フィット感が高いSPDシューズ フィジーク パワーストラップを履いてみて
2月の頭に新しくSPDシューズを買いました。選んだのは、fi’zi:k(以後、FIZIKorフィジーク)のX4 TERRA POWERSTRAP(テラ・パワーストラップ)。
実はサイズ選びがかなり難しく、試着を何回かしながらも最後まで本当に買うか迷いました。そして一応納得して買ったものの、実は実際に走ってみた当初は「完全にこの買い物は失敗したわ」と思ってました。しかしそれから1か月半使ってみてかなり印象が変わってきました。
印象が変わった経験を踏まえて、私が感じている良い点と悪い点を紹介したいと思います。
ちなみに、今まではSHIMANOのRT5を履いていて、とても気に入っていたもののかなりヘタってきてフィット感が落ちてきたように感じていました。別のシューズにしたのは他のを試してみたかったからで、今でもおすすめするシューズです。
私のSPDシューズに関しての考え方などは↓の記事をご参照ください。
フィジーク X4 TERRA パワーストラップの悪い点
まずは悪い点からです。実はそれほど多くはありません。ただ1つインパクトが大きい問題があります。
足の形が合わない
それが足の形の問題。過去にSPD-SLのシューズではサーファス、Catlike、NORTHWAVEと履いてきて、SPDシューズではSHIMANOを履いてきました。
SPD-SLのシューズ選びについては、NORTHWAVEのを選んだときはかなりこだわって「歩かない」くらいのつもりでフィットするシューズを選びました。フィットするシューズはペダリングにも影響し、余計なストレスなくスムーズに脚を回すことができます。
この経験を踏まえて、SPDシューズでSHIMANOを買った時はフィットはしつつも歩きやすさをかなり重視したので、多少余裕があるけど緩くないというギリギリを狙いました。このように幾つか使った経験を通じてだいたいどのくらいのフィット感が必要か、シューズの違いで体験してきました。
で、結論。FIZIK X4 TERRA パワーストラップは、NORTHWAVEやSHIMANOのシューズが合う人には、おそらく横幅が狭すぎ且つ縦に長すぎて、フィット感は得るのは難しいんじゃないかと思います。
また、トゥの形状が親指が長い人に合わせて作られているように思います。私は足の指は人差し指が長いのですが、人差し指から小指まではまんべんなくつま先が当たっているにもかかわらず、親指はスカスカの形になっています。
また、アッパー部分はの高さは気にならないものの、トゥ側は高さがありすぎに感じます。甲はフィットしていてもつま先はかなり余裕があり、親指のスカスカ感は上方向にもかなり余裕があります。
足に合わないだけなので、これがシューズのレビューにはならないとは思うのですが、個人的には日本人の足型からは外れすぎてない?という疑問も感じています。
横幅は意外に早く伸びてなじむ
悪い点かどうか難しいですが、最初は横幅が非常に狭く感じます。ただ、実際に測ったわけではないのですが200kmくらい走るだけで横幅はだいぶなじんだように思います。
最初は足の底がインナーに一部しかついていないような印象でした。それくらい横幅はきつかったように感じました。それが今ではぴったりとついていて、伸びたのかな?という印象です。横幅の圧迫具合は無くなり代わりに土踏まずが良い感じに圧迫されています。・・・しかし、トゥ側の親指が緩い感じは変わりません。
これだったらワンサイズ小さいので良かったんじゃないか・・・と思ったりもしますが、もう1度試着したとしてもやっぱりその選択はできないと思います。それくらい足の形を選びそうな気がします。
蛇足ですが、私は偏平足気味で土踏まずはあまり無いのですが、痛くはならずここはとても良い感じです。
フィジーク X4 TERRA パワーストラップの良い点
改めて良い点について。勿論、言うまでもなく見た目が良いんです。実は使い始めた当初は見た目だけでそれ以外は微妙でした。・・・しかし、使っていて徐々に印象が変わってきました。
見た目が良い
見た目は好みなので主観ですけど、やっぱりSPDシューズの中ではダントツに良いかと思います。SPDシューズは野暮ったいものが多く、どうしても紐のタイプのシューズがファッション性は高くなりがちで、マジックテープのタイプは子供っぽく見られがちだったり、ラチェットやBOAダイヤルのものはMTBタイプが多くゴツ過ぎて、こういった点でイマイチ敬遠されていたように思います。
それがリボンのようなデザインにすることで、機能性にもデザイン性にも振り切らずフィットネス用のハイテクスニーカーのようなバランスの良さを保ってきた感じがします。見た目の好みは主観ですが今までにない流行をうまく取り入れてきたと感じています。
ソールが固い
さて、機能面ですが、ソールが固い!ここが非常に良い点だと思います。
ずっとSPDシューズだったので初めてSPD-SLを履いた時のような固い印象を受けました。SPDシューズは柔らかいものが多いので、シューズが足の形に変形するのが普通だと思いますが、このシューズはカチッとした固めのシューズに足を突っ込む感じです。
他のシューズが書いてないので基準が全く不明ですが、公式サイトによると10段階中で6の固さだそうで、固めに作っていることが分かります。
勿論、カーボンソールほどの固さではないですが、慣れない内は少し走ると指の腹部分が痛くなりました。SPD-SLのような固いソールでペダリングをすると、ペダルに板をはめているような印象だったのですが、これに近い感じがありました。
踏み足時にヨレる感じがしないのはとても良いところです。
フィット感が高く脱ぎやすい
私はマジックテープでとめるタイプのシューズが好きで、調整がアナログなのでフィット感の微調整ができるところに優位さを感じているのですが、もちろんこのシューズも非常に優れています。
2本のストラップなのに全体的にフィットされるのは、つま先側のストラップが横向きではなく斜めに通っているからなのか、BOAダイヤルのシューズと同様に全体を締め付けられる構造だからなのかもしれません。
調整がしやすく踵を垂直に立てて固定すればかなりきつめに、アキレス腱を伸ばすようにしながら締めれば多少余裕を持って固定することができ、個人的にはラチェットよりも調整がしやすい印象です。(ラチェットは後何回カチカチ言わせるかという目安は作りやすいんですが、1回での締まる量がデジタルチックで微調整が難しい)
またソール同様にシューズのアッパーというかアッパー他ボディ自体も伸びにくい素材のため、フィット感は高めです。
そして、もう一つ、狙って開発はしていないように思いますが、非常に脱ぎやすいところも良い点です。普通、皮系(皮、ゴム、合皮など)の素材だとマジックテープをはがすと癖がついていて曲がったままなのですが、形状記憶のようにストラップが自然とまっすぐになります。
多分ローディは全然気にしないだろうビンディングシューズの脱ぎやすさ比較。
フィジーク パワーストラップ(右)のかなり気に入ってる点が、玄関前での脱ぎやすさだって言っても共感は得られなそう🤣
ポイントはベルクロの引っかかりにくさですw pic.twitter.com/LWCgXtTVQQ— ぶりおにーる (@roi_jpn) March 17, 2020
この癖のせいで一本一本外側に広げるようなことが必要で、マジックテープなので広げたのがもとに戻ってまたくっつくというような煩わしいことが起こるのですが、これはバリバリっと外すとスッと広がるのでそのままシューズをズボッと脱げます。
玄関を開けて室内に自転車を運ぶのに非常にスムーズです。
ソールが厚いのでサドルが上げられる
ソールが恐らく厚いからだと思いますが、その分サドルを上げられます。SHIMANOと比較すると5mmくらいはサドルが高められます。これはマジですw
競技思考ではないので、サドルが上げられると言うことはそんなに大きなことではないんですが、それでもハンドル落差が5mmも出る、その利点は結構大きいと思います。
勿論、サドルとタイヤのクリアランスが5mm空くのもありますけどね。
まとめ
シューズはフィット感だと思うのであんまり色々と書くこと無いし、足に合わないようなら違う物を選んだ方が良いと思うんですが、ソールが固い、フィット感の調整がしやすいという機能面でも優れていると思います。
また、SPDシューズはやっぱり歩きやすいなど、機能性以外の利便性にも目を向けたいじゃないですか?そういう意味で、脱ぎやすいというのが実は相当気に入っているところです。
帰ってきて玄関前で自転車を立てかけてベルクロを外し、戻ってこないように軽く抑えつけながらベルクロを緩めて半分脱ぎかけたつま先立ちの状態で自転車を持ち上げ家に入る。今までやってたこの作業が、片手で自転車を抑えながら、もう片方の手でベルクロを外せば後は脚を抜くだけ。
自転車を立てかける必要もなく、ベルクロを抑えつける煩わしさも、つま先立ちする必要もない。くだらないことですけど、私にとってはこのストレスからの解放がとても気持ち良いです。
見た目はね、カフェに行った時に再確認しますけど、当然良いですよ(笑)
終