初めての怪我を伴う落車と怪我の内容と原因について

2019/07/30自転車

ロードバイクに乗り始めて約4年半。立ちごけなどは経験していましたが、怪我を伴う落車は初めてでした。

何が原因かと考えると慢心そのものかと思いました。その意味ではフィジカルの能力とは別に知識と経験の積み重ねとメンタルが重要なスポーツだと感じました。

今日はそんなお話。

怪我が治ってきたら写真を追加していきたいと思います。

1日の流れ

この日は、ちゃんPさんが実家に帰るとのことで一人だし、梅雨の季節の間に珍しく晴れ間になったタイミングだったのでナイトライドにでも行くかと思い仕事を早く上がりました。

家に着き、準備をし19時半。さて出ようかと玄関に向かってる途中にLINEで仕事のトラブル連絡が。問題は初歩の初歩でしたがやる気に溢れている新任の担当者だったので切り分けを1つずつ一緒にし1時間ほど対応。

納得のいくことだったとは言え、やはりスタートが19時半なのと20時半なのとでは大きな違いがあり、意気消沈し空腹感も感じるように・・・

そして、いつものコース、荒川(中川)沿いを南下し湾岸線からお台場方面へ進み交差点で信号待ちをしていたところ、4名のローディが集団で信号無視、私の右脇をノーブレーキで交差点をカッ飛んでいきました。

もう思考回路は「ああいうアホが本当に居るんだな」と軽蔑し、その先の休憩ポイントでももしも出くわしたらとスルー。

更にその後タクシーが前に割り込んでハザードもつけずに路肩に停止すると言うことが重なりイライラと感情が高ぶっていました。

そして、そのタクシーから恐らく300mほど先の交差点で、21時40分頃、ギャップでハンドルが跳ねたことで手がブラケットから外れ、ついに落車となりました。

交差点から転倒していた場所までは、20mほどは進んでいたと考えられます。

落車後、一瞬意識を失っていました。気付いたのはANGIが落車を検知してスペシャライズドのアプリから発するアラート音でした。

ANGi Crash Sensor | Specialized.com

「うわっ、落車した!」でも痛みはあまりない・・・条件反射でアラートをとめました。路駐していたトラックとトラックの間に倒れていることを認識しながら、スマホは割れてない良かった!と思ったことをはっきり覚えています。

そして次の瞬間、ちゃんPさんに電話をしていました。意識がはっきりとしない中、お台場を走ってたことと落車したことだけははっきりと自覚している状態でした。

電話の途中で自分が異常なハイテンションであることに気付き「とりあえず救急車呼びなさい」と言われ電話を切ると、すぐ見知らぬ番号から着信が。

男の声「救急ですが、今向かっていますがどちらですか?」・・・なぜか救急から着信するという不思議な体験。自分がお台場に居ることは分かっているもののどこかが分からない。

ここで初めて意識が飛んでることに気付きます。「意識が飛んでて・・・」などと話しながら信号についている交差点名を告げている内に、折り返してきて少しのところだと言うことまで徐々に思い出してきました。

そして電話を切った後、電話の履歴を見ると何と、最初にちゃんPさんにかけた後、全く無意識に119番通報をしているという・・・

記憶が飛び、記憶が戻ってくる体験と、全く空白の時間がある体験をリアルタイムで経験し、そんな中、なんてツイートするかなどを考えていた愚かしい自分を感じました。

数分の後、救急車が反対車線に到着し小走りに自転車を押して近づいていきました。

興奮しているから痛みを本当に感じなかったのですが、過去に鎖骨骨折をした時に「痛みはないけど体中が熱く感じる」という経験が、この後どんな痛みが襲ってくるか分からない焦りで急いで救急車までたどり着かないと・・・という変な義務感を掻き立てていました。

そこからは救急なのか誰なのか分からず数人から色々質問をされ、「自転車は〇〇署で預かっておきます」と言われ、その人が警察であることに気付きました。確か「ドラマの青島のところの・・・」と言われて湾岸署かと思ったような気がします(笑)

同時に自転車を預かってくれることにとても感謝しました。どうやら湾岸近辺ではロードバイクの事故が多発しているようです。

そこからは救急の人が家の近くでしたら、病院は2か所・・・〇〇駅と××駅の近くにありますけどどっちが良いですか?と選んでくれて、家からドアドアで20分くらいの場所に連れてってもらうことができました。

病院でもまだあまり痛みは感じず、破れたジャージを脱ぎ、「フルチンですけど良いですか?」などと確認しながら擦れたレーパンをめくり擦過傷と打撲などおおよその外傷を確認し、擦過傷の手当てをした後にレントゲンを撮ったら右親指が骨折していることが分ったという感じです。

治療費を5,000円払い(後日清算)、翌日キチンと診察を受けるように言われ、12時半に病院を出ました。ちゃんPとちゃんP父が迎えに来てくれて、家まで送って貰いました。本当に感謝です。

事故をして、警察や救急、家族に助けられ、自分がいかに守られているかを感じました。

落車に影響を与えたと思われる要因

今回、なぜ慣れたコースで落車をしたのか、考えてみました。勿論テクニック不足などはあると思います。ただ、今回の最も大きな原因は注意不足だったと思っています。

後から思い返せばこの日は寝不足でもありました。

出発前に仕事で止められ意識しないようにしようとしながらも少し気が立っていた可能性があり、また空腹でもあったこと。

そして、何より信号無視やタクシーの運転に腹をたて「自分はあんな荒い運転をする奴等とは違う」と軽蔑した感情を持ったこと。これこそが最も大きな原因だったのではないかと思います。

「いつか事故るぞ!」と潜在的に思い軽蔑し、「私はマナーが良いから事故には無縁」とそんな優越感のような感情を抱いていたんだと思います。

そして、この感情というのは慢心そのものだよなと後で気付きました。

どこかで事故と言うものが第三者の人的要因から起こるものであり、自分が原因で起こるものではないというような他人事に思ってたような感覚があったこと。この慢心だと感じました。

今回のことで、自転車はホビーライダーでもメンタルの影響が非常に大きいことを痛感し、またマナーの悪い人に出会った時こそ、自分に対して矢印を向け気を引き締めるというのが大事だと思いました。

そして、その気の引き締め方は、どちらかと言うと反面教師として扱ってマナーを守ることではなく、「感情の起伏により気の緩み(油断)が生まれ、自身の油断から事故を起こしやすくなる」という外的要因が内的要因を誘発するということでした。

怪我の経過

親指の骨は事故当日からあまり痛くはなく、翌日に受けた手術の後の方が痛みはありました。ただし、眠れないなどの痛みではないので、日常生活が不便なだけで特に痛みでストレスを感じるということはあまりありません。

手術の後、親指の付け根がズレないように固定しているらしい

どちらかと言うと事故後、1週間くらいは擦過傷の痛みが大きく、それ以降は不思議なことに打撲と肩関節の痛みが強くなってきました。

打撲は擦過傷からかと思っていたら、どうやら打撲からなのか痺れのようなものがあり、膝をたたんで座っていると股関節が固まる感覚まであります。

汚いのでトリミング。左太ももを尻側から取った写真

そして肩関節は肘にかなり深い擦過傷があることから、靭帯を痛めたようで次の診察では重点的に見てもらう必要があると考えて居ます。

4週目 添え木が取れる

術後4周目にして骨が繋がってきていることがレントゲンで確認できましたので、添木を外し指が動くことを確認、リハビリを開始しました。

最初驚いたのは、手首を反ることができなかったこと。できない理由は恐らく橈骨(手の親指側から肘にかけて伸びている骨)が固まっていたせいで、筋肉に張り付いているように突っ張っていて可動域を狭めていたようでした。

またここから面白いのが、日によって回復度が分かってきます。例えば、昨日は痛くて持てなかった箸が今日は何ともなくできる・・・といった感じです。ジッパーを恐る恐る摘まんでたのが、無意識に摘まんでいたり・・・。

車の運転をしていましたが、ハンドルを引く(右手で時計回り)があまり痛みなくできるようになりました。

6週目 包帯が外れる。肩の痛みもなくなる

骨を固定していた針金を抜き包帯を取りました。

手がかなり自由に動かせるようになりましたが、この時初めて可動域がかなり狭くなってることを実感します。

私の場合は親指を手の甲側に反らすことができず、手のひらを合わせることができませんでした。

2日ほど絆創膏を貼って過ごした後は、傷も塞がって汗の心配もなくなったので運動の許可が。(腕立てなどはNG)

早速ローラーを回したのは言うまでもありません。シフト操作はまだしんどかったです(笑)

風呂は入れますが、思いのほか手がうまく使えず汚くなった手を綺麗にするのがとても大変でした(笑)

ちなみに、ペットボトルの蓋を空けることがまだできませんでした。握力の低下と神経の痺れ、骨の強度不足への不安といったところです。

そして、肩の痛みがこのあたりでやっとなくなりました。

一時期は重いドアを押すという動作も痛いことがあったので、これは地味に嬉しかったです。

7週目 リハビリと実走

手の可動域はかなり力をかけてストレッチをすることで広がっていきましたが、ずっと熱を持ち腫れていました。

どうやらやりすぎだったようで、診察時に怒られました、、、

ちなみに、リハビリで最も効果があると感じたのはスマホの操作です。時間の経過と共にスムーズに操作できるようになります。

面白いのは1週間でもみるみる握力が回復し、自然と力を入れることに対しての不安が無くなっていったことです。

そして遂に週末、久し振りの実走をしました。これがまた面白くてドロップハンドルは路面から拾う振動を良い感じに刺激してくれるようで、一気に可動域が広がりました。

手ではやりにくかった方向にもフラット部分を持つってた時に自然と広げてくれてたりして、予期せぬリハビリ効果を得られました。

経過はこの記事内で完治するまで更新していきたいと思います。

マシンのダメージ

まだ点検に持って行ってないのですが、フレームに外傷はありませんでした。これは驚きです。

後日、いつも行っているスピリートさんに行き外傷をチェックしましたが、特に見つけられず見えない部分については「カーボンドライジャパンなどに出してチェックしない限り分からない」とのことでフレームに関しては自己責任でと。

リアメカは削れているのでたぶんディレイラーハンガーもダメかなと思っていたのですが、変速に問題は無く見て貰っても異常は見つからなかったのでそのまま使用になりました。


最も大きかったのはホイールのダメージでリアが完全にリムが曲がってしまっていました。レーゼロはリムもスポークも高価でリムは特にばら売りしてないので高くつくため、諦めることにしました。

ヘルメットは擦り傷は多い物の大きく目立ったところは見当たりません。・・・しかし、外殻部分は割れており、見えないところにもダメージが出てるはずなので、どんなに無傷に見えても落車後は交換が良いと思います。

昨年の10月に買ってそこまで長いこと使って無かったので残念。OGK KABUTOは保証制度もあって、1年未満だから使えるんだけど・・・登録して無くてガックシ。

あと、今回擦過傷と打撲、骨折はありましたが、手のひらや指、甲に関して擦過傷は1箇所もありませんでした。これはフルフィンガーグローブの恩恵かと思います。もともと手に汗をかきにくい体質なので夏でもフルフィンガーグローブなのですが、同じように気にならない人はフルフィンガーをお勧めしたいです。

まとめ

一番大きなことは本当に死ななくて良かったということ。変に悲観的にはなるつもりは無いので、周りから見たらあっけらかんとしてるように見えると思いますが、今回はリスクを本当に身近に感じました。

まだ分かりませんが、恐らく麻痺などの後遺症も無さそうで背中から落ちたりしなかったのが本当に不幸中の幸いだと感じています。

やはり今回の大きな反省点は気の緩みであり、マナーの悪い人に出会った時ほど主観的になり、自分自身に向けて俯瞰で物が見れなくなる瞬間なのだと、兎に角驕りやすい自分自身の人間としての質の低さを感じました。

気が高ぶった時ほど自分自身に目を向けなければと痛感している次第です。

 

 

2019/07/30自転車

Posted by ぶりおにーる