ロードバイクで気を付ける公道の障害物

2020/07/27ビギナーsumビギナー,初心者,安全,考察

自転車で公道を走ると、路上には意外に危険なポイントがあります。しかもそれが大抵の場合は1度怖い思いをしないと分からないので曲者です。

気を付けることは道路交通法などのルールや規制もありますが、今日は注意すべき障害物にフォーカスし紹介していきたいと思います。実際に恐怖体験までいかないにしても、そういう怖いものがあるんだ?ということを理解してもらえると嬉しいです。

いや、まぁなるべく事前に対策した方が万が一にも備えられるし、個人的に対策ってのは楽しいことですし。

公道での落車は意識の外で起きることが原因

公道を走っていて単独での落車事故の原因は、「まさか」のことが突然起こることです。

例えば路上に陥没がありホイールがはまって落車をした場合は、当たり前ですがこれは路上に「まさか」陥没があるなんて思わず、気づかなかったため突っ込んでしまったことが原因だと考えられます。

これが事前に陥没がある「かもしれない」と注意して発見できていれば避けるか、仮にはまったとしても落車しないように何かしら対処はできたかも知れません。

いずれにしても、気づかなかったという意識の外で起きたことが対処ができなかった最も大きな原因だったのではないかと思います。

ではこの対策をするためにはどうすれば良いかというと、常に緊張感を持って集中する!と結論づけるのは難しいでしょう。人間、そんなに長時間緊張感を保って集中することはできません。

ではどうするかというと、私としては状況に応じてあらかじめ危険性を想定しておくことが重要かと思います。例えば「あっ、バス停だ。バス停付近は陥没が多いからあの付近は気を付けよう」というような感じです。

公道で気を付ける障害物たち

具体的に紹介していきます。公道を走るのに慣れている人は殆どが思い当たると思いますが、これから公道を走っていく人達にはある程度落車の予防策になるかと思います。

車道と側溝の小さな段差

舗装された道路でガードレールなどで分離された歩道がある場合、構造としては道路の中央から見ると、車道(→路側帯)→側溝→歩道となっています。

排水などをするために多くの道路脇にグレーのコンクリートで側溝が作られていますが、車道と側溝の境目が非常に危険です。もともとは段差は小さいはずなのですが、車道が削られたのか車道と側溝で数cmの段が出来ている場合があります。

赤線で囲われた部分に段差があると非常に危険

この段差が恐らく高さにして2~3センチ程度でも、タイヤが並行に入ってしまうとハンドルを取られ落車に繋がることがかなり多いです。

歩道に乗り上げる時、あまり角度をつけずに乗り上げようとして転びそうになった経験がある人は多いと思いますが、これが車道と側溝の間の段差でも起こります。

注意するポイント箇所

特に注意する箇所としてはガードレール付きの歩道がある幹線道路(片側2~3車線ある大きな道)です。

こういった場所は交通量が多いので段差ができていることが多く、自転車側も車からなるべく距離を置こうと側溝側に寄っていることが多いので危険度が上がります。

側溝とのつなぎ目は注意が必要ということを理解しつつ、特に幹線道路には気を付けましょう。

排水溝(グレーチング)の蓋のずれ

ローディにとっては危険なものとして有名な網目状のグレーチング。これ自体は2つ気を付けることがあります。

1つはカーブの途中にある場合、滑りやすいので横に遠心力などが働いている時に乗ると転びやすいこと。ただ、あんまり出くわすことはないかと思います。

遭遇率もまぁまぁ高く気を付けることのもう1つは、側溝に取り付けられている正方形に近い形のグレーチングです。このグレーチングの外形と側溝に開けられた穴の外形のサイズがあっていないことがあり、数センチの隙間が生まれている場合があります。

グレーチングにできた隙間

この隙間にスポッとホイールがはまってしまう場合があります。こうなると自転車ごと前転する落車に繋がり非常に危険です。

21cや23cといった細いタイヤであれば、グレーチングの網目自体にホイールがはまってしまうことがあるんですが、今は太めのタイヤが増えてきたので、グレーチング自体はそこまで脅威ではないかと思っています。

ただ、グレーチングでハマるのは網目だけではないということを理解しておきましょう。結構意識が違ってくると思います。

注意するポイント箇所

様々な場面で出くわしますが、経験上は片側1車線くらいのあまり広くない古い道路で大きな隙間ができているように思います。

グレーチングに関してはリスクを理解して、今までと変わらず注意していきましょう。

マンホールなどの金属板やゴム版

良くマンホールは気を付けるものとして紹介されますが、滑りやすいのがポイントかなと思います。それで言うと、先のグレーチングも滑りやすいポイントです。

マンホールは滑りやすいもの代名詞のように扱われますが、それ以外にも工事現場にあるゴム板や鉄板、踏切の線路も同様に雨の日は危険で「滑りやすい」という認識を持っておくのが重要です。

滑りやすいものは特にカーブとペダルの踏み込み時に注意が必要です。雨の日は特にカーブの先にマンホールやグレーチングないかを想像し、なるべくまっすぐな状態で侵入するようにし、またそういった滑るポイントの上ではダンシングなどで踏み込む力をかけすぎないようにするのが無難です。

注意するポイント箇所

マンホールやグレーチングはある程度想像がつくかもしれませんが、工事現場においてある鉄板や橋のつなぎ目にあるゴム板は盲点ですので気を付けましょう。

時々、公道から工事現場に入るために歩道を跨いで鉄板が橋渡しに置いてある場合があり、周囲が土なのでエスケープゾーンとして鉄板の上に入りたくなりがちです。

ロードバイクは道を確認したり、少し止まって補給をする場合などがあり、こういった鉄板が置いてある場所はとても逃げやすいスペースなため侵入しがちです。

しかし、雨の場合などはとても滑りやすいので注意しましょう。

キャッツアイ(道路鋲(どうろびょう))

公道を走る人以外は殆ど縁の無い道路鋲(通称キャッツアイ)。これ、ロードバイク乗りにとっては凶器だということを理解しておきましょう。速度に関係なく絶対に乗り上げてはいけません。

出典:積水樹脂株式会社様

道路鋲は実は高さが結構あり角張っていてエッジが効いています。

キャッツアイに少しでも鈍角に入り込むとハンドルが取られ強制的に舵が切られてしまうのでほぼ確実に落車する事態になります。低速ならまだしも、高速で突っ込むと地面に強打されて大けがに繋がります。

また直角に近い角度で侵入すればハンドルを取られるリスクは減ると思いますが、高さが結構ありエッジが効いているためホイール側にダメージを受け、走行不可能な状況、、、最悪はホイールが破壊されてしまう場合があります。

対処方法としては、発見したら近づきすぎないことです。そもそも道路鋲は走行ラインを誘導する目的があるので、設置されている上を走るものではありません。

注意するポイント箇所

道路鋲は誘導する目的があるので、センターライン、分離帯、合流帯、カーブといったところに設置してあり、良く縞模様のゼブラゾーンに設置されています。

なのでゼブラゾーンに侵入するのは控え、どういう箇所にゼブラゾーンがあるのかを走りながらなんとなく学んでいくのが良いと思います。

道路のひび割れ

片側1車線ずつで交通量がそれなりに多く、あまりメンテナンスがされていない道路で良く見られます。サイクリストに縁がある場所で言えば河川沿いの道やお台場などの工場・倉庫地帯で結構見られます。

道のひび割れも、溝くらいに大きくなっていることがある

恐らくですが、車の度重なる交通によりコンクリートにシワがより道路の中央部分に負荷がかかりひび割れが発生するんだと思います。このひび割れが酷い場合だとホイールがハマってしまうくらい結構な幅になります。

道路の中央部分なため、基本的には自転車は走ることは無いですが、路駐や障害物を避けるなど何かしらセンターに寄ることもあると思うので、その場合はひび割れに乗らないように注意が必要です。

実際私の友人はこの溝にはまり、落車は避けたもののホイールのリムがガッツリ削られてしまいホイール1本をダメにしました。

注意するポイント箇所

注意する認識としてはひび割れがある道は注意といういことです。目安としては、センターラインがひび割れているような道路は大きな溝があるかも?と気を付ける意識が良いと思います。

どんな場所かというより、リスク自体を知っておくことですかね。

道路の陥没

陥没とは道路がへこんでいることですが、深さは15cmくらいで幅50cm~1mくらいの陥没を最近ちょくちょく見かけます。

時速20~30kmで突っ込むとかなりの衝撃で落車の可能性もあると思いますし、落車を免れてもホイールなどバイクにダメージがかかることも推測されます・・・

注意するポイント箇所

陥没で最も良く見るポイントはバス停だと思います。バス停では停車したバスのタイヤの部分が陥没していることが多いです。また、トラックが仮眠などで休憩している場所でも同じ理由で陥没していることがあります。

バス停や工場地帯の路駐ポイントは陥没があるかも知れないと想定しておくのが良いと思います。特に夜間は目視がしにくいので危険です。

轍(わだち)

自転車で遠出をするようになって気づいた路上の轍。これもかなり危険です。

轍とは、車が通った後のことですが、交通量の多い道路は道路の端が隆起していたり車のタイヤが通る部分だけ波打っているといったことが起こります。

轍と言うとただのガタガタした道を想像するかもしれませんが、道路端の隆起した轍は高さが10cm以上になる場合もあり非常に危険です。個人的な対応としてはキープレフトしすぎないで少し車道側を走るようにするか、他の道を選ぶようにしています。

轍の困るところは、自転車にしてみれば非常に危険な脅威であるのに、車からするとそれほど脅威でないところです。車道のセンターに寄って走ると車からは邪魔な存在として見られるため、色んな意味で自転車は走行がしにくくなります。

注意するポイント箇所

陥没同様にトラックが多く走るような交通量の多い幹線道路に多く存在します。特に片側1車線のような街道に多くあると感じています。ロングライドで都市間を跨いで走る場合、ルートを引くと分かりやすい幹線道路を選択しがちだと思いますが、その場合はグーグルマップなどで交通量と合わせて轍の状況もチェックするとなお良いかと思います。

まとめ

今回紹介したこと以外にも色々と気を付けるポイントはあるかと思います。

全てに神経を張り巡らせて走るというのは非常に難しいことでしょう。でも実際に落車をして怖い思いや怪我をすると走ること自体のモチベーションが下がってしまうかと思います。

公道で対策できる範囲で色々な知識を身に付けて単独事故を減らすことは長く趣味を楽しむことに繋がりますし、広い目で見ると公道を使うサイクリストとしてのマナーにも繋がってくると思います。