200km走る時のコツなど気を付けていること
Twitterで「ロングライドのコツを記事にしてくれ」とリクエストを頂きました。ありがとうございます。
競技志向ではなく「趣味として楽しむ」という姿勢で200km程度をロングライドするための考え方をまとめてみました。
今は200kmくらいであれば時々走るので、この記事を書くにあたって今までやってきたことを振り返って記事化しました。
自身が求めるものと周囲の情報
大前提ですが、自転車ってのは実力の差が非常に出る乗り物です。また、スポーツ志向で乗っている人も居れば、遊び感覚で乗っている人も居ます。
厄介なのが、どちらも「趣味」の範囲なんですが、この範囲が広すぎることなんですよね。
尻が痛いと言ったら「体ができてないからだ」とか、坂で一生懸命漕いでいたら「体がブレてロスが多い」とか。一方で「楽しく走るのが一番」なんて言う人も居て、色んな意見が飛んでくることが多いんですが、大事なのは安全に「自分らしく走る」ことだと思っています。
必ずしも正しい情報が全て自分が使える訳では無いってことですね。ですので、仕入れた情報を実際にはできなくても自分なりに考えて怪我をしないように役立てれば良い訳です。
新しいものを取り入れると新しい楽しさが見つかるし、自分が達成したいことのためにスポーツ要素を取り入れるのは有意義だと思いますが、目指すものが違う場合があるので周囲の情報にあまり左右されないことも大事だと思います。
そういう意味で言うと、私はスポーツ志向はかなり弱めなロングライドのお話をしたいと思います。
ロングライドにおいて考えること
長い距離を走ることに対して大事そうなことが何かを改めて考えてみました。
- 疲れが出ないための基礎テクニック
- ある程度のフィジカル(筋力と体力)と自己分析
- 気温と装備
- 距離計算と時間計算(都内、郊外、登り坂)
- 補給と休憩と前日の食事
ざっとこんな感じになりました。
1.疲れが出ないための基礎テクニック
自転車で走るのに必要なのは「いかに力を使わないで進むか」ということと「いかに長い時間繰り返すか」の2つで、前者がテクニック(技術、癖)で後者が体力やパワー(フィジカル、筋肉、体幹)だと思っています。
それで言うと、ロングライドをこれから始めたいという人には前者からの方が効果が出やすいので取り組みやすいかなと思います。中でも重要だと思うのはペダリングです。
ペダリングと言っても無駄を無くすといった難しいことではなく、「いかに踏まずに進むか」というテクニックかなと思っています。
↑この記事の「踏まないペダリングとは」に書きました。
自転車はついつい一生懸命漕いでしまって太ももに負荷がかかってしまう乗り物ですが、どちらかと言うと腿上げをする感覚で、上足は踏み込むのではなく下ろすだけ、この意識をするだけでかなり疲労を軽減できるはずです。
あとはハンドルの握る位置を変えることで、腕、腰などの凝りをほぐしたり、股関節を使ってペダリングをして筋肉疲労を分散したりなども必要です。
2.ある程度のフィジカル(筋力と体力)と自己分析
基礎テクニックとフィジカルはどちらが重要かと言われると、どちらもです。
ただ、先のとおり、ジョギングをして体力をつけたり、ベンチプレスをして筋肉をつけるのは時間がかかるので、自然に鍛えていくのが良いと思います。
本格的なウェイトトレーニングはもっと速く走りたい!もっと早く成長したい!など思ったらやる感じで。
また、肉体的な面では基礎テクニックにも通じるところですが、自分を知るということが重要です。スピードを上げるために脚に力を入れた際、どのくらいの力を入れればスピードが出るのか、どのくらいの時間維持ができるか、その感覚を意識して掴んでいきます。
パワーメーターがあれば良いですが殆どの人が無いと思うので、無風の時で時速何キロくらいなら楽に走れるか、向かい風の時はどのくらいの強風で時速何キロくらいなのかなど、無理しない感覚を意識して自分を理解しておくのが大事です。
3.気温と装備
装備ってほどでもないのですが、冬は寒いのでトラブルで動けなくなると山中では死ぬんじゃないかと思います。なので、気を付けましょう。
どちらかと言うと難しいのは夏です。暑いと体力が奪われて走れなくなるので、日焼け対策、汗対策、水分補給対策はしましょう。
そして、春秋冬が走れたから夏も同じ距離を走れるかと言うと、体力の消耗具合が大きく違い思い通りに走れないと思うので、いきなり夏にロングライドにチャレンジするのはやめましょう。
もし冬に死ぬとすると明確なトラブルによって動けなくなり凍死なんじゃないかと思いますが、夏は自覚が無いまま熱中症、脱水症状で死ぬと思うので、対策の難易度は夏の方が高いです。かなり慎重にした方が良いかと思います。
4.距離計算と時間計算(都内、郊外、登り坂)
1~3までは意識していけば自然と変わっていくことだと思うんですが、ここからが経験かと思います。簡単な説明だけでは何を言っているのか分からない部分です。
例えば「坂は休むところ」という言葉をどこかで見たり聞いたりしたことないでしょうか。坂は必死になって登るところなのに何を言ってるんだ?って感じじゃないですか?また、「坂で体力回復なんてできないよ!」って思いますよね。
ただ、これ私の場合は坂は体力回復ではなくて「速さは捨てる=最小限の疲労度で登る」という考えになります。つい頑張れば15km/hとか出てしまう坂でも、漕いでしまいたくなる習性をグッと抑えて我慢する区間という認識です。
そうなんです。人は坂を登る時、一生懸命漕いでしまう習性があるんです。
このことを理解して「我慢して力を抑える=坂は休むと自分に言い聞かす」ことで、坂は休むところという認識になる訳です。
中距離ならば多少無理しても良いですが、ロングライドは1度の無理がそのライド中はずっと後を引きずりリカバリーできないことがあります。平坦もですが、坂は特に気を付けて休むようにしないと、一気に心拍が上がり筋肉は疲労し最悪軽い肉離れのような症状になり回復しない状況を作りやすくしてしまいます。(レースではオールアウトと言う言葉が使われますが、ロングライドにも似たような状況に陥る場面が幾つかあります)
こういったことが起こらないように坂で休む状態がどんなかを自分で知っておく必要があります。想像以上にペダルを踏まなくても意外に登ることができます。
私の場合、だいたい斜度6%くらいなら12km/h前後、8%以上は8~10km/h前後くらいを目安にしています。実際はもう少し出てるかもしれませんが、そのくらい休むつもりでいます。
また、コースの難易度を考える時に、1時間で何キロ進むことができるかを考えると判断しやすいです。
例えば都内を走る場合はストップアンドゴーが多いので私は1時間で8~12kmくらいしか進めません。郊外で信号が減ると15~20kmくらい走れます。坂は斜度にもよりますが、10kmくらいで考えているとだいたい計算が合います。
これに基づいてコースを辿っていくとだいたい何時間で走れるか計算することができ、ブルベなどの場合は制限時間内に完走できるかどうかの目処を立てることができます。
制限時間内に収まらない場合は自分にとっては難易度が高いということになりますね。
5.補給と休憩と前日の食事
補給と休憩については、あまり厳密にしていませんがだいたい1時間~1時間半に1度休憩を取っています。
過去を振り返ると、このペースが走りやすく、山などの休憩ポイントが無い場合などで2時間を超えてしまうとハンガーノック気味になるのかペースダウンしています。
補給については、人それぞれなところもあるかもしれませんが、最近私は甘いものを食べてもあまり回復しないような気がしてきました。
一番効くのは1時間半ごとのコンビニ休憩で必ずオニギリを食べるというもの。Stravaなどでカロリー計算をすると200kmで4,000kcalくらい消費しているようなので、オニギリで200kcalくらい補充しても全く足りないという状況です。
そう考えると前日の夜はちゃんと食べておくのは非常に重要ですよね。
まとめ
ロングライドにおける私のコツとして最も大きなところは、体に負荷をかけずに走るということです。
そのためにはどのくらいの強度で動けば負荷になるのかを理解することが大事という感じです。
このことを学ぶ(気づく)のに、私が経験してきたことで近道になりそうなことを優先度高い順に並べてみました。
役に立てば嬉しいです。
終