公道慣れしてない人がロードバイクで目的地へ向かうには

自転車初心者,快適,考察

先日「目的地まで何度もルートを確認するから全然進めなくて、公道の走り方が分からない」というようなツイートを目にしました。

なるほど!そう言われてみれば車の免許を取得したての頃、何度も止まってその度に地図を見直して走ったことを思い出しました(笑)

思い返してみると、確かに車の運転や道路標識は教えてもらっても、どうやって目的地までの道のりを走るかは教えてもらわなかった気がします。要するにルートの引き方と引いたルートの走り方を教えて貰ってなかったと言うことです。

ちなみに今はカーナビを使ってますが、それでも道を間違えてUターンポイントを探すことが多々ありますw

実際、知らない土地を走る時はやはり道に迷うので、ブルベなどではないロングのファンライドイベントは、案内のおかげで知らない土地なのにルート確認のストレスから解放されてのびのび走れることも魅力だったりします。

そんな感じで運転の達人でも何でもないですが、今日は車の免許取り立ての時の記憶を辿りながら、公道での走行経験があまり無い特に首都圏を走る人向けに、自分の経験からまとめてみました。

※当エントリーは公道でのマナーや安全に走る方法についてではありません。

初級編 曲がる回数を少なく、直線に走る

ルートを引くときは最短距離などでは無く、実際に自分が走ることを想像しながら引くことが重要です。

道の幅、車の交通量、曲がるポイントの分かりやすさなどを考えながら引くことになりますが、地図をなるべく確認しないという意味で重要となるのは「曲がる回数を少なく」というのがポイントかなと思います。

当たり前ですけど、目的地までずっと道が一直線だったら、殆どの人が途中で止まってスマホの地図を確認しなくても目的地までたどり着けますよね?

ワイズロードの上野アサゾーから新宿本館に行くルートの悪い例。

じゃあ1回曲がるだけなら?行けそうですよね?
じゃぁ2回曲がる場合は?それでも行けそうですよね?
じゃぁ5回だったら?・・・もう難しそうじゃないですか?

段々数が増えていくとたどり着けなくなっていくわけです。なので、私がルートを引くときはなるべく曲がる数を減らすというのが大前提でやってます。

ワイズロードの上野アサゾーから新宿本館に行くルートの良い例。

方角を覚える

女性に多いように思えるのですが、大人でも東西南北が分からない人が結構居るように思います。

これは出来たら覚えて欲しいです。覚えなくても大丈夫ですが、覚えればルートを引く際や会話で段違いに便利になります。

例えば、方角が分かるサイコンを持っていれば、自分がどちらの方向に進んでいるかわかるので大雑把でも道に迷うことは少なくなります。

ちなみに、東西南北(NEWS)は理解はせず覚えれば大丈夫です。

東西南北と地図の記号

地図は通常は上方向が北になるように描かれています。スマホのGoogleマップなどは、右上のような記号が画面上にあって北の方向を赤の矢印が指すようになっています。右下のは矢印の方向が北方向になっています。

曲がる交差点を覚える

曲がるポイントは交差点の名前や特徴で覚えます。

せっかく曲がるポイントまで来ても気付かず通りすぎてしまわないように目印を決めておきます。

例えば、

  • 交差点の名前→信号などを見ると付いている場合が多い
  • 交差点にあるコンビニやガソリンスタンドなど→目印は交差点のどの位置かなども覚えておくと確実
  • 交差する道の名前→多少大きめな道路であれば道の名前が出てることがある

こんな感じです。

交差点の表記

東西南北と距離で目的地へ辿り着く

簡単に言うと、どの方角に何キロ進むかという感じです。

例えば西に10km走って交差点を北に曲がるという場合、サイコンの距離を見ておいてだいたい9kmくらい走ったかな~という辺りから交差点を気にすれば、曲がるポイントは間違え難いし、ずっと気を張っておく必要はありません。

初級編としましたが、見知らぬ土地を走る時やブルベのように正確にルートを走るときにも役立つテクニックだと思います。

中級編 主要な道路を覚えて自分の位置を推測する

初級編で自分が引いたルートを走れるようになったら次は中級編です。

慣れてる人はいちいちルートを引いてナビを見なくても、すいすい走って目的地へ着いてしまう人が居ますが彼らはどうしてそんなことができるのか。

それはある程度、主要な道路を覚えていてその情報を組み合わせて走っているからだと思います。

道は覚える順番がある

東京の道を覚えるなんて難しいよ!と思った人が居るかも知れませんが、全部覚えてるのか?というと勿論答えはNOな訳で。

公道を走る経験が無い人は全ての道が同じに見えているかも知れませんが、走るのに慣れてる人は実は頭の中で分けて認識しています。

そして、主要な道路をおおよそ覚えていたりします。

おおよそと言うのは、例えばですが東京に住んでる人は道は分からなくても、電車で新宿から東京までJR中央線が走っていて、またぐるっと山手線が回っていて、その周りを中央線本線や総武線、東急、京急、京王、西武、東武などが様々な方向に伸びているのを認識、覚えていると思います。駅名や終点までは覚えてなくても何となく想像できる感じで。

ぶりおにーるの頭の中にある首都圏鉄道路線図

そんな感じで同じように道を覚えている訳です。じゃあ、どの道から覚えれば良いの?ということがわからないですよね?

道には主要道路がある

全て同じように見えても道には主要道路と呼ばれるものがあります。

大雑把に分けると、国道が幅広の主要道路である場合が多く都道府県をまたいでいるくらい長い道、県道(都道)は入り組んだ細い道でいつの間にか無くなってしまう短い道であることが多いです。国道は逆三角形▽の中に、県道は6角形の中に数字が書いてあります。
※国道や県道には、道幅などといった厳密な規格があるわけではありません

ちなみに国道と県道(都道)は重複していて、呼び方が違うことがあります。

この国道を優先的に覚えておくようにすると良いです。

都市間を接続する国道

良く出てくるところを幾つかあげてみます。

  • 国道1号
    東京から大阪までつながる国道で、もともと東海道と言われる道。首都圏では日本橋から品川方面を通り、横浜、箱根へと続く(首都圏から横浜までを第二京浜と呼ぶ)
  • 国道15号(第一京浜)
    国道1号とほぼ同様で横浜まで続く道。第一京浜とも呼ぶ
  • 国道17号(中山道)
    東京から、本郷や赤羽を抜け、池袋埼玉県さいたま市、群馬県高崎市、新潟県まで続く道。中山道(なかせんどう)と呼ばれる
  • 国道4号(昭和通り、日光街道)
    東京から、秋葉原や上野を抜け、埼玉県草加市を経由し、宇都宮を抜け、福島市、仙台市、盛岡市、青森市へと続く道。首都圏では日光街道と呼ばれる。新橋~上野辺りまでを昭和通りと呼ぶ。
  • 国道6号(水戸街道)
    東京から、茨城の牛久市や霞ヶ浦などを抜け、水戸市を通り、仙台まで続く国道。東北地震の原発事故で一部を自転車で通行できない区間がある。(放射線ではなく、帰宅困難区間で潜伏がしやすい地域ということを考慮してとのこと)
  • 国道20号(甲州街道)
    日本橋から皇居の西を通り、四谷へ向かい、新宿の南口を通過して京王線沿いに高尾山、そして甲府(山梨県)、諏訪(長野県)へと続く道です。首都圏では20号ではなく甲州街道と呼ばれることがほとんど。
  • 国道14号(京葉道路)
    東京から千葉市へと続く道。靖国通りを走っていると隅田川を渡る部分から自然と千葉街道、京葉道路へと変わる。
  • 国道246号(ニーヨンロク)
    皇居の西、三宅坂からはじまり、永田町、青山一丁目などを通り渋谷へと続く道。この区間を青山通りと呼ぶ。渋谷から西方面は、町田やヤビツ峠のある秦野市、御殿場を抜けて静岡県沼津市へ。都内以外は通りの名前で呼ばれずニーヨンロクと言われることか多い。

これらのうち、よく使う道から順で良いので覚えていくと、電車の路線のように自分がどの辺を走っているのかが分かりやすくなります。

ぶりおにーるの頭の中にある首都圏の道路

国道以外の〇〇通り、〇〇道路のほか、環状線を覚える

もう国道だけでお腹いっぱいかも知れませんが、国道以外にも覚えておくと便利な道路の名前があります。

例えば「靖国通り(歌舞伎町の前を通る道)」や「青梅街道(奥多摩へと続く道)」がそれです。

そして一部国道が入りますが、「環七」、「環八」、「明治通り」、「山手通り」、「(国道)16号」といった環状線を覚えておくとより便利になります。

環状線と言うのは、文字通り環状(円)になっている道路なのですが、東京では(恐らく)日本橋を中心に幾つもの環状線が広がっています。

東京から外側(例として西側)に向かうと、明治通り→山手通り→環七→環八→16号という順で交差することになります。

これらは国道や県道のように番号で呼ばれないものの、非常に便利なため通称で呼ばれて、会話などに良く出てきます。

「道なり」を理解する

走りなれてる人が時々言う「道なり」と言う言葉、走りなれてない人はどういうことだか分からないと思うのですが、この言葉を理解することが結構重要だと思っています。

これ、簡単に言うと、「道から外れない」ことを言うんですが、道はまっすぐに見えて実はくねくねと曲がっています。道なりは、このくねくねに乗っかることを言います。

例えば、道が若干緩やかにカーブしている場合、正面にも道は見えるのですが、カーブ方向に点線が引いてあります。この場合はカーブの方向に進むことを「道なりに進む」と言います。

交差点でも十字路ではなくて、向かう先の道がズレてるような時があると思うのですが、この場合もそのズレに合わせて走ることをいちいち「右折してすぐ左折」などとは言わず「道なりに進む」と言います。

「道なりに進む」の意味

先ほどの、ワイズロード上野アサゾーから新宿本館までのルートの良い例を思い出してほしいのですが、実はアサゾーを出て南下をすると靖国通りにぶつかるのですが、後は靖国通りを新宿方向にひたすら道なりに進むだけです。あの例で言うと、私の中では曲がる回数は僅か1回という認識になっているのです。

中級編の例 新宿から高井戸まで行く

初級編と中級編が理解できたら、新宿から高井戸までどうやって行くかを例に見てみます。

簡単な行き方は2つです。

甲州街道で行く方法
新宿駅南口から、甲州街道(国道20号)を西に走ります。8kmくらい走ったところで環八にぶつかります。上高井戸一丁目という交差点があり、立体交差になっているので分かりやすく、下をくぐるようになっています。

ここを二段階右折して北上すると高井戸に到着します。

青梅街道で行く方法
一方で、今度は新宿の歌舞伎町側、靖国通りからスタートした場合、青梅街道を通っていくのも走りやすいルートです。こちらも約8.5kmほど走った先で環八にぶつかります。目印は四面道の交差点で、こちらは立体交差の上側に出るので左折して側道に入ります。

そのまま南下すると高井戸に到着します。

応用編 江戸川区から飯能まで行く

以前に地元江戸川区から飯能まで行きまして、その際は車が少ない道を通るルートで行きました。

もともと東京西部に住んでいたので割と土地勘はあるのですが、以前奥多摩に行ったときに幾度となく車で走った新青梅街道を自転車で走ったらどうなるかとわざとルートに入れたところ、予想はしていたものの散々な目にあったので、新宿を過ぎてから多少距離が延びてもどの道をチョイスするかが重要でした。

で、選んだのが渋滞の多い新青梅街道や交通量の多い川越街道(254号)を避け、敢えて南回りの方南通り→連雀通り→青梅街道というルートで、青梅駅まで出て北上するルートを取りました。

反応までの参考

これがなかなか良い感じでした。且つ、ポイントを3つくらい抑えておけば良いだけだったので殆どルートを確認することはありませんでした。

上級編 地名を覚える

都内を走りなれてくると、最終的には土地の名前を覚えるようになってきます。

多分、公道を走りなれてない人は、行先を示す青い案内標識を見ても地名に対して「それ、どこのこと?何で電車の駅名じゃないんだよ」と思うに違いありません。

東京東部は浅草橋、亀戸、錦糸町、新木場など、割と駅名と同じ案内が多いように思いますが、西側は等々力とか瀬田とか谷原とか笹目橋とか何を言ってるんだお前はというような表記が多い気がします。(私の主観です)

しかし、それが段々とその地名自体を覚えてくるようになってきます。

そうなってくると、もう道を覚えるとかはあんまり必要無くなってきて、案内標識を見て走るようになってくるので何となく走って目的地に着くことができるようになってきます。

ちなみに話が少しそれますが、他県から東京へ向かっているとき、案内標識に「東京」と書いてあると日本橋のことを指していると覚えておくと、多少正確な距離の想像がしやすくなります。

まとめ

ということで、どうだったでしょうか。

車の免許を持ってて、且つ乗りなれてる人は「何言ってんだ?」くらいの内容だと思いますけど、そうじゃない人はまずは家から近い主要道路覚えてみるのを目標にしてみてはどうでしょうかね。

また主要道路は交通量が多い場合があるので、その場合は主要道路と並行して走る一本隣の道で慣らしてみるなどしてみると良いかもしれません。

だいたい主要道路と並行して走る裏道は信号が多くてストップアンドゴーが厳しいのですが、道に視点を向けて走ることなんて無かったと思うので、2,3回試してみてはどうでしょうかね。