ロードバイクで脚がパンパンになってしまう人へ 脱力したペダリング【テキスト版】

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ロードバイクを始めると結構な人が100kmなどの長距離、いわゆるロングライドをしてみたくなりますよね。だけど、太ももやふくらはぎが疲労でプルプルしてしまって、挫けそうになる人も多いかと思います。

そんな方々に対策として「脱力した踏まないペダリング」をご紹介します。

※Youtubeチャンネルにて紹介している動画のBlog版です。動画にてご覧頂く場合は最下部の埋め込み動画を御覧ください。
※全ての人を対象にはしていませんので、記事についてのご意見などは「この記事や動画の内容について」をご覧頂いてからお願いします

脚がパンパンになってしまう2種類のパターン

脚がパンパンになってしまうパターンは大きく分けて以下の2パターンがあるかと思います。

  • ふくらはぎがパンパンになってしまう
  • 太もも(大腿四頭筋)がパンパンになってしまう

この2つのパターンの対策を紹介します。

ふくらはぎがパンパンになってしまう場合の対策

ふくらはぎがパンパンになってしまって、踵の角度が一定で固定されずにプルプルとしてしまうような状態になってしまう人。

この場合はペダルに対して足の置く場所がつま先側過ぎる可能性があります。

ペダルと足の接地面がつま先側に寄り過ぎていると踵が落ちていかないようにふくらはぎの筋肉で支えてしまうので、いずれは疲労が進んで支えられなくなってしまいます。

解決策は簡単で、「ペダルと足の接地面を少し足の真ん中ら辺に来るように調整してあげる」ことで踵が落ちにくくなるので、結果的にふくらはぎの疲労を防ぐことができます。

この際に少し注意する点は、つま先から足の真ん中へ移したことで膝が若干伸びるようになります。

膝裏に突っ張ったような感覚や痛みが出たら、少しサドルを下げるなりして膝が伸び切らないように調整をするなど対策が必要です。

サドルはミリ単位で大きく影響が出るので最大でも5mm程度の変更にするのが無難です。シートを下げる場合、カーボンシートポストの場合は締め付けすぎると壊れてしまうのでトルク管理と聞いて分からない人や不安な人は自転車屋さんに持っていってやって貰うことを推奨します!

太もも(大腿四頭筋)がパンパンになってしまう場合の対策

太ももが張ってしまう原因は簡単に言うと一生懸命踏んでしまうというところに尽きます。

「踏めば疲れる」という当たり前の内容なのですが、ロードバイクに乗ったことが無い人はママチャリと同じ感覚を持っているので「自転車=踏まないと進まない」と思っているため一生懸命踏んで漕いでしまうことが起こっています。

しかし、ロードバイクは乗車姿勢などの違いから、実はペダルを一生懸命踏んだり漕いだりしなくても、重力で勝手に脚が落ちていきペダルが回るということが起きてきます。

この感覚を掴むことが重要で、どのくらい力をかけずにいてもペダルが落ちていくかということが分かってくると筋肉を使うことが減るので疲労が少なくなってきます。

感覚を掴むために、一番軽いギア構成にし、脚を前後水平の状態にし後ろの脚をペダルからどかしてみます。そうすると脚が自然に落ちていくのが分かると思います。脚が落ちて行かない人は体に力が入っているので両脚を1度だら~んと下げてみてから同じことをやると良いと思います。脚の位置を色々と変えて自分の想像と実際の感覚の違いを感じていくのが良いと思います。

ローラー台が無い人は、周りに人が居ない場所を探して壁(金網など)を掴みながらやると良いと思います。

脚が落ちていく感覚が分かってきたら、次は両脚でペダルを回してみます。当然ですが、自然に脚が落ちて行かなかった方がいると思います。なぜかというと、前脚が下がっていくのを後ろ脚が邪魔をしている状態になっているため、後ろ脚は邪魔をしないように上げてあげるように意識すると良いでしょう。

このようにあまり力を使わないリラックスした状態で自転車を漕ぐことを脱力したペダリングと呼んでいます。

小ネタ 重心位置と骨盤の傾きについて

脱力したペダリングに影響を与える要素に重心位置と骨盤の傾きがあります。

重心位置について

ロードバイクに乗る際の重心位置はどこだと思いますか?左右はどちらかに寄っていることは無いのでサドルにちゃんと座れていれば良いとして問題は前後の重心位置になります。

勘の良い人はペダルとペダルのちょうど真ん中の部分(BB)だと想像しがちですが、実際は前傾姿勢を取りますのでもっと前方になります。

BBの上に重心を置いてしまうと(ママチャリと同じ状態)、両足に均等に体重が乗ってしまうので自然に脚が落ちていきません。しかし、重心を前に意識すると自然と前傾姿勢になり、前脚側に体重が乗るため連動して前脚が勝手に落ちていくようになります。

脱力したペダリングをする時はこのように重心を意識してどこがバランスが良いか、しっくりくるかを試してみるのが良いと思います。

骨盤の傾きについて

ペダリングにおいて、骨盤の傾きは非常に影響が出てくるところです。

骨盤の傾きと言うのは、骨盤に着目すると猫背のような状態だと後ろに傾いている状態(後傾)になっており、逆におへそを突き出すような状態だと骨盤は前に傾いている(前傾)の状態になります。

この時に背中のラインと一緒に見てみると、後傾の時は背中にアーチができ、前傾の時は背中が直線になる傾向があります。

ロードバイクでは良く「骨盤を立てる」と言われますが、この「立てる」という状態が後傾か前傾かどちらか曖昧に使われる場合が多いです。私が調べた限りでは昔ながらの背中にアーチを作る乗り方を好む人が良く使う表現であり、前傾姿勢の際の骨盤の角度から見て骨盤が後傾の方が骨盤が上向きであることから、上に向かって背中のアーチを作るように「骨盤を立てる」と呼んでいるように理解しています。この場合、逆に骨盤を前傾している場合は「骨盤を寝かせる」と表現します。

いずれにせよ「骨盤を立てる」という言い方は、ちゃんと定義されていないので会話で使う場合はどちらかの意味かを見極めて話をする必要があります。

この骨盤の角度はそれぞれ長所と短所があります。

長所 短所
骨盤が後傾
  • 股関節の可動域が広く腿上げがしやすい
  • 各種筋肉が使い易い
  • 深い前傾姿勢が取りにくい
  • 関節を利用したテコが使いにくい
骨盤が前傾
  • 前傾姿勢が取りやすい
  • 関節を利用したテコが使える
  • 脚が自然に降りていきやすくする
  • 股関節の可動域が狭く腿上げがしにくい
  • 強い体幹が求められる

骨盤を前傾させた時に股関節の可動域が狭まることを私は「股関節をロックする」と呼んでいますが、骨盤をロックさせると可動域が狭まる代わりに前方向に力が出しやすくなるという特徴もあるため、脱力したペダリングは骨盤の傾きが非常に重要になってきます。

動画内では説明をしていませんが、いつか「骨盤をロックする」効果に関しても動画にしたいと思います。

この記事や動画の内容について

脱力したペダリングに関しては以上になりますが、いかがでしたでしょうか。

当記事や動画で紹介している考え方については、自転車雑誌を中心に書籍や自転車競技のプロ、実業団選手、レース関係者などの発言から収集しています。

収集した内容を私が実際に取り入れて役に立ったものを、ホビーユースの私の視点から同じホビーユースの人向けに抽出して紹介しています。

特にレースや競技のような乗り方には当てはまらず、200km程度のロングライドを中心としたホビーユース向けの内容になっています。

参考にした書籍や情報など

言わずとしれた堂城賢さんの自転車の教科書。2022/10/14現在 Kindle Unlimitedでも読めるようです。

 

様々なジャンルで活躍されている理学療法士 多田さんのMedibody(関節の使い方などを教えて頂きました)

動画本編

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