定年後のセンチュリーライド!ファミリーでAACRを完走したぜ!

2017/05/31イベント,ロングライドセンチュリーライド

AACR(アルプスあづみのセンチュリーライド)完走しましたー!昨年はエントリーできなかったので今年行けたのは奇跡的です。

しかも、今回はちゃんPファミリーとOtusha、Sちゃんまでエントリーできて計6人と言う大所帯でした!

大所帯での参加

ちなみに、TeamOtushaと、ちゃんPファミリーの混成チームは「自転車の会」という名前で活動をしておりますw

 そもそもAACRとは?

自転車を始めてイベントに興味を持ち始めた人はかなりの確率で「AACRに出るよ!」なんていうツイートを見かけるようになると思います。

AACRってなんやねん!?まずはそこからですよね。

北アルプスの側道を走る約160キロのツーリングイベント?

AACRは

  • アルプス(A)
  • あづみの(A)
  • センチュリー(C)
  • ライド(R)

の略で、北アルプスの沿道、約160キロを走るツーリングイベントですね。

センチュリーは英語で「100」を意味していて、英語圏では距離の表示にはマイル(1マイル=約1.6キロメートル)を使用するのが一般的なので100マイル=160km走るイベントとなっています。

厳密に「センチュリーライド」という競技という視点で見ると、確か8時間という制限時間があったと思うのですが、日本では160kmの距離もだいたいで時間も運営が決めている場合が多く少し緩くなっていることが多いです。

AACR スタート前の画

ということで、AACRは長野県松本市をスタートして北アルプスの山を眺めながら白馬まで走り、折り返してくるロングライドイベントなんです。一応制限時間は朝6時スタートの17時ゴールの11時間でした!

平坦基調で走りやすいコース

登りは1,250mほどあるそうですが、急な坂は殆ど無く、割かし走りやすいイベントになっていると思います。

とはいえ、まだ自転車を始めて1年未満など日が浅い人や、坂に慣れてない人などはきついところもあるとは思いますが、他の敢えて坂を入れているイベントが多い中での比較なので、山をなるべく走らないようなコース取りになっているAACRは全然楽な方じゃないかと思います。

AACRの坂。割と楽な方だと思います

今回、ちゃんPファミリーと一緒に出たちゃんPの友達Sちゃんは自転車歴はまだ1年未満ですが、100kmは余裕で走れる走力を持っていながらも坂ではヘロヘロになっていました。

ヘロヘロ具合は後半で。

ファミリーで挑戦した160kmはちゃんと対策をした

以前は皆とイベントに出るなど全く考えられなかったですが、いつの間にか楽しさが仲間内に浸透してイベント参加が自然になってきました。

とは言え、160kmはかなりのハードルの高さでした。

グランツールしまなみでの敗北

私が初めてイベントに出たのは東京シティライド(現在のBIKE TOKYO)でしたが、ロングライドイベントとなると2015年のセンチュリーラン笠間だったと思います。

そこからエントリーがしやすい奥多摩のグランフォンド(wiggle東京グランフォンド)やグランフォンド軽井沢を経て、私に影響を受けてちゃんP親子も一緒にBIKE TOKYOとツールド東北に出場をしました。

BIKE TOKYOにファミリーで参加したよ~

BIKE TOKYOは50kmもないコースでストップも多いし楽々だった訳ですが、ツールド東北は100kmでしたからね。これを見事に完走した訳です。

この後、この勢いで憧れのしまなみ海道を走る「グランツールせとうち」に出場した訳ですが、まぁこれが何とも全く相手にならずに完敗。それなりに大きなイベントだと思ったので今まで出ていたイベントと同等のサポートがあると思っていて油断があったことが大きいですが(エイドやナビ的な部分で)、半分で足切りに引っかかりリタイヤしました。

なんというか、完走できなかったことの悔しさが影響していることもあるとは思いますが、しまなみを走るのに特にこのイベントを使って走る意味をあまり感じなかったこと、リタイヤするとゼッケンが回収されてしまうため結構良いデザインだったのですが記念品がまるで残らないので走った実感もあんまり持てないこと、リタイヤしてからのしまなみ海道が非常に楽しかったこと・・・、そういったことからとても敗北感を味わったんですよね。こんなんだったら、最初からイベントじゃなくて楽しくフリーランした方が圧倒的に楽しかったわ的な。

まぁネットで参加者の声を見ると楽しんでる方の声しか見当たらなかったので、素直にここは私達の走力の無さが原因と感じました

受け取り方は違えどこういった結果が私だけでなくちゃんP親子にも何かを感じさせた訳です。

そんな経緯がある中、実は既にAACRの160kmにちゃんPファミリーはエントリー済だったので、このタイミングで対策を立てることにしました。

それが少し前の「ロングライドに向けてペダリングを改善してみた」という記事の経緯でした。

重心のイメージ

余談ですが、グランツールせとうちの記事は書きません。伴走したスタッフの方は良かったですが、チェックポイント(エイド)は足止めのためにあるようなもんだったし時間制限もおかしい。

イベントである必要性を私は感じませんでした。コースはシンプルなので、たぶん一人で出ても印象は変わらないと思います。

160kmの完走は肉体よりも精神面での変化が影響した

私のように何でもかんでもロジックを知りたがる人間は最初から気持ちがスポーツ視点だったり、テクニック視点だったりと少し深いところを覗き見してみたいところがあります。

それは自分がトレーニングをするとどのくらいで影響がでるのか、理論を取り入れるとどう変わっていくのかということを過去の体験から何となく想像してるところがあったりするからです。

しかし、もともとスポーツなどをしてこなかった人はこういった視点がないため、改善イメージがなかなかつかめません。

そのため、技術的改善は多少頭を使うのでただの趣味で負けても良いという遊び感覚の人にはズバリ面倒くさくてなかなか取り組めなかったりします。

そういう人には遊びでも折角やるなら負けたくない、もっと上手にもっと強くなりたいというようなスポーツの視点に多少切り替わるマインドシフトが非常に重要だと思うんです。

私はここがスポーツ経験者と未経験者の最も大きな違いと最も大きな壁だと思っています。

それがグランツールせとうちでの敗北により向上意識、問題意識が高まり、本来であれば「単純にこぐだけ」という乗り方から「ペダリング対策」という技術的なレイヤーへの意識の変化が生まれました。

凄く暑苦しいこと言って申し訳ないんですけど、何でも真っ向から向き合って取り組むってのが本当に大好きな人間なのでこの意識の変化が生まれたことが私にとっては非常に嬉しいことでした。

実はグランツールせとうちの結果からAACRの完走はおそらく無理だと予想していて完走の確率的にはたぶん10%もないだろうと思っていました。しかし、この意識の変化があった時点でAACRの完走は五分五分くらいまできたとかなりポジティブな考えになりました。

例え完走できなかったとしても、イベントに参加する意味が全く違う。

「俺は趣味でやってるから、別にそんなの完走できなくても別に良いよ」なんてつまんない言い訳はしてないで、「完走するために、時間を作ってトレーニングして、ペダリング改善して挑んでみる」って方が何かしでかしそうでとてもワクワクするしかっこいいし、所詮趣味なのは趣味なんですけどうまく行かなかった時は悔しいだろうし、うまく行ったときは嬉しいだろうし、終わった後の喜びは全然違うし、後々に振り返って思い出として話す内容も全然違ってくると思うんですよね。

諦めなかった時間ギリギリのゴール!

実際のイベント当日、「なるべくペダルを踏まない」という意識をおさらいしてスタートしました。

ペースコントロールを意識。エイドの休憩時間も意識した

せとうちでの敗因は走力の他にも時間のコントロールにもあったかと思います。エイドステーションで休憩が長すぎるのとベースの走力が低いにも関わらずあまりにスローペースだったところ。

ペースを無理やり上げると160km持たないことはありますが、ペース配分をちゃんと考えて残り時間を計算してなるべく狙った速度にコントロールして走ることを気を付けました。

エイドステーションでの休憩時間も決めて休憩をとった

エイドステーションも休憩はある程度長い時間とってしまうと疲労が溜まって取れなくなるので15分程度で出発するように心がけて、エイドに入るときに「○○分に出発するよ!」と共有するようにしました。

160kmのグループでは最後尾のドンケツなんですけどね、意識は高いですw

坂では他の人に引っ張られないようにペースを維持する

最初は、6人全員で縦に列になって走っていましたが、70kmくらいの折り返しポイント辺りに着く頃には徐々にバラバラになってきました。

特に坂に入ると顕著に影響がでてきます。また平坦でもバイクコントロールに慣れていないとどうしても前のバイクとの距離が開いてしまうので、ドラフティング効果が薄れて体力が消耗しやすくなります。

なのでペース配分をしつつも、人のペースに合わせず各自が自分が無理にならないくらいのハイペースで走るように心がけました。

坂では自分のペースで登る

坂は特に慣れの影響が大きくでるところで、遅れてくると前の人に合わせようと一生懸命になってしまいます。しかし、坂こそ最低限頑張るくらいで脚を使わないようにすることが大事と呼び掛けて時速6kmとかでも脚をとにかく使わないようにマイペースで登りました。

後半110km辺りまでが最大の山場だった。かな?

70kmの折り返し辺りで、お義父さんはちょっと弱気発言。まぁでもみんなして励まして後半をスタートしました。

痛みが出たり本当にやばそうならいつでもDNFするつもりで居たのは当たり前なんですが、各人が様子を伺いながら走るようにしました。

折り返しのエイドで若干長い休憩をとったことと坂が続いていたこともあり少し気持ちが弱気になったところもありましたが、110kmを超えたあたりでいよいよゴールを意識し始めてきます。

あと、50km。もう残すところ1/3を切ってると。DNFした場合でもいずれにしてもスタート地点には戻らなければならない。であれば、どうせなら走って帰りたいし、たぶん走って帰る方が時間も早いだろう。そんな心理状況も働いたんじゃないかと思います。

数少ない信号待ち

Otushaのセキドンとモリアーノは、余裕な感じで楽しく先を進んでいます。ここにきて、ちゃんPが事前にコソ連で180km走ったのが生きてきたのか自分の体力的な余裕を感じてペースアップ。やっぱり実績が1度できると自信を持って走ることができるのできっと楽しかったと思います

一方で明らかにペースが落ちてきたのがSちゃん。後方の安全を確認して隣に並んでみると一生懸命踏んでいるのがわかりました。

ヘロヘロになりながらのラストスパート20km!

最後の安曇野エイドに到着。既にタイムリミットが迫っていて補給食のテーブルなども片づけが始まっていました。

そこで漬物などで塩分補給、その他水分補給、トイレ休憩をしていよいよゴールまでのラストスパートになりました。1日中強烈だった日差しもやや黄色みがかってきはじめていました。

最後のエイド、最後の補給食

最後のエイドに着いたのは、15時43分。ここまで15分刻みでエイドをスタートしていましたがタイムリミットが迫っている雰囲気を感じて10分で休憩を切り上げゴールへ向けてスタートしました。

この時点でタイムリミットの17時までは約1時間約20km! 1時間で20kmであれば信号の少ない区間であればAv.20kmキープはさほど難しくありません。しかし、最後の最後に緩やかな登りが待ち構えていました

ここで一気にSちゃんの疲労が表面化してきて、常に最後を走っていたお義父さんと入れ替わり、なんとか緩やかな坂を超えたところでちゃんP親子が最後のスパートに!

もうペダルをこぐ姿が若干痛々しいSちゃんに「自分のペースで良いからね~」と声をかけるも返事なし。「17時の時間制限があるけど、たぶん厳しくないだろうから過ぎても完走扱いになるよ~」と言いかけるも堪えて「Sちゃんてさぁ、、、負けず嫌い?」と聞いてみると「かなり負けず嫌いです」とのこと。

いつもと違ってめちゃくちゃ声が太かったことにはあまり触れずに「よし、あと10kmで35分あるから今のペース維持すれば何とか間に合うよ!」とハッパをかけ一緒に走ります。実は登りが終わって平坦でしたが18km/hくらいしかスピードが出ていない状況でした。

残り15分。距離はちょうど5キロ。・・・ギリギリか。「時間間に合いそうですか?」の問いに「あと15分だけどこのペースなら何とかいけるかも・・・」との返答。何かを感じ取ったのか、かなり前方を走るちゃんP親子が若干距離が縮まるくらいに最後の力を振り絞ってペースアップ

そして遂に!「あれ?ここスタート地点だよ!この先を右に曲がったら・・・」

遂に見えたゴール

曲がった先に見えるゴールゲート。ゴールに出展されているブースや参加者達の喧騒の中、帰ってきたなぁという実感がわきながらゴールゲートをくぐりました。

ゴールタイムは16時56分最後の最後にAv.27kmとは凄い頑張りだったと思いますw

自転車の会 全員完走

ということで、全員完走することができました。

ゴール後の記念撮影

セキドンはまぁもともと私と一緒に走っていたし昨年単身出てたんで良いとして、モリアーノは伊豆大島でも千葉南房総でも着いてこれず「平坦と坂が苦手なOtushaのエース」という印象だったのが、三浦を一人で走りヤビツを登り(コソ連までして)、単なるムードメーカーだけでなくいつの間にか走れるエースになっていました。

この二人は一緒に仕事をした中でしたが、それぞれ違う仕事をしている現在でも違った形で前より良い状況でそれぞれの良いところの発見が生まれていくっていうのは貴重な経験をさせてもらっているなと感じています。

Sちゃんはもともと100kmくらいは自分で走っていましたが、殆ど未経験な苦手な坂を何とか走り切りますます自転車にはまってくれそうです。先日も千葉の山へ坂対策に行ってきましたw

ちゃんPは、何だかグランツールせとうち以降で凄く成長したような気がします。一人で走りに行くことなんて殆どなかったんですが、AACR前のCAFE KIKIさんへのライドをやった時点で何だか自信に満ち溢れていた気がして、危なげなく走り切れていた気がします。

サイクリストに有名なカフェ『カフェキキ』さんを目的地にして、180km自己最長ロングライドしてきました!

年齢がちょっと離れている夫婦なのと生き方が全く違うのでどうしても上から見る感じになっちゃうんですが、大事な時期に自分の妻が成長しているのは自分の存在意義も感じられて本当にうれしいことだったりします。結婚して家に入って成長しなくなってしまうのは残念でなりませんからね。これからのパートナーとしても頼もしく感じます。でも唐突に極端なことやるもんであんまり無理はしすぎないで欲しいというところも少しありますw

そして、お義父さんですが、これは凄いことなんじゃないでしょうか。昔、スポーツをやっていたとは言え学生時代の話ですからね。病気で肺の一部を摘出していたり膝を故障していたりする中で66歳にして160kmを完走。自転車を初めて2年半です。とんでもないですよね、160km完走!誰でもできることじゃないと思うんですよね。

今回のAACRはいつもみたいに適当に参加してワイワイ楽しむような参加とはちょっと違った楽しみ方ができたような気がします。もちろん、こんなスポーツ思考じゃなくてワイワイで良いと思うんですが、今回の大会参加を通じて各人が快適に走るためのテクニックや体力づくりができたんじゃないかと思います。

この先、また似たようなイベントに出たとしてもある程度自分の実力を客観視することができて、楽しむ幅が広がったような気がします。

サイクリストはペダリングやら体力づくりやら色んな知識をネットなどで見かけて情報収集をしてる印象ですが、実際に友人や家族とローラー台に自転車を固定してペダリングのチェックやフォーム改善、ダンシングの練習などをしてる人達ってのはあんまり多くないのではないかと推測しています。

今回は実際にそういうことをやってみて、よりお互いの理解や結束が深まったような気さえしています。

イベント前夜のエンジンw

AACR、実は聞いていたほど素晴らしいイベントだとは思いませんでした。期待値高過ぎたかねw 北アルプスの景色は良かったですけど沿道を走るよりは山に向かって登って行った方が面白かっただろうし、味噌おにぎりは美味しかったけどぶっちゃけてエイドはグランフォンド軽井沢や和歌山の方が上かと思います。

しかし、今回のイベントは他のどのイベントでも得られなかった経験をしたと思います。