映画トップランナー 好きな自転車映画は何ですか?
疾風スプリンター、上映が始まりましたね!
TwitterのTLを見ているとだいたい高い評価。予告の動画を見ても台湾(?)の街頭でのレースシーンの迫力が凄くて、内容云々よりレースシーンだけでも見たいなんて思ってます。
ここのところ、自転車映画が立て続けに上映されていると思いますが、今日は私の好きな自転車映画の紹介です。
映画としての完成度が高いトップランナー
タイトル:トップランナー
原題:THE FRYING SCOTSMAN
結構前、1年半くらい前だったと思うんですが、この映画を見た影響で後にパンターニとランスの映画を見ました。
非常に面白い映画です。
かなり変わったアワーレコードの選手の実話映画
この映画はあるアワーレコードの選手の映画です。
アワーレコードとは、、、トラックを1時間の内に何キロ走れるか距離を競う競技で、ウィギンスやエディ・メルクス、クリス・ボードマンなど、私でも知ってるくらいの有名選手達が記録を作ってきました。
さて、まずはそんなアワーレコードについてのイメージ映像があるので、繰り返さず1回だけ見ていただけますかね。
出展:THE HANDMADE CYCLIST THE HOUR
何となく分かったかと思うんですが、この動画、アワーレコードの記録保持者の自転車と距離が出ます。
ではもう1度見てください。
記録と共に段々と自転車の形が変わっていったと思います。その中の3番目、明らかにおかしな形をした自転車が混ざってませんでしたか?
何だってこんな変な形の自転車が出来上がったんだよwww
そう、この映画はその変な自転車でアワーレコードに挑んだグレアム・オブリーのお話です。
可能性と孤独の描写
この映画、ドキュメンタリーではありません。ですので、脚色されてデフォルメされたところはあると思います。
ひょっとするとだから面白いということがあるかもしれませんが。
敵は人じゃない、可能性そのものだ!
見ていて感じたことです。
この映画、本当に障害が多い。
幼少期の環境、自分に置かれた現在の環境、時代環境、ライバルの対極的な環境、UCIとの関係、そして自身の性格、、、兎に角様々な逆風が吹いています。
↑オブリーとは対照的な存在のクリス・ボードマン
映画評論を見るとUCIとの軋轢などがクローズアップされてドキュメンタリーっぽい解説がされています。
勿論UCIとの軋轢に対しどうやってオブリーが問題をクリアしていくかといった駆け引きみたいなスポーツ文化としての背景も面白いんですが、トップに立つ!このゴールに向かって邁進するオブリー自身の個性がとにかく強烈でした。
誰がどうとか、環境がどうとかではない。トップになれるのか、なれないのか。
見ていて応援とか爽快とかじゃなくて、息が詰まる、、、文字通り命を燃やしている、そんなことを感じる映画だと思いました。
文明が発達して、科学が何だ、データが何だ、確率が何だと言われてリスクヘッジが当たり前になっている現代において、相対的じゃない人生そのものの因果や摂理といった絶対的なことへの可能性自体へもがく。そんな風なことがうまく表現できている映画に思えます。(1990年代の話だそうです)
オブリーのあだ名となった「フライングスコッツマン(空飛ぶスコットランド人)」の由来になったらしい、スーパーマンスタイル。
絶対的な孤独
アワーレコードは肉体的なことだけでなく、精神的にも過酷で非常に孤独なチャレンジだと聞きます。
「3年寿命が縮んだよ」とはエディ・メルクスの言葉。それほど過酷な競技だそうです。
↑2015年のツアーオブオマーンで協議するカンチェラーラとメルクスさん
しかし、この映画はチャレンジの間だけでなく、それ以外の全編を通して苦悩が付きまといます。
それはグレアム自身の性格からのもので、他人を傷つけたり、思うような結果がでなかったり、畳み掛けるように環境など様々な要因がのし掛かってきます。
ハリネズミのジレンマ?非常に不器用な自分自身によって更に自分を追い詰めてしまう。
基本的に全編を通して上手くいっているような描写がありません。コミュニケーションが苦手だと思っている人には本当に見ていて苦しい映画ですw
↑アワーレコード保持者ウィギンス
きっとこの人のことを好きになるだろう
実際の彼がどんな人物かは知りません。
Wikiなどで少し情報を集めると映画の中のことも色々と納得が行くことがありますが、そういったことを踏まえてじんわりとグレアム・オブリーという人間が心の中に残ります。
ここまでボロボロなアスリートはなかなか居ないんじゃないでしょうか。だからこそ、この人の可能性へ邁進する姿が心に響くんだと思います。
データを扱う仕事をしてますが、データ以外の挑戦を私もしなくてはいけないなと思うんです。
終