証券内容や証券番号の確認
  • 事故時の対応(①、②)
    事故時の現場検証による事故証明など必要な手続きのやり方やレッカーサービスの利用
  • 事故後の保険の利用(①)
    自身の治療に関する医療費での補償、または他人を巻き込んで怪我をさせてしまうような賠償責任の補償での利用

これらを利用する時には、電話帳から保険会社に電話してオペレーターと話したり、Webから検索してWebサイトに行ってメニューから必要なことを探すことをすると思うのですが、これをしなくてもアプリ内でまとまっているのが非常に便利です。

レッカーサービス以外の機能は大したものは無く使い勝手が良いとは言い難いですが、保険のWebサイトは大抵が情報量が多くて構成も煩雑で見たい情報になかなか辿り着けないことが多いので、情報を集約してくれているだけでもアプリの存在は非常にありがたいです。

そんなに頻繁に使うアプリではないので使い勝手が悪いなどはどうでも良いことで、私のようなズボラな人間には何かあった時にとりあえずアプリを開けばなんとかなる「助かった〜😭」と感謝するような存在のアプリです。

唯一不満があるとするとアプリの名前が「自転車の日」という「au」にも「保険」にもかすりもしない内容なので、探すのに手間取ったり、間違えてアンインストールしそうになったりというところですかね。せめて「自転車の日 by au損保」とか「au損保 自転車の日」くらいの名前にしてくれたら良いのに😁

自走不可の事故をしてしまったので、au損保の自転車保険 Bycleのレッカーサービスを使ってみた

au損保 自転車保険Bycleはレッカーサービスが年間4回まで無料で使えます。

実際に自走ができなくなった時にレッカーサービスを呼ぶ場合、たぶん電話でサポートと話しながらでもお願いはできると思いますが、大体はGPSを使って現在位置を指定して来てもらうと思うのでアプリの右上にある「ロードサービス要請」から進んで行きます。

呼び方と来てもらうまで

アプリの画面にマップが表示されるので来てもらいたい場所をマップ上で指定します。GPSで指定が可能なので今いる場所ならそのまま現在地の指定が可能です。この点は電話より断然便利ですよね。スタートとゴールのポイントを指定すると大体の目安となる距離が表示されるのでレッカーで運べる範囲内かどうかが分かります。

※画像は一部合成しています

この一連のアプリの使い方は、最近のタクシーアプリを使っている人であれば同じものを想像してもらうと良いかと思います。

アプリの指示に従ってレッカーサービスを要請すると、au損保から電話がかかってきてレッカーサービスの年間4回の内の使える残りの回数の他、自転車の故障か、事故や怪我はないかなどのヒアリングがあり、私は単独事故だったので事故証明などの手続きについても色々アドバイスが貰えました。

少しするとまたau損保から電話があり、レッカーの到着時間の目処と実際に来てくれる会社の紹介をしてもらえます。その時初めて知ったのですが、レッカーの会社は規模もサービス内容もバラバラな自動車のメンテナンスを主に行う会社と数多く提携しているようで、その中で現場から近くて手配できた会社さんが駆けつけてくれるようです。

この時にレッカーに一緒に同乗させて貰えないかを聞いたところ、会社ごとに違うようで到着してドライバーに直接聞いてもらわないとわからないとのことでした。・・・ということで運を天に任せまることに😆

レッカーの依頼をしてからおよそ30分ほどだったと思いますが、レッカー用の車が現場に到着しました。(レッカー車があとどのくらいで到着するかはアプリで常時確認ができます)

来てくれたレッカー車と車載状況

一体どういうレッカー車が来るのかと思っていたら、到着したのは軽の業務用ミニバンでした。

私が依頼した本人である確認をした後に、どこに運ぶかや受取人は居るかなどの手続きの話をします。私は妻のPが家に居たので、妻が家にいることを伝えながらも同乗したい意思を伝えたところ快くOKを貰えたので乗せてもらうことに。(ここは会社ごとに違うと思うので当てにし過ぎない方が無難です)

自転車の積載方法については、ミノウラのVERGOが用意してあったのですが、1台ですし面倒なので横に倒して載せてもらいました。寝かせると言ってもクッションが車内に用意してあるので自転車が車の内装に直接触れないように間にクッションを噛ませるなどの配慮をしてくれました。

移動中に聞いたのですが、事前に研修を受けないと自転車のレッカーサービスはやらせて貰えないとのことで、スポーツバイクはカーボン素材などは壊れやすいなどの知識を学び、自転車の扱い自体はお客さんの許可を得てから触るようにしているみたいで、寝かせて良いか、気になるところは無いか、注意するところはないかなど逐一ヒアリングをされながら車載をやって貰いました。

移動ルートは相談で

出発前にだいたいのルートの相談をしました。と言っても、「京葉道ですかね〜」「そうですね〜」程度ですが、「だいたいで50キロは超えてしまいそうですが、55キロから60キロには行かないくらいで到着できると思いますよ〜」みたいな話と「オーバーした分は1キロ○○円追加でかかってしまうんですが良いですか?」と言った料金の説明があります。正直安くて助かる〜と思いました😗

これはひょっとするとレッカーの会社ごとに違うのかもしれないですが、そもそも事故った場所が有料道路の中ですし、帰りは京葉道路という高速道路も使って貰いましたがタクシーと違って高速料金が追加でかかるということもありませんでした。

到着後、自転車を降ろした後に何キロオーバーしたかという距離と1キロ当たりの単価を聞き、書類にサインをして解散となりました。延長分の支払いは後日au損保からの請求になると説明を受けてその場での支払いは特にありませんでした。

延長分の支払いについて

事故が10/2だったのですが、10/25くらいにau損保から電話で追加料金について認識が間違えていないか金額確認があり、コンビニ払いか銀行払いか希望を聞かれます。

平日のみにかかってくるのでなかなか取れず、折り返ししても発信専用ダイヤルとのことで会話ができないので、会話をするまでにだいぶ日数がかかってしまいましたが、レッカーサービスを利用した時に聞いた通りの金額で1,900円ほどで内容に間違いがなかったのでコンビニ払いを希望で払い込み伝票の送付をお願いしました。

事故が10月頭だったので、請求は1ヶ月くらい後に来るのか、もしくは月末にまとめて締め処理をしているのかもしれません。

今回レッカーしてくれた会社さんについて

会社名は忘れてしまいましたが、私が呼んだのは千葉市の大野PAというところだったのですが、同じく千葉市の蘇我の方から来てくれたようです。

通常は車の整備やメンテナンスなどの業務を行っていて、その一部としてオートバイや自転車のレッカーサービスをやっているとのことでした。

自転車はママチャリも扱っていてパンクなどで5kmくらいの距離を運ぶことが結構多いそうです。

レッカーサービスはありか

言うまでも無いですが、そりゃあった方が良いです。結局保険を使用する人の精神面の話なので必要ない人は必要無いので何だかんだと話すことではないんでしょうけど、やっぱり使ってみて改めてありがたさを痛感しました。もう他の保険会社に変える気が全く起きないですね。

使った時はソロではなかったものの、結局一緒にいるいわしーさんも付き合わせてしまって大変な迷惑をかけてしまうことを身を持って体験したので、そういう意味でも薄々感づいてはいましたがソロだろうとグループだろうと関係ないことを感じました。

なので、ストレートに「レッカーサービス良いな〜」とか「長距離ライドでのトラブルが怖いんだよなぁ」と思う人はやっぱり入った方が良いと思います。

レッカー(ロードサービス)の使用まとめ

au損保の自転車保険 Bycleでレッカー(ロードサービス)を頼むときの流れをまとめると↓こんな感じです。

  1. au保険のアプリ「自転車の日」の「ロードサービス要請」から地点を選んで要請する
  2. au損保のオペレーターからの電話がかかってくるので状況説明などをして改めて正式にレッカーを依頼する
  3. レッカー車が来るのでドライバーと輸送の内容のすり合わせ確認をする
  4. 到着したらオーバーした距離分を確認しサインをする
  5. 後日、au損保から電話が来るので、延長料金の確認を払込票を送ってもらう
  6. 払込票で支払いをする

私はau損保の自転車保険Bycleのゴールド ファミリープランに入っています。P(妻)も同じサービスを利用できるのでファミリープランがあるのも助かっています。

最近BycleBestというプランもできたようでこれは自転車以外の怪我でも使える保険のようですが、私は自動車保険で同じ類のものに入っているので他の保険と被らない場合はBestの方も良いかもしれませんね。

ちなみに、au損保の自転車保険 Bycleについても少しだけ触れておくと、ブロンズ、シルバー、ゴールドという料金プランに別れているのですが、レッカーサービスは一番安いブロンズにも付いています。

個人的に感じる大きな違いはシルバーになると入院時に少し保証金がでるようになります。ゴールドは自分が被害者になってしまった場合に損害賠償請求を弁護士に依頼した場合など補償してくれる分ですかね。ブロンズやシルバーでも保険としては充実しているかと思いました。

https://www.au-sonpo.co.jp/pc/bycle/premium.html

 

ということで、初めてレッカーを使った体験談のご紹介でした。考え方は人それぞれですが、検討中の方にはぜひおすすめしたいです。

 

また、最後に事故にあった時にお世話になった いわしーさん、レッカーの会社の方、救急車の方、警察の方、有料道路の係りの方、通りすがりで氷をくれた女性の方、au損保の方、P山、その他の方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

 

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https://fertile-soil.org/cycle/wrecker_221104/feed 0
ロードバイクで脚がパンパンになってしまう人へ 脱力したペダリング【テキスト版】 https://fertile-soil.org/cycle/yt221013pedaling https://fertile-soil.org/cycle/yt221013pedaling#respond Fri, 14 Oct 2022 13:46:17 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8656 ロードバイクを始めると結構な人が100kmなどの長距離、いわゆるロングライドをしてみたくなりますよね。だけど、太ももやふくらはぎが疲労でプルプルしてしまって、挫けそうになる人も多いかと思います。

そんな方々に対策として「脱力した踏まないペダリング」をご紹介します。

※Youtubeチャンネルにて紹介している動画のBlog版です。動画にてご覧頂く場合は最下部の埋め込み動画を御覧ください。
※全ての人を対象にはしていませんので、記事についてのご意見などは「この記事や動画の内容について」をご覧頂いてからお願いします

脚がパンパンになってしまう2種類のパターン

脚がパンパンになってしまうパターンは大きく分けて以下の2パターンがあるかと思います。

  • ふくらはぎがパンパンになってしまう
  • 太もも(大腿四頭筋)がパンパンになってしまう

この2つのパターンの対策を紹介します。

ふくらはぎがパンパンになってしまう場合の対策

ふくらはぎがパンパンになってしまって、踵の角度が一定で固定されずにプルプルとしてしまうような状態になってしまう人。

この場合はペダルに対して足の置く場所がつま先側過ぎる可能性があります。

ペダルと足の接地面がつま先側に寄り過ぎていると踵が落ちていかないようにふくらはぎの筋肉で支えてしまうので、いずれは疲労が進んで支えられなくなってしまいます。

解決策は簡単で、「ペダルと足の接地面を少し足の真ん中ら辺に来るように調整してあげる」ことで踵が落ちにくくなるので、結果的にふくらはぎの疲労を防ぐことができます。

この際に少し注意する点は、つま先から足の真ん中へ移したことで膝が若干伸びるようになります。

膝裏に突っ張ったような感覚や痛みが出たら、少しサドルを下げるなりして膝が伸び切らないように調整をするなど対策が必要です。

サドルはミリ単位で大きく影響が出るので最大でも5mm程度の変更にするのが無難です。シートを下げる場合、カーボンシートポストの場合は締め付けすぎると壊れてしまうのでトルク管理と聞いて分からない人や不安な人は自転車屋さんに持っていってやって貰うことを推奨します!

太もも(大腿四頭筋)がパンパンになってしまう場合の対策

太ももが張ってしまう原因は簡単に言うと一生懸命踏んでしまうというところに尽きます。

「踏めば疲れる」という当たり前の内容なのですが、ロードバイクに乗ったことが無い人はママチャリと同じ感覚を持っているので「自転車=踏まないと進まない」と思っているため一生懸命踏んで漕いでしまうことが起こっています。

しかし、ロードバイクは乗車姿勢などの違いから、実はペダルを一生懸命踏んだり漕いだりしなくても、重力で勝手に脚が落ちていきペダルが回るということが起きてきます。

この感覚を掴むことが重要で、どのくらい力をかけずにいてもペダルが落ちていくかということが分かってくると筋肉を使うことが減るので疲労が少なくなってきます。

感覚を掴むために、一番軽いギア構成にし、脚を前後水平の状態にし後ろの脚をペダルからどかしてみます。そうすると脚が自然に落ちていくのが分かると思います。脚が落ちて行かない人は体に力が入っているので両脚を1度だら~んと下げてみてから同じことをやると良いと思います。脚の位置を色々と変えて自分の想像と実際の感覚の違いを感じていくのが良いと思います。

ローラー台が無い人は、周りに人が居ない場所を探して壁(金網など)を掴みながらやると良いと思います。

脚が落ちていく感覚が分かってきたら、次は両脚でペダルを回してみます。当然ですが、自然に脚が落ちて行かなかった方がいると思います。なぜかというと、前脚が下がっていくのを後ろ脚が邪魔をしている状態になっているため、後ろ脚は邪魔をしないように上げてあげるように意識すると良いでしょう。

このようにあまり力を使わないリラックスした状態で自転車を漕ぐことを脱力したペダリングと呼んでいます。

小ネタ 重心位置と骨盤の傾きについて

脱力したペダリングに影響を与える要素に重心位置と骨盤の傾きがあります。

重心位置について

ロードバイクに乗る際の重心位置はどこだと思いますか?左右はどちらかに寄っていることは無いのでサドルにちゃんと座れていれば良いとして問題は前後の重心位置になります。

勘の良い人はペダルとペダルのちょうど真ん中の部分(BB)だと想像しがちですが、実際は前傾姿勢を取りますのでもっと前方になります。

BBの上に重心を置いてしまうと(ママチャリと同じ状態)、両足に均等に体重が乗ってしまうので自然に脚が落ちていきません。しかし、重心を前に意識すると自然と前傾姿勢になり、前脚側に体重が乗るため連動して前脚が勝手に落ちていくようになります。

脱力したペダリングをする時はこのように重心を意識してどこがバランスが良いか、しっくりくるかを試してみるのが良いと思います。

骨盤の傾きについて

ペダリングにおいて、骨盤の傾きは非常に影響が出てくるところです。

骨盤の傾きと言うのは、骨盤に着目すると猫背のような状態だと後ろに傾いている状態(後傾)になっており、逆におへそを突き出すような状態だと骨盤は前に傾いている(前傾)の状態になります。

この時に背中のラインと一緒に見てみると、後傾の時は背中にアーチができ、前傾の時は背中が直線になる傾向があります。

ロードバイクでは良く「骨盤を立てる」と言われますが、この「立てる」という状態が後傾か前傾かどちらか曖昧に使われる場合が多いです。私が調べた限りでは昔ながらの背中にアーチを作る乗り方を好む人が良く使う表現であり、前傾姿勢の際の骨盤の角度から見て骨盤が後傾の方が骨盤が上向きであることから、上に向かって背中のアーチを作るように「骨盤を立てる」と呼んでいるように理解しています。この場合、逆に骨盤を前傾している場合は「骨盤を寝かせる」と表現します。

いずれにせよ「骨盤を立てる」という言い方は、ちゃんと定義されていないので会話で使う場合はどちらかの意味かを見極めて話をする必要があります。

この骨盤の角度はそれぞれ長所と短所があります。

長所 短所
骨盤が後傾
  • 股関節の可動域が広く腿上げがしやすい
  • 各種筋肉が使い易い
  • 深い前傾姿勢が取りにくい
  • 関節を利用したテコが使いにくい
骨盤が前傾
  • 前傾姿勢が取りやすい
  • 関節を利用したテコが使える
  • 脚が自然に降りていきやすくする
  • 股関節の可動域が狭く腿上げがしにくい
  • 強い体幹が求められる

骨盤を前傾させた時に股関節の可動域が狭まることを私は「股関節をロックする」と呼んでいますが、骨盤をロックさせると可動域が狭まる代わりに前方向に力が出しやすくなるという特徴もあるため、脱力したペダリングは骨盤の傾きが非常に重要になってきます。

動画内では説明をしていませんが、いつか「骨盤をロックする」効果に関しても動画にしたいと思います。

この記事や動画の内容について

脱力したペダリングに関しては以上になりますが、いかがでしたでしょうか。

当記事や動画で紹介している考え方については、自転車雑誌を中心に書籍や自転車競技のプロ、実業団選手、レース関係者などの発言から収集しています。

収集した内容を私が実際に取り入れて役に立ったものを、ホビーユースの私の視点から同じホビーユースの人向けに抽出して紹介しています。

特にレースや競技のような乗り方には当てはまらず、200km程度のロングライドを中心としたホビーユース向けの内容になっています。

参考にした書籍や情報など

言わずとしれた堂城賢さんの自転車の教科書。2022/10/14現在 Kindle Unlimitedでも読めるようです。

 

様々なジャンルで活躍されている理学療法士 多田さんのMedibody(関節の使い方などを教えて頂きました)

https://medibody.info/

動画本編

お時間のある人は動画で!

 

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https://fertile-soil.org/cycle/yt221013pedaling/feed 0
YOELEO(ヨーレオ)-いま注目のアジアのロードバイク新興勢力の概要 https://fertile-soil.org/cycle/220920 https://fertile-soil.org/cycle/220920#respond Tue, 20 Sep 2022 01:44:15 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8652 YOELEO ロゴ

個人的な体感ですが、ロードバイク界隈で3年ほど前からAliExpressなど中国での通販を積極的に使う流れがでてきました。それに伴い、中国や台湾といったアジアメーカーの勢力が非常に伸びてきていると感じています。

実際、私もいまメインで乗っているバイクは台湾?中国?のメーカーで前2つのエントリーでご紹介しています。

そんな注目が集まっているアジア・中国メーカーで現在最も大きく勢力を伸ばしているメーカーの1つにYOELEO(ヨーレオ)があります。

もう何ヶ月も前のことになってしまったのですが、YOELEOの営業さんからTwitterでDMを貰いメールで会話をする機会がありました。興味があることを色々と質問をしたところ面白かったので話を聞いたり調べて分かったことをご紹介します。

※当エントリーは誰でも参加可能なアフィリエイトのご紹介は受けましたが金銭の授受や、YOELEOさんから執筆依頼があった訳ではありません。
※ページ最下部に10%オフのクーポンをご紹介しています。購入する方はクーポンを使うとお得です
※YOELEOのサイトTOPや商品へのリンクはアフィリエイトリンクになっています。

YOELEO とは

YOELEOは創業者のLEOさんによって2011年に立ち上がったブランドで、中国福建省にあるロードバイクメーカー兼ブランドです。

「自転車好きなYOU(YO)たちと世界中の自転車好きを繋げたい」と言う意味がこめられているそうです。

台湾や中国は自転車工場があり、多くの向上が欧米の大手メーカーの製造を請け負っています。YOELEOさんもそういった会社の一つで2007年からODM/OEM事業をやっていたそうです。ODMだけでなくOEMもなので設計も噛むことがあったってことですかね。

Yoeleoについて

企業理念について

YOELEOのWebサイトによると、“YOELEOは常に未来へ挑戦し、自由と進歩を追求し、健康で豊かなライフスタイルの実現に貢献してまいります。”と理念を掲げているようです。

非常に抽象的ですが、製品を通じて購入者に「幸せになってほしい」というイメージがあり、そのためにもより新しい活動に挑戦していくという内容のようです。

その他、基本情報と沿革が記載してあるのですが、面白いな〜と思ったのが、正式社名、社長名、資本金まで掲載してあるところでした。沿革はどういった会社か想像するのに参考になりますね。

一昔前は、こういった情報が記載されているのは当たり前でしたが、最近では掲載しないところも多くなってきました。

特に資本金は会社の規模感が想像できていしまうので掲載しない場合が多いです。しかも、英語版の本体のサイトには掲載されていないのに日本語版には掲載されているので、姿勢としてはちゃんと日本の販売に向き合っているように感じました😅

YOELEOのホイール製品について

YOELEOはサイトを見てすぐわかるのですが、ロードバイク、グラベル、マウンテンバイクなどのフレーム、ホイール、ハンドルを製造販売しています。

YOELEOは、製品群の中でも特にホイールに自信があるようでラインアップもサイトでの情報量も非常に充実しています。

全てのホイールでUCIの認定を受けていて、SGS認証を通っています。

ホイールラインアップ

ロードバイクのみに絞ったお話になりますが、2022年の4月頃まではブレーキ面がアルミでリムがカーボンというハイブリッドリムもあり、STD(スタンダード)、SL(スーパーライト)、PRO、PILOTという幅広いラインアップがありました。

2022年9月現在ではSTDとSLが廃盤になったようでPROとPILOTのカーボンホイールのみが販売されています。

これから先に商品が追加されていくかもしれませんので、少し前まで存在したSTDやSLも含めたラインアップについて触れておきます。

ちなみに現状のWebサイトではPROとPILOTに減ったとはいえ、それでも非常に沢山の種類があって複雑に見えますが、実はリムハイト(リムの高さ)の種類が豊富だからであって、実はラインナップはシンプルです。

PROとPILOTというグレードは違ってもリムは同じものを使っているため、違いはハブとスポークしかありません。

ということでグレードの比較表を作るとしたら↓こんな感じに・・・

2021年で廃盤? 2022年モデル
STD SL PRO PILOT
ハブ Novatec
D411CB/D412CB
NOVATEC
D791SB/D792SB
RIMモデル:YOELEO 220
DBモデル:YOELEO 230
RIMモデル:YOELEO 200
DBモデル:YOELEO 210
スポーク PILLAR 1432 SAPIM CX-RAY PILLAR WING 20 AERO Spokes YOELEO U1 Carbon spokes
またはPillar Wing 20 Aero

もし購入する場合は、自分にあったリムハイトを選んだあと、ハブとスポークを選ぶようにすると混乱せずにスムーズになると思います。

ホイールの特徴

ホイールの技術的な特徴は、YOELEOの以下のページに簡潔にまとめてありました。

YOELEOホイール生産技術について

その中から幾つかホイールを選ぶ際の候補になりそうなことを私の目線でピックアップしてご紹介します。

YOELEO SATテクノロジー

YOELEOのリムはSATテクノロジーという技術が採用されていてリムのタイヤ側にはニップル用の穴が空いていません。

YOELEO SAT リム

分かりやすく言うとチューブレスレディではなくチューブレスで、空気を塞ぐためのリムテープを貼る必要がありません。(勿論チューブを入れてクリンチャーとして使うこともできます。)

ニップル穴が空いていないので当然ながらリム自体の強度が高く、そのため路面にできた段差や陥没した穴などに対して多少の優位性があります。

昨今はチューブレスタイヤでの運用がかなり一般化しててきているので、もちろん人に寄ってですがリムテープを貼らなくて良いのは利便性でメリットがあり、チューブレスレディのホイールと比べると相対的に15g程度は軽くできるので、重量にこだわる人にも良いのかと思います。

DT SWISSのハブ構造

2022年モデルからは、従来の上位モデルで採用していたDT SWISSのハブの使用をやめ、YOELEOオリジナルのハブになりました。

このハブが細かいパーツの形状は違えど構造自体はDTハブと同じなため、スターラチェットによるかかりの良さは勿論、高いメンテナンス性も備えていることが分かります。

YOELEO ハブ構造 DT SWISS ハブ構造

参照元(左):YOELEO ホイールの各商品ページより
参照元(右):Ratchet技術概要 | DT Swissより

スポーク本数とカーボンスポーク

スポークはPILLARのエアロスポークで十分だと思いますが、PILOTグレードは更に軽量のYOELEO独自のカーボンスポークを選ぶことができます。

手組みホイールを考えたことがある人なら分かると思いますが、ホイールはこのスポークが何気に重量に大きく影響します。特にディスクブレーキとなるとスポーク本数が多いので余計にスポークの重量の影響が大きくなります。

カーボンスポークにしても価格は20万を下回るという、ちょっと信じられない驚異的な設定に思います。

安全品質について

この段落の冒頭にも書きましたが、全てのホイールにおいてUCIの認定を受けているようです。なので、レースへの使用を考えている人も問題なさそうです。

安全性については、SGS認証というのをEN規格(欧州基準)で取っているようです。SGSとはWikipediaによると世界中にいくつもある認証機関(企業)の内、世界1位の認証機関のようで、そういう意味では品質の信頼性は高いようです。

というか、こういった認証を取っているのに安全性に問題あるとなるとしたら、何を参考に安全性を考慮したら良いのか私には分かりません😅

YOELEO ホイールの証明書

サイト上にSGSでの認証の画像がありましたが画質が悪いので何が記載されているのかは良く読めませんでした。内容が気になる人はTwitterなどで検索すると出てきますが、内容はISO4210のテストとなっています。

YOELEOフレームについて

YOELEOのフレームは、エアロタイプからヒルクライム、グラベル、マウンテンバイクまで幅広くラインアップがあります。

残念ながらUCI認定はまだ受けられてないようなので、UCI規定があるレースへ参加する人は気をつけないといけないですね。

YOELEOフレームのラインアップ

YOELEOの日本サイトでは、エアロタイプはリムブレーキのR6、ディスクブレーキのR12の2種類を、ヒルクライムバイクとしてR11をラインアップしています。海外のECではもう少しラインアップが豊富なので今後日本でも拡充されていくかもしれないですね。

リムブレーキ エアロタイプ R6

YOELEO R6 スノーフロストホワイト

 

参照元:R6 エアロロードリムブレーキフレームセット

現在では少し見なくなってきたこれぞエアロ形状というようなR6。

重量もフォークと合わせて約1500g(フレームは1120g、フォーク420g)と、若干重たい点においてもイメージ通りのエアロフレームかと思います。

しかし、リムブレーキモデルはディスクブレーキと比較するとブレーキユニットやホイールが軽いので、相対的にはトントンと考えられなくもないので、エアロ効果を考えると全然ありな気がします。個人的には見た目はかっこいいと思いますし。

気になる点はブレーキがダイレクトマウントタイプってことですかね。

ジオメトリ的にはスタックが小さくリーチは長めなので、前傾姿勢がかなり深くなり平地での巡航はかなり期待できるんじゃないかと思います。

ディスクブレーキ エアロタイプ R12

YOELEO R12 ディスクブレーキ

参照元:R12 ディスクブレーキバイク フレームセット

フォーク、ダウンチューブ、シートチューブなど至るところに空力が意識された今どきの形状をしたエアロタイプ。

全体的にはよく見る形状ながら、ダウンチューブがボトルケージ部分でカクッ折れ曲がる感じや、トップチューブとシートチューブが交差する部分の造詣は非常に特徴的になっていて写真映えも良さそうです。

重量は約1350g(フレーム950g、フォーク390g)とエアロタイプにしては十分軽い部類だと思います。

ジオメトリについてもスタックは大きくリーチも長くない流行の通りで、上体を深くも浅くもしやすくパワーを出しやすいタイプになってると見受けられます。

自由度の高いエアロタイプでオールラウンドに走れそうな印象です。

軽量タイプ R11(リム/ディスク)

YOELEO R11

参照元:R11 SL ディスクブレーキバイクフレームセット

ディスクブレーキモデルでも約1300g(フレーム900g、フォーク390g)と軽量モデル。ヒルクライムなどならこちら。

とは言え、至るところがカムテール形状で空力対策もされていて、平坦でも十分に速そうな印象を受けます。特に体重が軽いタイプの人は重量があるエアロタイプを選ぶより、重量が小さくリムハイトの低いホイールの組み合わせの方が平坦も速い(走りやすい)場合があります。

注意点としては、このフレーム・・・リムタイプとディスクブレーキタイプで結構ジオメトリが違います。

リムブレーキモデルはディスクブレーキモデルに比べてスタックとリーチが共に大きい傾向にあるように思います。おそらくポジション、もしくは重心位置が結構違うんじゃないかと感じます。

リムかディスクかを考えてから、しっかりサイズを検討するのが必要そうです。

ハンドルについて

R12とR11には、単品で購入すると約28,000円するハンドル「H9 バージョン2」がセットで付属します。

このハンドルはR6にはセットでは付属しないのですが、そう考えるとR6の価格だけ若干安いのが納得できます。

そしてこのハンドル、内装化が進んで一気に増えたステム一体型ハンドルなので選択する際にはハンドル幅だけでなくステム長を選ばなくてはなりません。

関係するスペックですが、以下のようです。

  • サイズは幅:380/400/420/440mm から選択
  • ステム長:90/100/110/120mm から選択
  • ステム角:下向き7度
  • リーチ:80mm
  • ドロップ:125mm
  • スペーサー:10mm、5mm、3mm 各1個

ハンドル幅はバイクの種類ではなく人に依存するので困ることは無いと思いますが、ステム長はポジションに大きく関わってくることなので、ここは若干慎重になるところですね。

H9カーボンロードバイク統合ハンドルバー(バージョン2)

カラーリングについて

フレームのカラーリングは、自分で選ぶカスタムカラーもあるようですが追加料金がかかります。

また角度や光によって色が変わって見える最近流行りのカメレオンカラーも追加料金がかかります。

安全品質について

先にも書いたとおり、フレームにおいてはUCIの認証を受けていません。また、ホイールのようにSGSの認証も受けていません。・・・しかし、TUVというところの認証は受けているようです。

TUVはSGS同様に認証機関で世界で第7位の組織だそうです。以前はこのツイートにある認証の証明書が製品ページにも貼られていたのですが無くなってしまいました。情報出し過ぎ?

SGSやTUVの認証はISO4210という規格に則っているようなのですが、ISO4210の内容は繰り返しによる負荷テストになっていて、動画でテスト内容の想像ができるかと思います。

各フレームのページに動画が公開されているので参考に。

シェア、購入やサポートについて

と、製品についてはある程度分かったのですが、購入についてなど気になることをYOELEOさんにメールで聞いてみました。

Q.注文した後どのくらいで届くか

A.購入は公式サイトだけでなく代理店で購入できます。サイトで購入する場合に在庫あれば、一週間ぐらい到着予定です。
https://www.yoeleojapanshop.com/pages/dealer

一週間ってとてつもなく早くない?

Q.機材を提供しているチームがどのくらいいるか

A.4MIND PROJECTチームとCYKELNチームで、詳細は以下のリンクで確認ください。
https://www.yoeleojapanshop.com/blogs/news/yoeleo-test-team

Q.どういった国で売れているか

A.100国以上向けて売り、12ヶ国の企業と連携し、YOELEO海外代理店を設立しました。

海外通販なので多くの国で販売しているみたいですが、そのうち12カ国では上手くいっているようです。

Q.ディレイラーハンガーやスモールパーツの提供について

A.ディレイラーハンガーとスモールパーツは提供可能です。

当たり前と言えば当たり前ですがYOELEOさんから個別に販売可能だそうです。

Q.日本進出について考えていること

A.日本だけでなく、イタリア、スペイン、フランスなど海外でも自社サイトを立ち上げ、市場を拡大しています。日本のサイクリストにより良いサービスを提供するために、また、代理店募集も増やしています。

実際に扱っている店舗がリスト化されていたので増えているようです。日本でGIANTやMERIDAのような市民権を獲得できていくんでしょうか。今後が楽しみです。

Q.ELVESやICANといった中国メーカーより価格としては高額だがその違いをどう考えているか

A.先ずはYOELEO製品の品質に自信を持っています。SATテクノロジーも、U字型カーボンホイールも、PILOTシリーズホイールセットも、すべてその価格に見合ったもので、コスパ良い製品だと思います。

第一印象は質問の通りだったのですが、このBlog記事を書きながら理解が進んでいくと特に2022年モデルにおいてはYOELEOさんの回答通りな印象は受けました。フレームにおいてもハンドルがセットになっていたりするところを考えると競合と比べて高いということは無いかと思いました。

Q.日本人は「Made in China」に不信感を持っているが、そのために取り組んでいること

A.様々な声があるのは事実ですが、今、市場が拡大し、より多くの人がYOELEOの製品を使うようになれば、やがて誰もがYOELEOの品質を納得するようになると思います。

変な言い訳や理屈ではなく、品質に自信があるので使って貰えさえすればとのことですかね。ホイールもフレームもサイト内にレビューを読むとなかなか良さそうです。

アジアの新興メーカーとYOELEOへの個人的な印象

走行性能などの質は分かりませんが、結局のところどうなの?というところについて、個人的な印象です。

商品購入について

Webサイトは非常に日本人向けに作られているように思え、言葉遣いなども気になるところはあるものの、ここまで日本向けになっていることに驚いています。

YEOLEO 取扱店舗(代理店)一覧

いつの間にか、リアルで扱う店舗も増えており、着々と浸透して来ている気がします。

やっぱり通販だと自分で組む必要があるので気軽におすすめすることはできないですが組んでくれる自転車屋に心上りがある人や、そもそも近くに取り扱っている店舗がある方は相談してみるのが良いんじゃないかと思います。

特に取り扱いの店舗さんから悪い話が出てこないとしたら購入してみても良いのではないでしょうか。

メーカーについて

メーカーの取り組みについては触れてきました。あとは中で働く人たちのモチベーションくらいかなと思うのですが、少しですがお話をした人の印象は悪くなかったです。

個人の話ですが、アフィリエイトのご紹介も最初は定型文のコピペだったので無視をしていましたが、その後は私のblog記事をちゃんと読んだと思われる内容で再度連絡を頂きました。

大した工数ではないですが、私のような弱小にわざわざ改めて連絡をしてくるのは、普通考えたら面倒くさいので、実は結構精神的スタミナが足りなくてできないことが多いです。

そういった工数的な問題もあって、プロモーションをやる場合、費用をかけてキャンペーンのようなものをやるのですが、短期間での認知は増えるものの、中長期での効果にはならないことが多々あります。

YOELEOさんは、お金をかけてリーチするのではなく、アフィリエイトの口コミを利用する手法を営業さんが地道に行っていき、単発ではなく長く使える、コンテンツ開発という地に足がついている手法でやられているように見えました。

春頃から有名インフルエンサーなどを中心に紹介が増えたように感じていましたが、こういった活動の一部かと思います。

恐らく物品提供をしているのだと思いますが、単なるばら撒きの印象とは違うのはちゃんとインフルエンサーを選んで行っているように見えるので、補足として私の例を紹介しましたが、自転車界隈に有益なコンテンツが増えることにも繋がると思うので応援したいです。

10%オフで購入できるクーポン

以下のリンクから購入すると10%オフになります。カートを見ると合計金額のところに「brio」というクーポンが自動的について会計から10%引きになります。

もしクーポンが付いていない場合はクーポンコードの欄に「brio」と入力してみてください。

10%オフでの購入はこちら

 

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https://fertile-soil.org/cycle/220920/feed 0
新興ロードバイクメーカー ELVES BIKE VANYAR DISCを購入しました https://fertile-soil.org/cycle/220312 https://fertile-soil.org/cycle/220312#respond Sat, 12 Mar 2022 02:30:52 +0000 https://fertile-soil.org/?p=8597 2022年1月にELVES BIKE(エルブス、エルヴス)という台湾?中国?のメーカーのVANYARというバイクを購入しました。

ELVES BIKE VANYAR購入

Youtubeで今まで乗っていたFOCUS CAYOの紹介をしたばかりなのですが、なぜ今回このバイクを購入したのか経緯や目的をご紹介したいと思います。

前半は非常に長い私のポエムなので、ELVES BIKEやVANYARに興味がある方は「ELVES BIKEというブランド」までスキップして御覧ください。

まず誰が組むかを考えてから購入することをオススメします

まず最初に、ELVES BIKEは日本ではいわゆる「中華」と呼ばれる類に分類されるメーカーです。これらのブランドについては私はあまり口に出すことは無かったものの中華というくくりで見ていました。それがここ1年ほどで私の印象が変わってきていて、最近は周囲でも受け入れられ購入する人が増えてきているように感じます。

そういった状況から私が最も重要だと思う点は「誰が組むか」というところだと思います。

この手の新興メーカーは、日本ではまだ販売代理店を通さないCANYONのようなメーカー直販型が多く、しかしCANYONほどユーザーがまだ日本に居ないため情報が少なく、何かのトラブル時に対応が難しい場合があります。

また、今回私が購入したELVES BIKEはフレームセットのみで完成車を販売していないため、自身で購入する場合は当然ですが完全にパーツ選びから組み付けまでをやる必要があります。

最近だと、ELVES BIKE以外では、Winspace、YOELEO、RollingStone、ICAN、毘沙といったメーカーがかなり知名度を上げてきていると思いますが、リムブレーキモデルならまだしもディスクブレーキモデルは特に油圧ブレーキで組もうとすると格段に難易度が上がるので、できる限り取り扱っている自転車店を見つけ店舗経由で注文することを勧めます。

ちなみに「中華は安い」という理由で興味を持つ人が多いと思いますが、有名メーカーのエントリー向け完成車と比較すると実際そんなに安くはないんじゃないかと思います。

https://www.pokito-a-poko.com/

ディーラーリスト

注目の新興ブランド「ローリングストーン」のカーボンロードフレームセット、VIKINGで見れます。試乗車も!

販売店一覧

YOELEOは見つけられず・・・

ここまで中華中華と書いてきましたが、Winspaceは雑誌に掲載されるなどもしていますので、中華というイメージではなく新興ブランドという立ち位置になってきていると感じます。

その他のメーカーも日本語圏外ではシェアを伸ばしていることもあり、今後の動向は注目だと思います。

ELVES BIKEを選んだ理由

なぜELVES BIKEを選んだのか。先に結論を言ってしまうと「しがらみから離れて、自由になりたかった」ということが最も大きな理由です。しがらみと言っても自分が勝手に思い込んでいることで物理的なしがらみがある訳ではないのですが。

私は、クロスバイクとミニベロを除いて、自転車購入は実は5台目です。もともと乗っているFOCUS CAYOというバイクに特に不満は無かったので、実は新車を購入したいと思った理由はフレームではなく新しいホイールが欲しかったからでした。

以前レーゼロを持っていたのですがリムがブレーキの摩耗でかなり減ってしまっていてリムブレーキの寿命の短さみたいなことを感じていました。

レーゼロレベルであればまだ良いもののカーボンホイールとなると消耗品と割り切るには金額が大きいので、消耗部分のディスクローターが変更できるディスクブレーキバイクに切り替えたいということが最も大きな理由でした。

カーボンホイールと言えばやっぱりカンパ系ですよね。私もレーゼロを履いていたのでホイールに関してはカンパ信者なところがあります。

リムブレーキより長持ちすることを考えると少し資金面で頑張ってBORAやシャマルカーボンなどを候補に入れることも考えられるのですが、ミドルグレードのスペックであるTOKEN製ディープリムを履いた経験からトップグレードでなくても十分に満足がいくことを学んでいたし、むしろレーゼロより愛着が湧いてしまっている自覚が生まれていました。

・・・もう、BORAやシャマルカーボンは面白味がない。

勿論BORAを使ってみたい欲求はあるのですが「聞いてた通りで最高です!」みたいな共感を味わうことにあまり魅力を感じなくなってしまっていて、あまり知られていないホイールを使って「このホイール気に入ってるんだよ~」と話す方が楽しいんですよね。

そんな中で知ったのが、ELVES BIKEから出ているOROMEブランドのカーボンホイールでした。

艶あり無しの切り替えしが面白い 右のホイールはカバーがついた状態 ホイールの表面にも複雑なカーボン模様

見たこともない表面加工。これは中二病心をグサグサと刺激してきました。リムは個性的なのにハブはDT Swissでスポークはサピムという独自パーツではないところもトラブル時の対応がし易そうで魅力的でした。

ホイールは決まったので、折角だからフレームも同一メーカーで合わせようかと見ていたら何とカラーオーダーが可能とのこと!!

最近は多くのメーカーがカラーオーダーが出来るようになっていますが、決められたパターンの中から色だけを選ぶというのが殆どだと思います。

しかし、ELVESのカラーオーダーはデザインの幅がかなり広く指定できるため個性を出しやすく、まさに「自分だけのバイク、自分らしいバイク」を作りやすかったのです。

ちなみに、もともと欲しかったフレームはFOCUS IZALCO MAXやEDDY MERCKXのサンレモやラバレドだったのですが、これらのスーパーバイクを仮に購入すると恐らくとても気持ちの良い経験ができるとは思うのですが、バイクの性能を出し切れていなかったり、レースに使えるバイクなのにツーリングがメインだったり、、、別に気にすることなんて無いはずなのに気にしてしまう、そんなストレスを自分で作ってしまうことが想像できて手を出せないでいました。

踏ん切りがついてMERCKXのラバレドを買おうと思った時にはもう既に昨今の供給不足で手に入らない状況だった訳です。

もともとホイールが目的だったのでバイクが速すぎるくらい高性能な必要はなかったので、FOCUSやMERCKXという有名メーカーから一旦視点を外れたタイミングでトップグレードとかミドルグレードとかどうても良いやと吹っ切れました。

話は少し変わりますが、ウェアでもSanticを良く使っていて購入動機は安いからでしたが、最初は軽視すらしていた「Cycling for freedom」というタグラインが今ではすっかり気に入ってしまって「そうなんだよ、自転車ってのは自由なんだよ」みたいなことをしみじみ感じる時があります(笑)

ここのところ、自転車やサイクリングがただの趣味ではなく、自転車で走っている時間が色々なストレスなどを和らげて自分を解放してくれているような自由でいる感覚を感じることがあって、この自転車に乗る時間が自分にとって非常に重要な時間になっているのを自覚していました。

この感覚というか時間を大事にするためには、様々な概念が定着しているメーカーよりも、分かりやすくいうと「得体の知れない」ことの方が都合が良く、新興メーカーの方が魅力だった訳です。

BORAやIZALCO MAX、EDDY MERCKXは今でも変わらず憧れではありますが、実はIZALCO MAXを買ってもレースには出ない・・・とか、MERCKXのem525が一番カッコいいけど乗りにくそうとか、私自身がこういった憧れにとらわれてしまっているところがあって本当に自分らしい楽しみ方って何だろう?と考えた時、気に入った自転車を自分で組んで好きなようにカスタマイズするということが一番イメージに近く、その素材としてELVES BIKEがちょうど良いところに居てくれた・・・そんな感じでした。伝わりにくいかもですが。

実際に組み上げて少し乗ってみた時、何とも言えない開放感があり、乗り心地や性能とは全然違う勝手に自分が作っていたしがらみから離れられた自由な気持ちで乗れている心地良さを感じ、とても良い買い物ができたと感じました。

ISOなど品質基準をクリアしているのは大前提として、なぜWinspace、YOELEO、毘沙では無くELVESだったかというと、ホイールの見ためとELVES BIKEというブランド名だけです(笑)

レースなどの勝ち負けからはなるべく離れたいのでWinという言葉が入ったWinspaceは選択肢には入らなかったし、YOELEOは何語だか分からないし、毘沙という言葉はあまりに自分に親和性が無さ過ぎて選ぶとしたら自転車の機能性だけになってしまう。

それで言うと、ゲーム好き、ファンタジー好き、異世界転生モノ好き、水野良世代などなどでブランド名は童心をくすぐるし、自転車が気に入ればゆくゆくはブランド自体を好きになっていくだろうと予感があったからで、実際に今もその予感通りにはなってきていて、オーランド・ブリオニールに改名しようかなくらいには気に入っています。

ELVES BIKEというブランド

実はあんまり分かっておらずほぼ公式サイトに載っている情報ですが、私が分かる範囲でELVES BIKEというブランドをご紹介します。読み方は「エルヴス バイク」だそうです。

企業・ブランドについて

日本のサイトを探したのですが見つけられなかったので英語サイトなどから探した情報なのですが、どうも2016年に立ち上がった台湾と中国の独自ブランドのようです。サイトには台湾オフィスの記載があり工場は中国の深センにあるようです。・・・そんなに新しいブランドだったのか~!

ロードバイクでは良くあるのですが、台湾や中国が欧米メーカーの下請けとしてロードバイクを製造していて、蓄積されたノウハウで独自ブランドを立ち上げたメーカー兼ブランドということですかね。

会社としては存在していましたが、自社ブランドとして展開が始まったのが2016年ということでしょう。(従業員数など会社規模や沿革を見つけることはできませんでした)

サイトには、台湾出身の創業者であるDAVIDさんが、GIANTやSPECIALIZEDのカーボンバイクの設計や製造に20年以上関わったと記載があります。
具体的なブランド名を記載できるというのは関係値があるということなんですかね。

商品展開としては、ロードバイク以外にもマウンテンバイクなども製造し、またホイールも開発をしているため、スポーツバイクの総合ブランドと言っても良いかと思います。

ステム一体型のハンドルといったパーツも作っています。

ブランドポリシー

ブランドのポリシーとしては明確になっておらず、海外サイトなので日本リージョンがこれに該当するかは不明ですが

エルフ(ELVES)は軽量で(ligntness)、神秘的であり(mysterious)、力強く(powerful)、そして美しい(beautiful)ことを意味し、このことは全てのELVESの製品に反映されている

とページの最上部で語られています。(これを見る限りはDAVIDは恐らくは中二病罹患者で異世界転生モノのファンなのではないでしょうか(笑))

そして、同一ページ内でペイントを重要視していると語られています。
具体的には分からないのですが香港で有名らしいデザインスタジオであるDSD(DIAMOND SPORTS DESIGN OF HONG KONG)という企業と協業していて、デザインに力を入れていることを強調しています。

バイクは性能だけではない工芸品のようなデザイン性も重要だと認識されていて、軽量で力強いというメーカーマターの機能性だけではなく、優秀なパートナーと組むことで神秘的で美しさにも力を入れているという、バイク作りのポリシーを語っています。

Elves stories

ちなみにブランドポリシーとしては明確に定義されている訳ではないのですが、GIANTだと自らを↓こんな感じに宣言していて
UNLEASH EACH RIDER’S FULL POTENTIAL
自転車に乗るすべてのひとに、自らの中にある未知の可能性をもっと大きく解放いただくこと。それが私たちの使命です
自転車に乗る目的は人それぞれで説明の一節に目標への過程も同価値ですし、「こうあるべき」と他者から決められるものでは決してありません。とあり、とても共感ができます。

https://www.giant.co.jp/giant22/about/

また、SPECIALIZEDもポリシーを見つけることはできなかったのですが
1974年以来、私たちは1つのゴールを持っています。ライダーの生活を向上し、革新することです。
と想いが書かれていて、ページの最後には↓
サイクリングは人生を変える――私たちはそう信じています。
といった風に、これもとても共感できるメッセージで締めくくられています。

https://www.specialized.com/jp/ja/about-us

GIANTやSPECIALIZEDくらい大きなメーカーは社会的意義が求められるところもありとても規模が大きなメッセージですが、ELVES BIKEはとにかくモノづくりの精神を感じさせる、自分達のできることを最大限に製品に乗せて世界中に提供したい。そういったモノづくりに視点が向いている想いを感じました。

ともあれ新興メーカーならではの今後ブランドが育っていくのかという不安と楽しみがあると思いますし、企業としてはまずはファンとなるユーザーを増やすという意味でストレートで分かりやすい良いメッセージだと感じます。

ロードバイクのラインアップと安全性や規定について

私が知る限りのELVES BIKEのラインアップと私が購入したVANYARについてご紹介します。

ラインアップとおすすめバイクについて

ELVES BIKEのラインアップは、ハイエンド(トップモデル)、ミドルグレード、エントリーといったような概念があまりありません。

一応、Quendiや日本未発売ですがAVARIがエントリー向けのようですが、他は差がなく

  • オールラウンドのEGALTH
  • エアロ特化型のFALATH
  • ヒルクライム型のVANYAR

となっています。

日本の公式アカウントに教えて貰ったのですが、良くある一般的なフレームの特徴が出ているようで、実際に乗っているユーザーさんの話によるとそれぞれFALATHはエアロ特有の縦剛性は高めだけど、横剛性はVANYARの方が高くてダンシング時などの反応の良さはVANYARの方が上、みたいな分かりやすいもののようです。

各ページを見るとジオメトリに推奨サイズが書いてあるのですが、小さ目サイズを推奨しているように見えます。私の今まで乗ってきたサイズ感で言うと推奨されているのは2サイズ下です。

手足が短いと自覚のある人は推奨通りかワンサイズ上に、手足が長いと自覚がある人は推奨サイズのワンサイズ上か2サイズ上が良いと思っています。

また、実際に乗った訳ではないので、おすすめというのはちょっと違うのですが、身長が低い方や女性には個人的にFALATHが良いんじゃないかと思います。

FALATHはリーチが非常に短めな特徴があって、身長が低い女性でも乗れるジオメトリになっていると思います。どのくらいかと言うと一番小さなXS-44というサイズが身長153cmのPちゃんが乗っているANCHOR RL8Wの一番小さい39とほぼ同じサイズなので、サイズ選びで困っている女性にはFALATHはありだと思います。

UCI規定と安全性について

UCI規定については2022年3月時点で実はVANYARのリムブレーキ版しか認証を受けていません。UCI規定のレースに出る人はちょっと注意が必要だと思います。

ただ、VANYAR DISCはUCIについても申請しているそうです。きっと他のバイクもUCIに申請していると思いますのでいつか気づいたらUCIのマークが入っているかもです。

ちなみに、UCIの認可はレースをする上で危険な乗り方を抑制するような規定のようで、安全性についての基準は別途取得しているISO規格とEN規格を調べるのが良いと思います。

ISOは国際基準でENは欧州規格らしいのですが、その詳しい内容を調べても私には明確な答えを見つけられなかったためある程度 私の推測が入るのですが、ISOの自転車に関するものはISO4210というシリーズになっているらしく、自転車全般の基準として良くスポーツバイクにはISO4210-2が明記してある場合が多いようです。ELVESはフレームセットの販売だからかフレームとフォークに特化したISO4210-6という記載があります。

また、EN規格では、マウンテンバイク用にEN14766、レース用(ロードバイク)にEN14781があるのですが、日本のBAAマークやSBAAマークはこのEN規格が基準になっているようで、テスト内容の違いとしてはマウンテンバイクはより高負荷のテスト、レース用(ロードバイク)はマウンテンバイクの半分の負荷で倍の回数のテストとなっているようです。

ちなみにYOELEOは証明書の写真をバイクの紹介ページに掲出しているくらいなので、新興メーカーはこういった安全性についても意識しているようです。

VANYARについて

VANYARですが、かなり特殊なフレームだと思っていてジオメトリも結構珍しいものになっています。

サイズ選びについて

私はSPECIALIZEDのバイクをベンチマークに使っています。何というかスぺシャのバイクはポジションがとても自然というか。そんなSPECIALIZEDのバイクとVANYARのジオメトリを比較すると、VANYARはTARMAC SL6とSL7の調度中間くらいだと感じました。

SL6とSL7を比較したことも初めてでしたが、SPECIALIZEDは実は結構ゆったり乗れる物が多いと感じています。それでいて、速いのが凄いなぁと思うのですが、本当に小さな差ではあるもののSL6とSL7を比較すると、SL7の方がリーチが長くスタックも小さくて前傾姿勢が深くなるように作られていることがわかります。

VANYARはそんな2台の中間くらいにあると言う感じです。

https://geometrygeeks.bike/compare/specialized-tarmac-sl6-2021-49,specialized-tarmac-sl7-2021-49,elves-vanyar-disc-2021-l-50,specialized-tarmac-sl6-2021-52,specialized-tarmac-sl7-2021-52,elves-vanyar-disc-2021-xl-52,specialized-tarmac-sl6-2021-54,specialized-tarmac-sl7-2021-54,elves-vanyar-disc-2021-2xl-54/

ちなみにSPECIALIZEDのバイクだと身長174cmの私は推奨サイズが54になるのですが、VANYARに関してはメーカー推奨は50サイズ。

FOCUSのCAYOも54、過去所有のBASSO ASTRAも53でしたがジオメトリを比較してみるとVANYARの50は小さすぎでしたので、本当は54だろうと思いながらも、メーカー推奨を試したいこともあり一つ下の52(メーカー推奨で言うとワンサイズ上)を購入するに至ったという感じです。

届いたものを組み上げたところ、結果的にはやっぱり計算通りでコラム下に多めにスペーサーを入れることになったのでワンサイズ小さかったなとは思いますが、調整できる範囲でしたし乗ってて楽ではあるのでここも計算通りで問題には感じていません。

では、具体的にVANYARの何が他と違うかと言うとリーチがあまり変わらないところだと思います。リーチが実は50サイズでも385mmもあるのですが、52サイズになっても+0.4mmの385.4mm、54サイズは若干大きくなったものの387.5mmとほぼ変わらず、ヘッドパーツの上端であるスタックだけが501.1mm、521.8mm、540.9mmと変わっていき、50サイズと54サイズ比較で約40mm違います。

ELVES BIKE VANYARを購入

自転車のフレームは基本的に脚の長さ(身長の高さ)によってサドルの位置が高くなりますが、ここは人によるのでどのサイズを買っても基本的には高さはほぼ変わりません。逆にスタックが小さくなるとハンドルの取り付け位置が下がるので落差が出るのですが、VANYARはもし私のように54サイズに乗っている人が推奨の50サイズを買うと、コラムスペーサーが大量に入るとても不格好なバイクになってしまう可能性があるように思います。

VANYARを選ぶ人はサイズ選びではこの部分に慎重になった方が良いかと思いました。

逆に言うと、リーチが長いけどスタックは下げられるのでこれ以上落差が出なくて困ってるというフィジカル強めの人には他にはないとても良いバイクなのでは無いかと感じます。

まぁ私はレースなどには出ないホビーユースのライダーなのでこの選び方にも賛否両論あるとは思いますが、もし購入を検討している人がいたら参考になれば嬉しいです。

VANYARの特徴

ジオメトリ以外の特徴としては、ヒルクライム向けと言うだけあってラインアップの中でも軽量になっています。

FALATHやEGLATHのように流線形で所々に空力を意識した形状が見られるのに対し、VANYARだけは全体的には流行の形状ではあるものの明らかに直線的且つ扁平などしていないシンプルなパイプ形状で剛性高めな設計だと想像ができます。

シートステーやチェーンステーが扁平少なめ

CAYOやASTRAは23Cのタイヤで空気圧は高めで乗っていましたが、それに比べても形状から想像通りのシートやハンドルへの突き上げをかなり感じました。

しかし、それ以外にもはっきり分かる「えっ?」という感じ・・・

突き上げに関しては空気圧を調整したり路面状況をちゃんと把握しながらかなりコントロールできるようになったのですが、その後に良い意味での個性を感じられるような特徴が見えてきます。

具体的に最初に感じたこのバイクの面白さはやっぱりダンシングでした。私は長く乗ったFOCUS CAYOをかなり反応の良いバイクだと思っていて、反応の良さから非常に軽量な印象で、思いっきり踏む時に荷重コントロールが甘いとトルクが逃げてホイールスピンをしてしまうような印象から「チョロQみたいなトルクのかかり方」と思っていました。

しかし、VANYARは軽快なのですがCAYOとは違う軽快さで、いい加減に踏んでもガツンとトルクがかかる感じでチョロQのようにかっ飛ぶのではなくゴリゴリと進む感じです。バイクを大きく振ってパワーを生み出すより、小さく速く振る方がパキパキと反応して気持ち良く「よく聞く反応の良さっていうのはこういうことなのかな?」と感じました。

これは今まで乗ってたCAYOやBASSO ASTRAとは明らかに違う反応で、左右の振りが小さく乗るのが乗りやすいからなのか非常に素早くペダルを回せる感じから、ヒルクライム向けバイクではありながら肉体が強い人にはとにかく反応の良さが気持ち良い楽しい印象になるんじゃないかと想像しています。

また、突き上げにも関係することなのですがフォークはベントのないストレートフォークです。私のVANYARはDISCモデルなのでなおさら剛性が高いのだろうと想像していますが、コーナーでは吸い付くように曲がっていきます。

BASSO ASTRAは全体的にどっしりとしていて平坦でも下りでもコーナーは安定して曲がれていたのですが、この吸い付くような「何もしないのにキレイに曲がっていく」という感覚はCAYOでもASTRAでも味わったことない初めての感じだったのでとても驚きました。

これはひょっとすると23Cから25Cに変えた影響にもよるのかもしれませんが、逆に直線をまっすぐ走るのは問題視するほどではないですが今までの自転車と比較してちょっと難しい感じはしています。(あ、こういうのがまっすぐ走るのが難しいという感じ?という印象です)

いずれにしても、このバイクに対する魅力は今のところCAYOとはまた違ったパキパキとした反応の良さだと感じています。

なぜVANYARを選んだのか

パイプの形状などから剛性が高いと分かっていながら、肉体があまり強くない私がなぜVANYARにしたのか。

答えは非常にシンプルで速いエアロバイクが欲しという気持ちはあったけど、自分で組むのに組みやすそうで且つシートポストが専用じゃないのでOnebyEsuのナロウサーティサドルが使えるというその2点に尽きます。

もうサドル沼に長いことはまってやっと落ち着いたOnebyESUのナローサーティソウルからサドルを他のものに変えるという選択ができなかったというのがバイク選びの最も大きな理由です。

我ながら何という理由でバイクを選んでいるんだとバカバカしくはなりますが、それぐらい自分にはサドル沼は長かったので・・・

しかしまぁ購入した直後の突き上げには本当焦りましたね。これ、サドルは関係なくお尻痛くなるんじゃないか?みたいな。でも、不思議なことにいつの間にか殆ど突き上げを感じなくなってしまって、本当に何なんですかね〜。

同梱品やフレーム組付けについて

VANYARの組み立てについては1つ前の記事に書いたので参考にして貰えると嬉しいです。

ロードバイクのディスクブレーキにコンポを換装してみて分かったリムブレーキとの違い

Webサイトにも書かれていますが、フレームセットを購入すると以下のようなパーツが同梱されてきます。

  • アウター受け(グロメット 予備2つ)
  • Di2用 グロメット
  • スルーアクスル前後
  • ヘッドパーツ
  • セラミックBB
  • カーボンシートポスト
  • ディレイラーハンガー(予備1つ)

セラミックBBやヘッドパーツ、シートポスト、ディレイラーハンガーを全部合わせると2万円くらいはしそうなのでかなりお得です。

BBやシートポストにはELVESのロゴが印刷してありますが、こういった製品は安価で質が悪いのが定番ですがセラミックBBはスレッド式で非常になめらかでWISHBONEを使ってる感覚と違いがありません。

組付けの記事にも書いたのですが、フレームで困ったのはディスクブレーキ台座です。特にリアはカーボンに直接固定するタイプなので困りました。ディスクブレーキモデルの購入を検討している人は記事をざっと見て貰えると良いと思います。

最初から入っているカーボンシートポストも軽かったです。私はサドルの問題でシートポストは変更しましたがロゴもカッコいいし、そのまま使うのが良いと思います。

ただ、マウンテンバイクようなのかやたら長いシートポストだったので、10cmほどカットしないと使えない状態で、実際はロゴが全部見える状態ではセッティングはできなかったです(笑)

購入時の段取り

もうだいぶ長いエントリーになってしまったので、購入に関してなるべく簡単にご紹介します。

基本的には日本の公式アカウントが窓口

ちょっと驚くところではあるのですが、日本の公式はおそらく一人でやっています。

日本の公式アカウントの中の人がELVESの工場とのパイプ役になって日夜購入希望者の相手をしてくれています。

この人、倒れたら日本の窓口はどうなっちゃうんだろう?という心配はありますが、良く体力が続くなぁというくらいかなり細かく相談に乗ってくれます。

ですので外国語が分からない人でも日本語でのやり取りができるので、なるべく心に余裕をもって長い目で取引をするのを心掛けると良いと思います。

Twitterをやっている人でしたら、やり取りは基本的にTwitterのDMでやることになると思います。私はDMでやり取りをしました。

サイトのトップに「購入の手引き」というページができたようなので、申込みはそこを読んでするのが良いと思います。

公式アカウントの人は日本の注文を本国のオフィスと連携しているようなので、「購入を申し込んだ○○です」と公式アカウントにDMを送ると話が通じました。(2021年11月時点)

カラーリングについて

カラーリングはロゴも含めて基本的に重量なども考慮して3色までになっているそうです。私はフレームのメインにカメレオン ブラックレッド、フォークとフレームの後ろ側に3Dマジック、差し色でブレイジングオレンジという3色構成にしました。

カラーオーダーでお願いしたイメージ。ここまでやる必要は全くありません

ちなみに、ロゴなどにメタル素材のものがあるのですが、これはデカール(ステッカー)のようで私が頼んだ時はデカールの在庫が切れていて指定ができませんでした。本当はロゴも含めて3色なのですが、私はデカールが在庫切れになってしまったこともあってグロッシーブラックを入れてくれました。

色の選び方はWebサイトにあるVANYAR以外のバイクも含めて使っているカラーは指定ができます。また、Instagramで投稿されている世界中のELVESの写真を見て、「この写真のこの色!」というような色指定をするのも可能でした。

ただ、先のデカール同様に2年前くらいのカラーなどはもう廃盤になっていて使えないものがあるので、その辺は何から何まで自由にできるというよりは、かなり幅が広いけど制限の中で工夫してかっこいいカラーリングを考え出す!みたいなのが良いと思います。

どうやって伝えれば良いのかという方法については、公式アカウントの人からこんな風に指定できますといったサンプル画像を見せてくれます。私はPhotoshopが使えるので自分で合成して送りました。

カラーリングに関しては、ざっくりですがこんな感じです。あとはできることできないことは聞いていってすり合わせていくのが良いかと思います。

一応、こういったことを踏まえて、どのくらい自由にデザインできるかと具体例で話をすると、左右で別々のカラーにしたりチューブの内側のみを差し色にするなど工夫次第でかなりの自由度が高いし幾らでも工夫はできると感じました。

ということで、出来上がったのが、こちら。

ロゴはデカールが切れていたので艶有りのブラック(GlossyBlack)にしたのですが良く考えたら4色になってましたね。

そして実際に上がってきたものは本当にロゴが目立たず全体的に海賊版?横流し品?みたいな見た目になったのでやっぱりデフォルトで用意されているカラーというのはちゃんと考えられてるなぁと思いました。

初めてのディスクロード組み上げ! 陽が当たると色が変わるカラー

 

ちなみに、デフォルトのカラー配置だけ変更するといったこともできます。自分でカラーのレイアウトまで指定して初めて分かったのですが、デフォルトのレイアウト配置はかなり完成度が高いです。思い知らされた感じですね。

個人的なカッコよさでいうとVANYARはデフォルトの特にグロッシーブラック&マットブラックというカラーがスポーツバイクならではのカッコいい組み合わせだと思います。

ただ、レイアウトも含め指定すると、出来上がりの第一印象は「やっぱり難しいなぁ」という印象でも、暫くすると愛着に変わってくるので自信を持つのが良いと思います。

注文から届くまで

カラーが決まって注文をしたら実際に上がってくるまでですが、11/19に依頼し3週間で上がってくる想定が実際は3週間後には在庫なしで更に40日となって結局は旧正月前にギリギリ発送が間に合って2/8に届きました。

今は私が注文した時よりも更に自転車の供給が追いついていないと思うのでもっと時間はかかると思いますが、それでももし2ヶ月程度で届くのだとしたらかなり早い方かと思います。ホイールを単体で購入する場合は、在庫があれば2〜3週間くらいで届くようでした。

ここが不満

今回は内容からも分かって貰えると思いますがとても満足した買い物になりました。ただ、不満がなかった訳ではないので、一応書いておきます。

VANYARのディスクブレーキ台座がカーボンむき出し

VANYARののディスクブレーキ台座が精度が悪くてフェイシングは必須なのでこの点はちょっと・・・という感じでした。他のメーカーでも同様なことはあるとは思いますが、リアに関してはカーボンそのままなのでフェイシングのハードルも上がりました。この点はなんとかなってたら良いと感じました。

これは1つ前の組み上げのエントリーをご覧ください。

対応が形式化されてないので後出しが多い

日本のアカウントの方が一人で対応をしているので対応ボリューム的に負担がかなり多いと思います。Webサイトを見てみても情報が不足しているので自然に質問が増えるのですがQ&Aページがないように全て個別で対応する形でした。

製造の進捗具合などはは本国の担当へ問い合わせをしているようなので、質問へのレスポンスがまちまちだったりします。

こういったことから、デカールの在庫がなかったり、カラーが選択できなかったり、「中国ではできるだけ早くを15日という」といった謎な話が後出しで出てきてストレスが溜まります。

ただまぁ先に記載した通り、日本は一人でやられているようで新興ブランドは仕方ないと思うので、そういった背景を分かってお願いすると良いと思います。

担当者の距離感が近すぎる

日本の公式アカウントがELVES大好きなのは非常に分かるのですが、公式アカウントが個人アカウント同様の距離感なので私のようなコミュ障にはちょっとやりにくいです。

私のような人間は対企業だと思って色々やり取りをするので、相手に人格が見えてしまうと良い意味でも悪い意味でも疑いが生まれることが結構多いです。質問への回答もそれが企業としての回答なのか個人の主観的意見なのかなど見えないので困惑することが結構ありました。

また、対応が形式化されていないことにも関係して、公式や中の人のアカウントが「ELVESは自由度が高くて素晴らしいカッコいい!」みたいなツイートをするので、自分も同じようなことをやりたいと思ってオーダーすると、あれは特別仕様だからみたいな感じでできないことが結構ある印象でオーダー途中で挫けそうになりました。

ただ、本当に仕事に一生懸命な方で、カラーオーダーなどには非常に細かく相談に乗ってくれますし、本国の状況なども含めて色んな質問に一生懸命答えてくれたり、出せる範囲で色んな参考資料をかき集めて送ってくれたり・・・日本のWebサイトを更新するといった対応ができないから余計に個別対応になってしまうのだと思いますが、ここまでマメに対応するアカウントは日本にはないかと思います。

ということで、もし自分がコミュ障だと自覚している人は、公式アカウントは対応もマニュアル化されておらず多忙な中、なんとか切り盛りしてくれているということを想像して、そもそも時間がかかるかもしれないし想定外のことが起こるかもしれないという前提でお付き合いすると良いと思います。

私がこんなことを言うのも変だと思いますが、大変そうでかわいそうとかではなく一生懸命なのでそんなことを感じます。

どうしても自転車を買う時は前のめりな気持ちになってしまって何か予想外のことが起こるとイライラしてしまいがちですが、冷静に考えれてみれば有名メーカーより断然カスタマイズの幅は広い割に早く上がってきますからね。

まとめ

色々書いてきましたが、結局ELVES BIKEは買いか・・・と聞かれると人にはおすすめしにくいです。理由はCANYON同様にメーカー直販だからです。それ以外は特に否定的なことは無いかなと思いました。

という感じでおすすめはしにくいですが、特に身長が低い女性でELVES BIKEを見て「凄く良い!欲しい!」と思った人には先にも書いた通りFALATHが良いと思います。エアロタイプのバイクはオールラウンドタイプのトラディショナルなタイプよりはやっぱり速いし、形状も特徴的で見栄えが良いです。

自分だけのロードバイク

そんなバイクを自分でカスタムしたカラーで乗れるというのは魅力だと思います。

今でもFOCUS CAYOは気に入っていますが、ここまで長々と語ってきた通り私のVANYARはまさに「唯一無二」ですので、何とも自由な感じで非常に良い買い物をしたと思っています。

 

 

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