ロードバイク向けおすすめインナー DUAL X(デュアルクロス)とおたふく手袋の選び方

2020/12/02アクセサリアパレル,安ウェア,快適

数年経つと機能性が向上していることがある・・・これが機能性商材の面白いところ。当然ロードバイクを含むスポーツに関わるアイテムは機能性商材が豊富です。

そのため、以前使用した商品が数年経ってどうグレードアップされたか。例えアパレル商品だとしても時間が経てば新たな価値を確かめたくなるというものです。

そんな意味合いで今回購入したのがこれ。おたふく手袋さん DUAL X(デュアルクロス)!!

おたふくさんの商品は3年前に購入して暫く間が空いてたのですが、この商品がこりゃまぁとても良かったのでご紹介したいと思います。

簡単に言うと「コンプレッション+吸汗・速乾インナー(ベースレイヤー)」

ずばりこの商品の特徴は、コンプレッション性、吸汗性、速乾性です。持久系スポーツ(自転車やランなど)をやる上でこの3つの要素は非常に重要なのですが、実はこの3つの性能を併せ持つウェアは非常に少ない認識です。

しかし、このDUAL Xはこの機能をバランス良く持ち合わせていると感じました。

適度なコンプレッション性

過去、私のブログではベタ褒めしているベースレイヤーがあり、今でもこのベースレイヤーはお気に入りなのですが、足りない部分があるとしたらこのコンプレッション性です。(ちなみに購入当初は有り難みが分かりませんでしたが、使ってる内に良さが分かっていきました)

不満はありませんでしたが、よくよく考えてみると胸部は密着するもののコンプレッション性は低いため、腹部などはただのTシャツのように密着しないシルエットで着心地としては好みではありません。

その点、DUAL Xは優しい感じのフィット感。圧着と言うより密着という感じのコンプレッション性があります。上半身とは言え、とても動きやすく肌に密着しているため、生地が皮膚と擦れるようなこともありません。

肌への密着度は人によっての好みもあるとは思いますが、ロードバイクはジャージが基本的にタイトなのでインナーウェアも密着している方が何かと扱いやすいこともあって好みです。

吸汗性が高め?

吸汗性が高め?です。「?」がついているのは実はあんまり吸汗性の違いを体感したことが無いからです。変な話、綿のTシャツだってめちゃ汗吸うし😅

ただ、真冬の電車の中で時々ある背中を汗が落ちていく、、、と言うような不快な感触は無いです。そして速乾性にもつながることだと思いますが、肌が濡れたり肌の表面がひんやり冷たい感じはしませんでした。

DUAL X 肌面側生地 よく見るとニットのような粗い編み込みがあしてある

一見ただの黒い布のように見えましたが、良く見ると少し粗い網目上のニット素材のようになっています。細かすぎないところが水分を吸収しやすくなっていると思われます。

汗を吸い込み外側に押しやる2層構造になっているのですが、肌がサラサラで冷たくないということはコンプレッションで密着し吸収し肌に触れない部分へ水分を押しやっているのかもしれません。

どちらにせよ、熱伝導と気化熱で体温が奪われる汗冷え対策に役立っているのだと思います。

速乾性が高い?

そして、速乾性。

吸汗性と通じるものがあるのだと思いますが、汗が発散するスピードが早いと感じました。インナーウェアの外側が湿ることもありませんでした。そもそもあまりウェアを厚着していなかったこともありますが、それでも運動強度を上げると汗が額から垂れてくるくらいになるじゃないですか?

それでも肌はサラッとした状態なのに、ウェアの外側に汗が湿ったような跡も見られませんでした。

言い方は悪いかもしれませんが、愛用していた高級インナーと同様に背中が濡れている感じはしません。

それで言うと、インナーウェアは生地の外側で溜め込む汗が飽和状態になると、じっとり内側まで濡れてきて一気に体温が冷えてしまうので、如何に外側の汗を溜めずに蒸発させるかという発散性(速乾性)も重要になってきます。

汗を肌が感じず、ひんやりせず運動時の肌表面に暖かさを感じるのは恐らくこの機能が高いのだと思います。

DUAL X の外側生地一度外に出した汗を再び戻さないようになのか、外側の生地表面は細かく規則的に編み込んであるように見えます。

おたふくインナーの選び方

簡単にDUAL Xの特徴を書きましたが、興味を持ったら他の商品と比較すると思います。

そうするとぶつかる、どの商品を買えば良いか分からない問題。商品ラインアップが意外に複雑なんですよね。

おたふくさんのインナーは実は2着目ですが選ぶの難しくないですか?それが今回何となくラインナップからの選び方が分かってきた気がしたので、こちらも紹介します。

シリーズ名ではなく、温感機能の有無→4機能の順で選ぶ

これは私の選び方なので正解かどうかはわかりません。ただ知人に聞かれたらこの説明をすると思います。

おたふくさんの商品にはシリーズ名がついていますが、このシリーズ名で商品を選ぼうとすると恐らく混乱します。

そもそもボディタフネス パワーストレッチとか、ボディタフネス パワーストレッチ サーモ デオとか、ヒートブースト ボディタフネス ファンクションシリーズとか、オーバーザファンクション ボディタフネスとか。

それで言うと、このDUAL Xなんて、デュアルクロス ボディタフネス デュアルファブリックシリーズですからね。

選び方は商品コンセプトではなく直接機能に目を向けるのがおすすめです。

また機能も、「温感機能の有無」✕「4つの機能」に別れます。

温感機能とは文字通りで着た暖かさになります。4つの機能は着心地と汗対策だと思って貰うと良いと思います。

その上で、まず選ぶのは暖かさを取るか取らないかです。

基本的にインナーウェアは冷感ウェアと言うのはあっても、体温を下げるほどの効果は少ない認識です。

反対に、体温を上げる効果を謳うインナーは結構効果があります。生地を薄くさせても涼しくなるのには限度はありますが、暖かくする分には生地を厚くさせたり表面を起毛させるなど工夫の幅が広いですからね。

その上で夏だけ使うなら半袖かタンク(袖無し)、オールシーズンで使用したいなら温感機能無し、極寒の冷え対策なら温感機能ありなどとなります。

秋冬カタログは温感機能ありの商品が大きく載っていますが、ちゃんと用途で決めるのが良いと思います。

暖かさを取るかを決めたら次に見るのは機能性です。おたふく手袋さんは商品を、コンプレッション性、ストレッチ性、吸汗性、速乾性の4つの項目に分けています。

この4つの項目から何を優先させるかを考えてチョイスするのが良いと思います。

これが4つの機能を先に選んで温感機能に目を向けると選択項目が増えて商品比較が難しくなってどれを買うのが良いのか分からなくなります。

暖かさを選ぶか捨てるか

暖かさという意味では夏用インナーで迷うことはないと思います。

問題は冬に温感機能が必要かですよね。

今は廃盤かも知れませんが、以前から紹介しているボディタフネスJW174は、まさに暖かいタイプのインナーウェアでとてもストレッチ性が高く伸び縮みするものの、裏起毛で着た瞬間から暖かく、ひんやりするような感覚は一切ありませんでした。

しかしその分当然ですが汗はかきやすいです。ロードバイクは荷物をなるべく持たないスポーツなので、暑いから脱ぐということが気軽にできません。

平坦のサイクリングロードをゆっくりサイクリングするような場合は用途に合っていると思いますが、強度高めのインターバルやヒルクライムで汗だくになるような乗り方をすると幾ら高性能なインナーウェアでもダウンヒルでの汗冷えを防ぎようはないと思います。自身がどのくらいの強度で走るか、またどんなコースを走るかを事前に意識すると良いと思います。

個人的には強度が低いポタリング以外では温感インナーは不要と考えています。

あとは自分が汗をかきやすい体質であると自覚があれば個人的にはオールシーズンタイプをおすすめします。暖かさを優先するとどうしても吸汗性と速乾性の機能はスペック的に落ちてしまうので、暖かさと汗対策は同居できないということも覚えておいた方が良いと思います。

強度が仮に低くても少しスピードを出していまう機会はどうしてもあると思います。そして殆どのライドで少し休憩する場面が頻繁に訪れるはずです。

そう考えるとズバリ私の意見としては、インナーによる防寒性を取って汗冷えのリスクを上げるなら、防寒についてはアウターで調整しインナーは汗冷え対策に充てる方が良いと思うのです。

4つの機能性を選ぶ

機能は先に紹介した通りコンプレッション性、ストレッチ性、吸汗性、速乾性で4つに分かれていて、おたふく手袋さんが商品の特徴を紹介する上で5段階に分けて点数をつけています。ちなみに、この4つの項目全てが5の商品はカタログを見る限りはありません。

そして、実はこの4つの性能も着心地(コンプレッション性、ストレッチ性)体温調節(吸汗性、速乾性)の大きく2つに分類されます。

おたふく手袋さんのインナーは、ほぼ伸縮しない商品もあり、ここも着心地と体温調整はトレードオフの関係があります。例えば、おたふくさんの商品で吸汗性、速乾性がどちらも最高の5が唯一ついているDUAL BRUSHEDという商品は、コンプレッション性、ストレッチ性はどちらも2がついています。

DUAL BRUSHEDの機能スコア ※おたふく手袋さんのサイトより(https://www.otafuku-glove.jp/

この商品の場合はインナーの上にタイトなジャージを着るにはもしかすると向いてないかもしれません。

逆に速乾性は5のままで、吸汗性を1犠牲にして4の商品となると、この記事で紹介しているDUAL Xがコンプレッション5、ストレッチ4となりかなりオールラウンドな評価になります。これはおたふくさんの評価なので何とも言えないですが、おそらくDUAL Xは数値だけ見ると万能であると言えるのではないかというところです。

DUAL Xの機能スコア ※おたふく手袋さんのサイトより(https://www.otafuku-glove.jp/

私の結論 これは買いです

人によって物の価値は変わるので、基本的に私は人にお薦めをする場合などは条件を絞ったりしてるのですが、このDUAL Xに関しては広い人達に猛烈プッシュしたいです。

もちろん、他メーカーでこれより優れている商品はあると思います。商品の魅力はコストではないと思っていますが、しかし自転車にハマって週に何度も乗るようになればインナーウェアは複数枚必要です。1着高級インナーを買う金額で3枚くらい買えてしまい、且つ着心地も性能も満足するのであれば、この買物は特に連日ライドの予定がある場合は煩わしい洗濯を1日延ばすことができるなど、良い体験への貢献度が高いのではと思います。

以前購入した温感保温機能のあるJW174も今でもよく使いますが、DUAL Xは全く別物だと感じました。レディースモデルが無いので、おたふくさんにはレディースモデルも作って貰いたいです。

参考:外気温と使用例

保温性なども気になると思うので、実際の使用した時の状況を例として紹介します。

外気温:14度
DUAL X+半袖夏ジャージ+アームカバー+防風ジレ
やや寒い

外気温:10度
DUAL X+防風機能付き長袖ジャージ
やや寒い

DUAL X+長袖夏ジャージ+防風機能付き長袖ジャージ
やや暖かい

外気温:7度
DUAL X+長袖夏ジャージ+防風機能付き長袖ジャージ
やや寒い