バイシクルクラブ掲載のスクワットについて考えた
バイシクルクラブの7月号にハムスタースピンという会社(?)の福田さんと言う方が出ていて、スクワット型ペダリングというものについて解説をしていました。
ミッドフットクリートという特集ですが、読みました?
まぁこの記事が情報が足りなすぎて全然理解できん!と言うことで色々情報を集めてみました。
今日は雑誌やネットの情報から恐らくこういうことだろうと雑誌記事の真意を推測する内容で、正解かどうかは分かりません。
この記事で初めて知って気になった方や、正確な情報について知りたい場合はバイシクルクラブ7月号を読んでみてください!Kindle Unlimitedなら読み放題です。
また、更に詳しい内容はムックでも見ることができます。こっちはトレーニング方法まで載ってます。
本エントリは、「このペダリングが良い」と推奨するような内容ではなく、ただバイシクルクラブの記事を読み解いてみたというだけのエントリーで間違っていてもそれがどうしたという内容です。
ペダリング時は脚の関節全てを使う?
要約すると、ペダリングには股関節、膝関節、距骨下関節(?当エントリーでは以下足首関節と記載します)という脚の主要な関節を全て使って行うという内容だと読み取りました。
筋肉だけでなく関節に着目する
今まで良く見たペダリングの記事はというと脚の回し方、踏み込む位置(1時で踏む)、使う筋肉の箇所(殿筋やハム)と言うところでした。
しかし、ハムスタースピンさんの推奨している理論は関節を見ていて、関節でペダルを踏んだり回したりするところに違いがありました。
実際に踏むのはもちろん筋肉なのですが、全ての関節を連動することでスムーズで引っ掛かりのないペダリングが可能になるということです。
筋肉を分散して使うことで恐らく持久力を得ることができ、動きに適した筋肉を使うことでパワーロスを防ぐ(結果パワーアップ)ことができるペダリングだと読めました。
福田さんよりTwitterでコメントを直接頂きました。パワーアップ(出力アップ)の類ではなく単純に負荷をかけないとのことです。
尻+太もも+脹ら脛で踏む
関節は伸ばすことを「伸展」、曲げることを「屈曲」と言います。
体は関節によって可動範囲が決まっていて、関節を動かす筋肉が伸び縮みすることで動きますよね。
ペダルを踏むときの脚の動きに着目をすると、股関節、膝関節、足首関節の3つの関節が伸展していきます。
筋肉の構造は縮む方向にパワーは作れますが、伸びる方向にはできない訳で、この特徴を考えて関節を動かすときにどこの筋肉を使うのが効率が良いかを考えていきます。
脚を下ろすとき、関節1つずつを伸展させるのに使う筋肉に着目すると股関節を動かすのは臀筋(尻)、ひざ関節を動かすのは大腿四頭筋(太もも)、足首関節を動かすのは脹ら脛(ふくらはぎ。ヒラメ筋とか)ってことになります。
ここで股関節を動かすのがハムストリングではないのは、ハムが動くと大腿四頭筋とお互いに収縮して引っ張り合い動きを阻害してしまうため、股関節の伸展に使う理想的な筋肉は臀筋となり、ハムは踏む時には使わないのが良いということになります。
これらの筋肉を使って3つの関節を伸展させて行くことが、理想的なペダリングの踏み足だということだと読みとりました。
スクワット型とデッドリフト型(とレッグエクステンション型)
ということで、ペダリングの踏む際の脚関節は全て同時に動く必要があります。(確か「連動して動く」と記載があったと思います。)
この関節の動きによって、ペダリングはスクワット型、デッドリフト型と分類されるようです。
発売中の @bicycleclub_ei 、ミッドフットクリートの特集で協力しています。しかしコレだけ読んでも理解するのは難しいような… pic.twitter.com/yiW24Kf9JF
— 福田昌弘 (@HsFukuda) 2017年5月23日
↑こちらのハムスタースピンさんのTwitterでも紹介されています。
関節を連動させる
多くのサイクリストのペダリングは臀筋とハム、もしくは大腿四頭筋でペダルを回したり踏んだりすると思いますが、その場合のペダリング動作で関節に着目すると関節が連動していないことが多いようです。
私も過去に臀筋とハムを使ってペダリングすると投稿したことがあると思いますし、今までは足を綺麗に回すという意識はありました。
しかし、どの筋肉を使うかという点にのみ着目をし、脚全体を動かすといったことや、効率の良い筋肉の使い方ということに意識はせずペダリングをしていました。
要は部分最適に対して、脚全体を見て関節を軸に筋肉を使うようにする全体最適がハムスタースピンさんのスクワット型ペダリングなんだと思います。
股関節しか動かないデッドリフト型
ペダリングの関節の動きを確かめるには筋トレのスクワットの動きをしてみるのが分かりやすいです。(敢えて雑誌とは違う筋肉に着目したシナリオです)
DF(デッドリフト)型 pic.twitter.com/sdLzh2TDch
— 福田昌弘 (@HsFukuda) 2017年5月29日
例えば、ハムだけでペダリングをしている場合、関節がどんな動きをしているか。
ハムと大腿筋にだけ力が入った状態で腰をおろして行くと、膝の位置はそのままでお尻が後ろに降りていき、股関節と膝関節が屈曲していきます。
また重心が後ろのため爪先が浮いてくる感覚があるかと思います。(このような踵に体重が乗っている状態を背屈という)
今度は腰を元ある場所に戻すように膝と股関節を伸展させていくと、大腿筋は使わずハムだけを使ったのがわかるかと思います。
このように、ハムだけを使うペダリングは爪先が浮き、踏むときは踵が落ちている状態になっている場合が多いようです。
これをデッドリフト型と呼んでいました。ペダリングの動きが筋トレにあるスクワットのデッドリフトの筋肉と関節の使い方と一緒のようです。
最もダメなレッグエクステンション型
股関節が屈曲せず、膝関節だけが前に出て屈曲するパターンのレッグエクステンション。これはすぐわかると思うんですけど膝を痛める可能性が高いやり方でパワーロスも多くやらない方が良いっぽいです。(最も脚が太くなるっぽい)
LE(Leg Extension)型 pic.twitter.com/zBSaOmzrQT
— 福田昌弘 (@HsFukuda) 2017年5月29日
全ての関節が連動して動くスクワット型
ハムだけを使い関節が固定されてしまっているデッドリフト型に対して、全ての関節が連動して動くペダリングをスクワット型と呼んでいました。
SQ(スクワット)型 pic.twitter.com/qfgLotVFHL
— 福田昌弘 (@HsFukuda) 2017年5月29日
デッドリフトの後傾とは違ってスクワットの型の重心は真っ直ぐもしくは気持ち前くらいだと思います。
骨盤を前に倒し背筋を真っ直ぐにした状態で(反りすぎない)、できるだけ力を抜いた状態で腰を降ろしながら股関節、膝関節、足首関節を屈曲させていくと、上半身は前に倒れながら、ハムと脛(スネ)の筋肉にじんわり負荷がかかっていき、膝が90度くらいの角度になると今度は股関節の腸腰筋にじんわりと負荷がかかります。
腰を下げるのを止めると、ハムや脛には負荷はかかっておらず(触ると柔らかい状態)代わりに殿筋と大腿筋と脹脛に負荷がかかっているという。
ここからまたゆっくりと膝関節と股関節を伸展して元の体制に戻ります。腰を下ろすところがペダルを上げる動作、腰を上げるのがペダルを踏む動作につながっています。
引き脚時はハムを使う。スクワット型の発見
面白いのが尻を突き出す量によって負荷のかかる筋肉が変わって来たりします。わかりやすいところではハムが顕著かなと。
尻を下げたら、後は尻の位置を前後したり重心を前後したりするとハムが張ったりダレたりします。きっとこれはポジションにも依存してるんだろうなぁと。
ハムスタースピンさんはペダルを上げる動作時(引き脚時、腿上げ)はハムを使うと言っていますが、スクワット型で腰を落としていくとハムがきいてくるのが分かると思います。
スクワット型ペダリングを覚えるならスクワット型スクワットをして神経系にモデルを作る
ここまでバイシクルクラブの記事を読み解いてきたんですが、今まで私は体を動かすのに同時にいくつものことをやるのは難しいと思っていました。
ペダリングもその一つで、なので重心位置を決めて足が自然に回るというところに執着をしてきました。
・・・しかし、今回のスクワット型ペダリングは少し違った内容でした。
体の動きを一遍に神経系に覚えさせて体得する
スクワット型ペダリング、原理は分かったけど複数の関節を動かすのに複数の筋肉を意識して使い分けるのは無理だと思うんです。しかし、その考え方がそもそも違ったという話です。
筋肉を1つずつ動かすのではなく、複数の関節の動きを一遍に体に覚えさせるっていう考え方でした。それが先に細かく説明を書いたスクワット型スクワットってことなんですよね。
このスクワット型スクワットをひたすらやり続けて必要な筋肉を鍛えながら、一緒に体にこの動きを覚えさえる訳です。
人は自然に歩けるようになりますが、歩くって動作は非常に複雑な訳です。でも自然にみんなできていて、歩いている時は体をどう動かすかなどは意識しておらず無意識に手足を動かしている訳です。
それは同じ動作を繰り返すことによって頭の中に「歩くモデル(型)」が出来上がっているからなんですね。
スクワット型ペダリングをするには、このモデルをスクワット型スクワットで作ってしまえば良いとまぁそういうことなんだと思います。なのでハムスタースピンの福田さんは「スクワットやりましょう」と言ってるんじゃないかと思います。
そういう意味では、筋肉がありすぎて関節の動きを阻害していたり、楽をしてしまったなどで可動域が狭い動きをしていると神経が可動域を間違えて認識してしまい正しい動きをしない間違えたモデルとして出来上がってしまうことにもなるかと思います。
ただの筋トレではなく、正しい型を体に覚えさせる必要があるので、1回1回のスクワットが大事になってきますよね。
まぁ推測なので正解率は20%くらいじゃないかと思ってますが。
まとめ スクワットやります
ということで、雑誌の内容を読み解いたつもりで、且つスクワットのやり方を自分なりの解釈で書いてみたんですが、先日から筋トレをはじめまして、このスクワット型スクワットも取り入れています。
ペダリングは難しいのですが、筋トレのスクワットの効果は特にダンシングで効果が出やすいです。その点も書けたら良いなぁ。
ちなみに暫くの間、足に痛みがあったので四谷にあるメディボディさんというところに行って治療を受けるついでに、このスクワットについても話したところアドバイスを貰ったので、次回はメディボディさんのことや貰ったアドバイス、筋トレについてなど書きたいと思います。
とは言え、ハムスタースピンの福田さんはTwitterで以下のようなことを言っていました。
トレーナーをつけてトレーニングしてたなら分からないけど、自己流でやってたら大体は悪い方向に。
アスリートは結果を出してナンボなので手段は選ばず、臀筋が効かずにハムで代償なんて、よくあること。その人が筋トレすれば間違いなくハムが強くなるだろうし。— Masahiro Fukuda (@HsFukuda) August 4, 2017
要するに、仮に理論だけ分かったとしてもそれを一人で実践していくのは難しいということで、専門的な知識を持ったトレーナーをつけなくては効果が出ないどころか、逆効果だということです。
しかも今回も色々と文章にしてみましたが、恐らく福田さんの理論は殆どカバーできていないはず。難しいのは神経系の説明で私はモデルの解釈で書いたけど、おそらくは可動域に関しての神経系の要素の比重も多く、こっちはリハビリのようなものじゃないかと思っています。
・・・となると、バイシクルクラブのあの記事ってなんのためにあるんだよ~wということなんだけど、まぁスポーツ紙は認知のキッカケ、娯楽の一部でそういうもんだと思って諦めてたり(笑)
個人的経験で言うと物にお金を払うのも良いけど、人の専門知識にお金を払うことの方が満足度はだいたい高いので、競技者やホビーライダーでも真剣にスポーツとして取り組んでる人は是非ともトレーナーを付けることをお勧めしたいです。
終