シマノ バイクフィッティングでポジションが出た話
随分前ですが、シマノのバイクフィッティングをしてきました。もう2ヶ月前の話です、、、
行ったお店は、良く行くバイシクルセオ新松戸店さんでステージ2までをやって貰いました。
本当はワイズロードのバイオレーサーもやってどっちもレポートしたかったんですが、だんだん記憶が薄れて来たので先に書くことにしました。
バイオレーサー、、、人気ありすぎて予約が取れません(泣)
シマノ バイクフィッティングとは?
ロードバイクは自分の体に合わせてサドルやハンドルの高さ、ステムの長さやクランクの長さなどを調整することをポジション出しなどと言いますよね。
このポジションを出す作業は、身長や腕、脚の長さなどを測った数値から計算をしてセッティングを算出することができます。
この一連の作業を専門器具とコンピューターを使って算出してくれるサービスがシマノ バイクフィッティングです。
元々、ヨーロッパで「bikefitting.com」というサービスを展開していた企業をまるまるシマノが買収したようで、サービスはそのままに日本に持ち込まれているようです。ということで、詳しくはシマノのサイトではなくbikefittingのサイトを見るのが良いかと思います。
BikeFitting
http://www.bikefitting.com/ja/
SHIMANO BikeFitting(導入店舗一覧)
http://cycle.shimano.co.jp/content/sic-bike/ja/home/bikefitting-system.html
同等のサービスで料金も安いワイズロードが提供しているバイオレーサーがあります。
SpecializedやANCHORが提供しているものもあるそうですが、こちらは料金が高くて変な声が出ました。
3段階のステージがある
シマノ バイクフィッティングはステージが3つに分かれていて、
- ステージ1:身体測定から適したセッティングを算出できる
- ステージ2:実際にシミュレーター用のバイクにまたがってペダリング改善とポジション改善を検討できる
- ステージ3:体にマーカーをつけて、体がどう動いているかをより細かくチェックできる
となっています。導入しているお店によってもどのステージまでを実施できるかはバラバラで、ステージ1を置いているところはかなりの店舗があっても、ステージ2はかなり少なく、ステージ3ともなれば関東でも3店舗。千葉や神奈川には無い状態です。
満足の結果でポジションが出た
ここからは実際に自分が受けてみた結果です。
結論から言うとバイクフィッティングには非常に満足していて、ずっと乗りにくいと思ってたCULEBROが非常に乗りやすい状態になりました。
バイクフィッティングで得たメリット
主にどんなことがメリットとしてあったのか、
- ポジションが出た
- 分かりにくい適正のハンドル幅が分かる
- ペダリングのロスを知ることができた
- 膝の位置(内股、がに股)のロスの把握ができた
- 左右の脚での出力差を知り、利き脚とのバランスを知ることができた
- 体に負担の少ないペダリングを知ることができた
自分の場合は主にこんな感じかと思います。
具体的なバイクセッティングの変更点
この後、詳細を書いていきますが、具体的なセッティング変更としてはハンドルの高さ、ハンドル角度、ブラケット位置の微調整、サドルの高さと前後位置、というまぁパーツ交換なしでポジションに関係する主要なところを変更しました。
特にサドルの高さは2.0㎝もアップしたのですが、これに関してはアンクルの角度を変えて乗り方自体を変えています。
サドルの高さはアンクルの角度に影響を受けると思うんですが、このアンクルの角度についてはどの角度が効率が良いか、またそもそもどのくらい影響があるのか。これをパワーモニターを見ながらやることで効率の良い角度を知ることができます。
もともと私は足を水平にしてペダリングしていたため「こんなに?」と感じるくらい踵を立てるくらいに修正しましたが、水平時から踵の高さは軽く2~3cmほどは上がってると思うのでサドルの高さアップも割と自然に受け入れることができた感じです。
2016/08/14追記
今回の記事は自身のポジション変更(確認)とペダリング改善体験記ですので、正しいペダリングについてやテクニックを推奨する記事ではありません。
記事末にペダリングについて誤解が無いように追記をしましたので、この記事でペダリングについて何か感じた方がいらしたら最後の段落も合わせてご覧ください。
サドルの高さが出るとサドルは水平で良くなった
実はサドルは前下がりだったのですが、手首が痛くなるので少し困っていました。なるべく水平にするためにもサドルは少し低めにしていたこともあります。
・・・しかし、サドルの高さが決まり、サドルの位置とブラケットまでの距離が決まると驚くことにサドルが上がったのに尻が痛くないという状態が。勿論サドルは水平です。
本当に驚きでした。実は前にサドルを水平にして走った時に尻が文字通り腫れあがったことがあり、翌日も腫れが引かないくらい酷い状態を経験したことがあったのですが、サドルを上げてもサドルの角度は修正することなく水平のままで良く、かなり楽な状態になりました。
そしてハンドル位置もそれに合わせて上げ、前傾姿勢のままハンドルから手を放しても状態維持が楽なポジションになりました。
ペダリングでの膝の位置が安定し、パワーの伝達効率が良くなった
ペダリングに関しては非常に誉められて、ロスが少なくて良いペダリングができているという結果がでました。これは素直に嬉しいですが、バイクフィッティングは素晴らしいことに、横から見た回転運動だけではなく前後から見た時のペダルの内側と外側のどこに力がかかっているを確認することができます。
私は両足ともガニ股の傾向にありペダルの外側にパワーがかかっている状態になっていました。パワー効率がどのくらい上がったか・・・ということより、これは自分ではまず気付けなかったところだったので、その点を指摘を受けたことが自体が価値のあることでした。
ちなみに、足のどの部分でペダルへ荷重をかけているかを意識してみると意外に足のどこに荷重がかかっているか分かるもので、真ん中に荷重がある時は脚がストンとスムーズに落ちていくことが分かるくらい違うので、パワーメーターが無くても意識してやってみると面白いと思います。
バイクフィッティングの注意点
さて、ここまでは何のためにバイクフィッティングをやるのか、得られるメリットについてを書いてみましたが、ここからは実際にやってもらう手順などに行きたいと思います。その前に注意点を。
バイクフィッティングはたぶん見てくれるスタッフによって精度が全然変わる
私はたぶんラッキーでスタッフの方が競技をやっていて、そもそも一緒になって楽しんでやってくれるような人だったので(人がもがいてる姿を見てもっと見たくなるような性格?w)、ご自身の経験など踏まえて色々試してくれたりとありましたが、慣れてない人や競技経験などが無いスタッフだと精度は落ちるかと思います。
・・・まぁこういうのは仕方ないですよね。
ちなみに、ワイズロードのバイオレーサーはチェックをして良いスタッフがそもそも決まっていて、資格のような制度があるみたいなので一定水準をキープできてると思いますが、シマノのバイクフィッティングはそういった基準は無さそうで店ごとやスタッフの経験によって全然変わってくるように思えます。
例えば足の長さを測るときには棒が競り上がってきて股間をぐりぐりやられて長さを測るのですが、慣れてない人だったら遠慮して適当に止めて実際の長さよりも短くなる可能性もあるんじゃないかと思います。
バイクフィッティング ステージ1
料金は2,000円でだいたい20分くらいで終わります。
そもそもこれから買うバイクに対してサイズとポジションが出せるか確認する用途が強いようです。
身体測定をして出てくるのは指定した車種に対するベストなセッティング数値
簡単に言うと、身長と手足の長さを測り指定したバイクに合うセッティングをミリ単位で算出してくれます。
これは多分自転車ショップでもやってるし、やろうと思えば自分でもできるかと思います。
まぁしかし手足の長さを自分で測るのは難しいし、そこからジオメトリを見てポジションを計算するのもある程度調べたり、自分で計算する手間もあるかと思います。
で、あれば、サクッと2,000円払って出して貰った方が効率良いと思います。
ちなみにバイクフィッティングでは、使用しているペダルとシューズの情報も入れてポジションが出るのと、ハンドルの幅なども適切な物を出してくれます。
貰えるものはあんまり無い
自分の股下や腕の長さのデータは出力されません。言えば貰えたのかも?
また、意外に貰えるものは少なかったりします。そしてあくまでこのサービスは数字でデータを出すだけなので、その後のバイクセッティングはサービス内容には入っていません。
お店側でやってくれたとしても多分好意でやってくれてるだけなので文句言っちゃダメですよ。
バイクフィッティング ステージ2
料金は6000円でステージ1とは別でかかります。だいたい短くても所要時間は40分くらいかかると思います。
ステージ2に関してはペダリング効率をチェックするような謳い文句を見かけますが、フィッティング目的の人には非常に重要だと思うのでステージ1をやったなら2も絶対やった方が良いと思います。
かなり実走に近いローラー台でのシミュレーション
ステージ2は、固定ローラー台を使ってステージ1で算出したポジションにセッティングをし、実走に近い状態でペダリングの確認とポジションを煮詰める作業を同時に行えます。
普段使いなれたサドル、ペダル、シューズを必ず持参するか早めに行って外しておきましょう!また、実際にかなりの時間を高負荷で走るのでドリンクが必須になります。
バイクフィッティングのサイトにはペダリング効率についてが強く打ち出してありますが、ペダリングのパワーモニターを見ながらポジションを出すため、乗り心地と言う感覚的な部分ではなく出力効率の面でポジションを煮詰めることが出来るのが良いところです。
どういうことかというと、私の体験したことを追っていくと理解できると思います。
まずスタッフの人がステージ1のデータを元にテストバイクをセッティングしてくれます。
ちなみに、セッティングに関しては万力のようにハンドルを回すとハンドルがせり上がってくるような作りになっていたり、レーザーポインタで正確にミリ単位での調整ができるので非常に信頼できるセッティングでテストができます。
これにまたがり軽くこいで各部の痛みや乗り心地についてチェックをします。
私はハンドルの位置は良かったのですが、だいぶサドルが上がって乗りにくい印象でした。というか膝が延びて膝の裏が痛い。
それを伝えて、普段の感覚に近くなるまでサドル高を調整してまた乗ります。実に2cmほど下げた訳ですが、、、ぶっちゃけ下がってる方がしっくりくる。
やっぱバイクフィッティングの精度は大したことないんだな・・・と思いましたが、ここからがバイクフィッティングステージ2の良いところです。
ペダリング時のロスを見ると8時から12時にかけてベクトルの向きが逆向きにでていました。これは引き足が上手く使えておらず、踏み脚に対して引き足が邪魔をして力を相殺してしまっているということです。
スタッフの方の提案で再度、先ほどのステージ1のセッティングに少し近づけて1cm上げた状態で乗るとやはり膝の裏が痛い。更にスタッフの方の「踵が落ち気味のペダリングなので少し踵を上げてみてください」とアドバイスを受けて踵を上げてみると・・・何と!先ほど引き足が邪魔をしていたマイナスのベクトルがほぼ無くなるという事態に!
要するにアンクリングによって、間違えたポジションになっていて、その影響で幾分かパワーロスをしていたということが分かったのです。
ペダルの左右どこを踏んでいるか
また、バイクフィッティングでは良く出る話なのですが、ペダルの内側か外側かどこにパワーが加わっているかを計測できるところが良いところです。
受ける前までは、「別にペダルの外でも内でもそんなに関係ないだろ」と思っていたのですが、実際に効率の良い場所で踏んでみると明らかに脚が落ちていく感覚がスムーズになります。
ペダルに対してもベクトルの向きと長さで効率を見れるんですが、膝がまっすぐ上がりまっすぐ降りていく状態がいかに効率が良いかということを確認でき、効率が良い状態がいかに脚自体が楽かということを体感できます。
足裏の圧迫感も全然違うのですが、これを実際に体験するとガニ股もしくは内股で乗ることでパワーロスしていることへの実感が違ってきます。
ステージ2で貰えるもの
ステージ2で貰えるものは基本的に「あなたのペダリングはこういう特徴がありますよ」という結果が主になります。
まぁしかしこの結果を出すまでの体験上で色々な気づきがあり、結果だけでなく過程を含め非常に有益だと思います。
最終的に自分のバイクへのセッティングをする
最後ペダリングをチェックしつつ、ステージ1の結果とステージ2のセッティングでの差をメモってもらい理論値と現実の数値を把握してバイクフィッティングは終了です。
最終的に自分のバイクへのセッティングですが、店のスタッフさんがノリノリで色々見てくれたのですが、先に書きました通り実際のセッティングに関してはサービス外になります。
↑こちらはスタッフの方がノリノリで計ってくれて、メモとしてフィッティング前に私が乗っていた実際の数値を書いてくれました。
サドルの前後位置とサドルからハンドルまでの長さなど、どの位置からどの位置までを測って合わせれば良いかなどヒアリングし、後日バイクフィッティングのアウトプットに合うようにセッティングをしたら、とんでもなく乗りやすくなって一体今までの試行錯誤は何だったんだという結論になりました。
最も良かったのはハンドルへ荷重がかかってしまっていたのがなくなり、前傾姿勢のまま手放しをできるくらい重心位置が安定したポジションにできたことだと思います。
こんな人におすすめ
- 買って半年以上経つけど、頼れるお店が無くてポジションの相談ができない
- 乗っていて体のどこかしらに痛みが出る
- 自分のペダリング効率が良いか悪いかを知りたい
- ペダリングについてのロジックを自分の中で固めたい
こんな人におすすめなんじゃないかと思います。パワーモニターなんてなかなか買えませんのでね。あと、凄い楽しいですよ(笑)
サドルとペダルとドリンクは持参で行きましょう!
ペダリングについて(2016/08/14追記)
Twitterで、踵を上げたペダリングは前時代的で、現在一般的に推奨されているペダリングは足は水平にして行うものとご指摘をいただきました。
ペダリングとポジションについては↓こちらの記事が参考になるかと思っていて、過去にも参考にしていました。
ムダなしペダリングを手に入れろ! | サイクルスポーツ.jp
私のシューズはマイナーすぎてデータベースに無かったようですが、あればペダルとシューズのデータも入れてクリート位置まで算出してくれるので、基本的には上記のサイクルスポーツのフィッティングに近いことはやっているんだと思います。(違う理論かも知れませんけどね。)
今まで足を水平にしてペダリングをしていたつもりですが、この水平というのは主観でしか無く実際のところ水平にペダリングできていたかは不明です。
そして、フィッティングを見ていただいたバイシクルセオのスタッフは踵を上げるペダリングを推奨した訳ではなく、あくまで私のフォームを見て提案をしたというところがあります。
バイシクルセオのスタッフが素晴らしいと思ったところは、ただ決められたマニュアル通りのメニューを提供するのではなく、ヒアリングとスタッフ自身の経験を通じてアドバイスをしてくれたところと私は考えています。
私は昨年暮れ頃からサドルを下げたセッティングにしており、同時期からアキレス腱から足の裏に痛みが起こるようになりました。この原因は恐らくふくらはぎの疲労から起こる物だと予想しており、その原因としては踵が下がったことでふくらはぎの筋が引っ張られて緊張状態になることから起こると想像しております。
今回の踵を上げたセッティング変更では「踵を上げたペダリング」ではなく「足が水平になるように適正位置に踵を上方に修正した」という意味合いが強いのではないかと予想しています。
本来、バイクフィッティングは自分のポジションやフォームが合っているのか体験を通じて知識を深めに行くものだと考えています。というのもある程度ポジションについて色々試した経験がある人はバイクフィッティングで本当にポジションが出ると確信できてる人なんて殆ど居ないと思うんです。結構色々試してみてると思うのでそんな簡単に解決するとは思ってないんじゃないかと思うんです。
そういう意味で、私がおすすめする方は全くの初心者でも無く、また長年乗ってる方でも無くある程度考えが固まってきた半年以上乗っている方ということなのです。
例えば、参考としては先ほどの例と同じくサイクルスポーツになりますが、実際に発売された本誌では踵が下がるペダリングとアンクリング(踵が動くこと)はふくらはぎの疲労につながるため否定していますが、Web上で確認できる同記事内の動画では下死点ではかなり踵があがっているように見えます。
上り坂を超ゆっくり走るだけでペダリングが上達!? 〜サイスポ8月号から News | サイクルスポーツ.jp
これはいったいなんなのか?多分、これが自転車やスポーツの面白いところでペダリングやポジションというのはあくまでベースとなる考え方(理論値)はあっても、関節の柔らかさ、体幹、筋肉の着き方などによって変わってくることだと思うので、色々な考え方を咀嚼して1つずつ丁寧に試してじっくりと自分がパフォーマンスを発揮できるところを探し出していくのが良いんだと思います。
バイクフィッティングで私のようにポジションが出たら(まだ完璧だとは思ってないですが)ラッキーであり、凄いシステムだなと言う事ですし、まだ不十分であってもこの経験は必ず役に立つと思うのです。
個人的な考え方ですが、そうやって色々考えて試して行くのが、趣味を長く楽しむ一つの方法なんだと思っています。ですので、これを読んだ方も色んな考え方を吸収して色々試して楽しんで貰えたら良いなと思っています。
まぁしかし、こういったところの記事に対する考え方はなるべく早めに文章にしてまとめるようにしたいですね。
終